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スポルティバ「登山靴」のユーザー人気は定番の「トランゴ」

「みんなの山道具」ユーザーのおすすめ度調査
道具・装備 2019年01月23日

 

スポルティバの「登山靴」でヤマケイオンラインのユーザーに人気の商品は何だろうか。投稿コーナー「みんなの山道具」からユーザーの声をピックアップし、その製品について、さかいやスポーツ 斎藤さんに解説してもらった。

取材/文=吉澤 英晃
監修=斎藤 勇一(さかいやスポーツ)

 

トランゴ(TRANGO)|多彩なモデルがトレッキングから岩稜帯まで幅広く対応

 

「みんなの山道具」の「登山靴」カテゴリーで最も投稿数の多いシリーズがスポルティバ(LA SPORTIVA)の「トランゴ」です。

「昔は、硬いソールに丈夫な本革を縫い付けたいわゆる重登山靴か、柔らかいソールで歩行性能を高めた軽登山靴しかありませんでした。その時代に、ソールは硬いまま、アッパーに柔らかい化学繊維素材を採用し、足首をホールドしながらも可動域を広くとり、動きやすさを追求した革命的な靴が発売されました。それがトランゴです」(さかいやスポーツ 斎藤さん)。

今では当たり前になった軽量アルパインブーツの先駆けがトランゴだと知ると、その人気の高さも頷ける気がします。

さらに、斎藤さんの説明からは、登山者のニッチな要望に応えようとするスポルティバの姿勢がイメージできました。特にトランゴはその姿勢をひしひしと感じられる商品といえるでしょう。

「トランゴシリーズに共通する特徴は、硬いソール、柔らかいアッパー、足首の可動域の広さからくる、動きやすさです。海外では岩稜帯や岩と氷のミックスルート用の靴として人気。靴底が硬く安定性があるので、さかいやスポーツでは、テント泊縦走や長期山行にもオススメしています」(同)

これからテント泊デビューを考えている人にはオススメの一足といえますね。

そんなトランゴシリーズには、なんと8種類もモデルがあります。正直、どれを選べばいいか迷ってしまいます。

「日本ではトランゴシリーズは、トランゴ S エボから始まりました。その後継が、トランゴ タワー GTXです。そこから、ホールド感やフィット感をタイトにして登攀向けにしたのが、トランゴ キューブ GTX。耐久性と安定感を向上させて、アッパーに本革を使うことで足に馴染みやすくしたのが、トランゴ アルプ エボ GTX。軽登山用のハイキングモデルが、トランゴ TRK GTXになります」(同)

各モデルの個性を確認することは登山靴選びで大事なチェックポイント。幅広いラインナップの中から、自分にあったベストなトランゴを見つけましょう!

製品情報

 

トランゴ S エボ GTX

価格
42,000円(税別)
サイズ
37~48(23.7cm~30.3cm)
重量
約700g(片足)

トランゴ タワーGTX 

価格
44,800円(税別)
サイズ
38~48(24.3cm~30.3cm)
重量
約700g(片足)

トランゴ タワーエクストリーム

価格
58,000円(税別)
サイズ
36~48(23.1cm~30.3cm)
重量
約735g(片足)

トランゴ キューブ GTX

価格
49,000円(税別)
サイズ
38~48(24.3cm~30.3cm)
重量
約700g(片足)

トランゴ アイス キューブ GTX

価格
85,000円(税別)
サイズ
38~48(24.3cm~30.3cm)
重量
約690g(片足)

トランゴ アルプ エボ GTX

価格
49,500円(税別)
サイズ
38~48(24.3cm~30.3cm)
重量
約725g(片足)

トランゴ ガイド エボ GTX

価格
41,500円(税別)
サイズ
38~48(24.3cm~30.3cm)
重量
約565g(片足)

トランゴ TRK GTX

価格
27,000円(税別)
サイズ
37~48(23.7cm~30.3cm)
重量
約590g(片足)

 

ネパール(NEPAL)|冬季用の登山靴の人気商品

 

