本格的な冬山・アイスクライミングシーズンに向けての注意点 島崎三歩の「山岳通信」 第134号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年12月12日に配信された第134号では、これから本格的なシーズンとなる冬山登山やアイスクライミングの安全対策について言及している。

 

12月12日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第134号では、11月4日~12月1日に起きた4件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 11月4日、北アルプス涸沢で、69歳の男性が涸沢から上高地に向けて下山中、本谷橋上部付近で雪に足を滑らせ転倒し、足を負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

  • 11月18日、南佐久郡川上村大双里で、3人パーティの登山者(38歳女性、9歳男性、43歳男性)が、金峰山荘から小川山を経由して八丁平に向けて下山中に道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。佐久警察署員が救助に向かい、3人を発見し同行下山した。

  • 12月1日、下水内郡栄村の苗場山で、2人の男性登山者(26歳と25歳)が苗場山山頂から小赤沢口に向けて下山中に道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。飯山警察署員および志賀高原地区遭対協隊員が捜索して、翌2日に県警ヘリが遭難者2人を救助した。

苗場山・小赤沢コースの遭難現場状況(長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)12月6日付)
  • 12月1日、八ヶ岳連峰ジョウゴ沢で、40歳の男性がジョウゴ沢をアイスクライミング中に滑落し、骨折する山岳遭難が発生。諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員により救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

11月1週は1件、3週は1件、5週は2件の遭難が発生しました。これからの時期は、八ヶ岳連峰周辺などでアイスクライミングのシーズンとなります。アイスクライミングをされる方は、ロープワーク等の訓練を行うとともに、万が一滑落しても、確実に確保できるシステムの構築をしてください。

また、積雪期の登山は、登山道が分からなくなって、道に迷うことがあります。地図とコンパスは必ず携行し、こまめに地図を確認しましょう。携帯電話にダウンロードした地図だけでは、バッテリーがなくなれば、使用できません。紙の地図と予備バッテリーを携行しましょう。
登山道上で少しでも迷ったら、引き返すことが重要です。そのため、時間に余裕を持った登山計画を心がけましょう。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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