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「山梨県・高川山。縁起のよい富士山を拝む、1月のおすすめ低山」

低山フォトグラファーの気ままな山歩き
ガイド・記録 2019年01月16日

低山フォトグラファーの渡邉明博さんに、季節のオススメ低山について紹介いただく連載。冬の真っ只中、1月のおすすめは、中央線沿線、山梨県の高川山です。リニア新幹線の実験線に近く、下山途中に施設に立ち寄れるのもポイントです。

低山フォトグラファーの渡邉明博です。みなさま新年おめでとうございます。まずは新春の一句を。
「新年を迎える富士の笑顔かな」。
みなさまはどんな新年を迎えられましたでしょうか。

さて、今回ご紹介する高川山は、大月市指定「秀麗富嶽十二景」の山のひとつ、つまり「富士山がきれいに見えるピーク」というお墨付きの山です。中央線沿線の山の中でも、極めて人気が高く、1年を通して多くの登山者が訪れます。

今回は、最もポピュラーなコース、初狩駅からのルートで山頂に立ち、大きな富士山を仰ぎ、下山後はリニア見学センターに立ち寄るという、新春にふさわしい山旅を紹介します。

入山はJR中央本線の初狩駅。ホームに降り立つと、北側に滝子山が大きく見えることでしょう。駅前郵便局の角を曲がり、中央本線のガードをくぐり、自徳寺方向へ進んで行きます。

自徳寺付近から振り返ると滝子山方面が望める

林道に変わり、寒場沢を渡ると簡易トイレがある広場に出ます。この先に登山口があります。直進は沢ルートですので、道標を確認し、左斜面の男坂・女坂ルートを登って行きましょう。

林道の終点には簡易トイレが置かれている。ここで身支度を整えよう

やがて私有地を分ける柵が目立つようになり、しばらくは柵に沿って登ります。降雪直後に登ると、この辺りからアイゼンが欲しいところです。九十九折の登りからロープのある急登を登りつめると男坂と女坂の分岐に着きます。どちらを選んでも大差はありません。今回は男坂を選択しました。

男坂の登りは辛いが気合を入れて頑張ろう

ところどころにロープが設置されていますが、徐々に高度を上げ、先程別れた女坂コースと合流します。傾斜が緩くなって低い笹が目立つようになると、大岩山との分岐が現れ、ひと登りすれば高川山山頂に到着です。

土日ともなると多くの登山者が。広い山頂も賑やかだ/雪を抱いた大菩薩連山が一望できる

広い山頂からは、三つ峠山、御正体山、今倉山、九鬼山、扇山、百蔵山、大菩薩嶺など360度の展望があります。そして何と言っても、ひときわ大きい富士山は圧巻な眺めです。

高川山の富士山は秀麗富嶽十二景の中でも1、2を争う美しさ

また眼下にはリニア実験線が間近に見えて、運が良ければリニア新幹線の走行が見えるかも知れません。

馬の背のように見えるのが権現山、手前が扇山、右奥が陣馬山/九鬼山方向の眼下にはリニア実験線がよく見える

飽きることのない眺望を楽しんだら下山します。下山路はいくつもの分岐があるので確認しながら進みましょう。

北東側の登山道から平坦な道を進むとすぐに分岐があります。直進すればむすび山方面ですが、ここは右の中谷入・古谷方面に下って行きます。

降雪直後は気持ちのよい登り下りを味わえるに違いない

急坂やロープ場もあるので慎重に下ります。さらに岩稜帯を過ぎると再び分岐があり、右に行けば禾生駅、左が中谷方面でリニア見学センター方面になります。

途中、右側がガレた危険個所があるので、高巻きに通過して、次に丸太橋を渡り、沢沿いに下って行けば車道に飛び出ます。そのまま進み、集落に入ると四差路に出て、直進すれば山梨県立リニア見学センターです。

見学センターでは、リニアモーターカーの走行を間近で見られるほか、実物大の展示もある

見学センターでは、登山靴を脱いで見学できるよう、スリッパが用意されています。リニアの仕組みの展示や、実物大のリニアモーターカー、リニア方式で実際に「動くミニリニア」にも乗ることができるのです。またウィークデーであれば、ガラス窓越しに本物のリニア実験走行が観られます。

リニアを楽しんだら帰路に着きます。富士急行線の禾生駅や田野倉駅へ歩くこともできますが、見学センターから大月駅行きのバス便があるので、これを利用すると良いでしょう。

見学センターからは大月駅行きバスが発着している

一年の計は元旦にあり、新年のスタートは、ぜひ高川山からの富士山展望を楽しんでいただけたらと思います。

リニア施設に寄らずに下山する場合は…

なお、リニア見学センターに寄らない場合は、下山路の最初の分岐を直進し、松葉谷コースに進みます。村神社脇に出て左に進めば、禾生第二小学校前を通過して桂川を渡り、民家の小路を左に進すんで国道139号に出れば田野倉駅入口の信号が見えるでしょう。


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『高尾山と中央線沿線の山』

高尾山と中央線沿線の山々の徹底コースガイド決定版! 南に丹沢山塊、北に奥多摩というメジャーエリアに挟まれた中央線沿線の山々は、日本百名山のような有名山岳こそ含まれないものの、首都圏の登山者から四季を通じて親しまれている。鉄道駅から直接登ることができる身近さから、根強い人気がある。著者が140日以上に渡って実踏調査したコース案内と、写真集のような美しい山岳写真でまとめられたガイドブック。富士山展望の山も多数収録。

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教えてくれた人

渡邉 明博

1957年、東京都生まれ。中学時代に写真を始め、1976年から商業カメラマンとして写真を仕事とする傍ら、「山上から富士山を撮る」をテーマに山岳写真家としても確立。「低山フォトグラファー」として中央線沿線の低山にくまなく通い四季折々の風景を撮影。のべ150日に渡る実踏取材を元に『高尾山と中央線沿線の山』(山と溪谷社)を2016年に上梓。白籏史朗賞日本山岳写真コンテスト入選ほか受賞歴多数。山岳写真ASA会長。(写真=水谷和政)

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