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民間救助隊員との連携で支える山岳遭難救助の実際 島崎三歩の「山岳通信」 第131号

島崎三歩の「山岳通信」
その他 2018年10月29日

長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年10月26日に配信された第131号では、約1週間で4名の遭難死亡事故が発生していることに言及。無理のない登山・きのこ採りを呼びかけている。

 

10月26日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第130号では、10月9日~14日に起きた11件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 10月9日、中央アルプス経ヶ岳で、前日に日帰りの予定で単独で入山した74歳の男性が、道に迷い行方不明となる山岳遭難が発生。警察などで捜索していたところ、男性は自力で下山した。

  • 10月9日、八ヶ岳連峰大同心で、47歳の男性がクライミング中に浮石を掴んで滑落して負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

  • 10月9日、北アルプス涸沢で、74歳の男性が登山道脇に倒れているのを発見され、県警ヘリで救助されたものの死亡が確認された。涸沢に向け登山中に発病した模様。

  • 10月10日、北アルプス涸沢で、54歳の女性が涸沢から上高地に向けて下山中に、横尾本谷において疲労により行動不能となる山岳遭難が発生。北アルプス南部地区遭対協隊員により救助された。

  • 10月10日、塩尻市奈良井地籍の山林内で、きのこ採りのため入山した62歳の男性が滑落する遭難j事故が発生。県警ヘリで救助されたものの死亡が確認された。

  • 10月12日、下水内郡栄村の苗場山付近で、きのこ採りのため入山したとみられる74歳および73歳の男性2名が行方不明となる事案が発生。警察及び志賀高原地区遭対協が捜索を行い、14日に捜索隊が発見したものの、死亡が確認された。

  • 10月13日、北アルプス燕岳で、44歳の女性が燕岳から下山中にスリップして転倒・負傷する山岳遭難が発生。北アルプス南部地区遭対協隊員が出動して、県警ヘリにより救助された。

  • 10月13日、北アルプス五竜岳で、42歳の男性が下山中に足を滑らせて負傷する山岳遭難が発生。大町警察署及び北アルプス北部地区遭対協白馬班救助隊が救助活動を行い、翌14日に背負い搬送により救助した。

  • 10月13日、南佐久郡川上村の金峰山で、57歳の男性が屋根岩をクライミング中に確保ロープが緩み転落、負傷する山岳遭難が発生。佐久広域消防により救助された。

  • 10月13日、下伊那郡大鹿村の大萓山の山林で、キノコ採りのために入山した75歳の男性が行方不明となっている。警察、飯田広域消防署及び遭対協大鹿山岳救助隊で捜索をしているものの、連絡が取れなままとなっている。

  • 10月14日、南アルプス仙丈ヶ岳で、43歳の男性が登山中にガスのため道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。伊那地区遭対協により救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

10月2週は11件の遭難が発生し、4名の方が亡くなっています。中でも、きのこ採りに夢中になるあまり、道に迷ったり、急斜面に入り込み滑落したりするケースが後を絶たず、3名の方が亡くなっています。
里山の斜面は樹林帯で陽が当たらず、非常に滑りやすいので、無理をしないようにしてください。また、仲間と声や目が届く範囲で行動し、単独行動はなるべく控えてください。
登山では、天候不良により、稜線でガスに覆われ登山道を見失う遭難も発生していますので、天候不良での行動は控えてください。

 

民間救助隊員との連携して救助する様子の動画を公開

長野県警察では山岳遭難救助活動の動画(平成30年第5回)を公開した。今回は「夏山シーズンの山岳遭難救助~民間救助隊員との連携~」という内容の動画で、県警救助隊の活動で欠かすことのできない民間救助隊隊員と連携した山岳遭難救助の実際の様子となっている。

なお、民間救助隊隊員とは「山岳遭難防止対策協会(通称:遭対協)」および「山小屋従業員 (通称:小屋番)」で、これらの人々の活躍で、安全かつ敏速な救助活動が実施されている。

2018年7月~8月は長野県では117件の山岳遭難が発生しているが、そのうち半数以上に民間救助隊員が出動している。今回の動画では、県警ヘリが到着する前に民間救助隊隊員が現場で応急措置やサポートを行ったおかげで、迅速な救助が可能となっている様子などが紹介されている。

 

教えてくれた人

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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