バックカントリー遭難が多発する時期、スキー場の規則の厳守を! 島崎三歩の「山岳通信」 第137号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2019年1月18日に配信された第137号では、本格的なウインターシーズンに入って増加しているバックカントリーの安全管理について触れている。

 

1月18日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第137号では、2019年1月10日~13日に起きた2件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 1月10日、四阿山で、72歳の男性が山頂付近から下山中に道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。男性は県警ヘリにより救助された。

  • 1月13日、志賀高原熊の湯スキー場で、25歳の男性がスキー場のコース外を滑走中に、仲間とはぐれて遭難する山岳遭難が発生。男性はスキー場パトロールにより救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

1月2週は、2件の遭難が発生しました。積雪時の登山は、積雪量等によって計画通りに登山できないことがあります。時間には十分余裕を持った登山計画を立てるとともに、現在地と時間を確認して、引き返すことも大事です。

また、この時期は、バックカントリー遭難が多発します。スキー場コース外滑走は、多くのスキー場で禁止となっています。スキー場の規則は、必ず守ってください。

 

平成30年度の長野県の冬山情報

長野県内の「冬山情報」などについては、長野県のホームページ内で公開されています(PDF)。北アルプス登山案内人組合連合会会長の松本正信氏への特別インタビューなど、長野県内の冬山に対する安全対策の情報など多数掲載していて、以下のようにメッセージしています。

何もかも凍りつくような厳寒の冬山、そこには登山者のみが味わえる絶景が広がっています。しかし、吹雪や寒冷、雪崩など、非常に厳しい自然条件下での登山となることから、冬山に挑戦する登山者は、それらを克服できる強靱な体力と確実かつ高度な技術・知識、経験と的確な判断力が必要となります。

昨年の冬山シーズン中(平成29年12月から本年3月)は40件の遭難が発生し、遭難者55名のうち11名が命を落としています。登山をされる方は、事前に、必ず体力トレーニングを行うとともに、ピッケル・アイゼンを使用した歩行訓練を行ってください。

また、自分の体力・技術・経験に応じた山を選ぶとともに、天候や積雪の状況などの情報を必ず確認して、計画段階から厳しい冬山に対応できる装備を整え、余裕のある日程で引き返す勇気を持ち、安全な登山に心がけてください。

⇒平成30年度の長野県の冬山情報はこちら

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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