ウィンターシーズンに人気の登山靴が「ネパール」です。

「トランゴと同様、発売当時としては画期的な登山靴でした。今では革一枚のアッパーに断熱素材を組み合わせた軽量で動きやすい冬靴は当たり前のように店頭に並んでいますが、その先駆けとなったのがネパールになります」(さかいやスポーツ 斎藤さん)。

知れば知るほど、時代を牽引してきたスポルティバの開発力に驚きを隠せません。そんなネパールシリーズには3種類のモデルが存在します。

「基本となるのは、ネパール エボ GTXです。ネパール キューブ GTXは素材を見直すことで、さらに軽くなったモデル。そして、アッパーに使われている革を厚くして、保温材であるシンサレートを組み合わせて保温性を向上させたのが、ネパール エクストリームになります」(同)

ネパール エボ GTXと、ネパール キューブ GTXの保温性は変わらないので、重さと温かさに注目して選べばよさそうですね。

しかし、この「ネパール」シリーズ、海外では夏に履かれていることが多いのをご存知でしょうか?

「海外の標高4000mを越える高所では夏でも雪が降ることもあるため、このような軽量で断熱性を備えた登山靴が必要になります。国内でも、冬になると標高4000m以上の高所に匹敵する環境の山が多くなるため、日本では冬季用の登山靴として販売されています。しかし、ネパールはあくまで断熱性があるだけなので、厳冬期の登山では足先が寒く感じることもあるでしょう」(同)

ひとえに冬季用の登山靴といっても開発の意図は様々。慎重に選ばないといけません。では、ネパールはどのレベルの冬山なら大丈夫なのでしょうか? 

「寒さの体感は人によりますが、中級クラス以上の雪山にオススメしています。八ヶ岳の赤岳や南アルプス、北アルプスの入門者向けの山域などです。しかし、厳冬期の北アルプスなどに向かうような場合は、保温性のあるワンランク上の靴を選んだほうが無難でしょう」(同)

保温性については山行計画を鑑みて熟考したいところ。まずはネパールを試し履きしてみて、自分の山行スタイルに合うかどうか検討してみてはいかがでしょうか。

 

製品情報

 

ネパール エボ GTX

価格
73,980円(本体68,500円+税)
サイズ
38~48(24.3cm~30.3cm)
重量
約1,025g(片足)

ネパール キューブ GTX® 

価格
88,560円(本体82,000円+税)
サイズ
38~48(24.3cm~30.3cm)
重量
約890g(片足)

 

ボルダー エックス (BOULDER X)|登山者にも人気のアプローチシューズ

 

「ボルダーX」はクライミングなどで、自宅から岩場に行くまでの間に履くために作られたアプローチシューズのカテゴリーに入る製品です。軽くてフィット感も良いため、最近ではトレイルランニングからトレッキングを始める人が、トレイルランニングシューズよりも丈夫な靴がほしいと、ボルダーXを選んでいくことも多いそうです。「みんなの山道具」でもボルダーXをトレッキングシューズとして使う人は多いようですが、問題はないのでしょうか?

「トレッキングに使用しても大きな問題はありません。しかし、ソールのラグ(靴底にある溝のこと)が一般的なトレッキングシューズと比べると浅いため、濡れた土の地面では滑る恐れがあるので注意しましょう」(さかいやスポーツ 斎藤さん)

あくまで岩場でのグリップ力を重視して開発されているので、このような弱点は把握しておきたいところ。しかし、軽さと丈夫さに注目すればトレッキングでも充分活躍してくれる靴といえます。ところで、同じアプローチシューズのカテゴリーに「トラバースX」というシリーズがあります。最近、山で履いている人をよく目にしますが、こちらはどうでしょうか。

「ボルダーXをトレッキング向けに進化させたのがトラバースXになります。ラスト(靴を作る時に使う足の形をした木型)やソールパターン、素材などを一新しているため、ボルダーXとは違った、全く新しいシリーズと言えるでしょう。ボルダーXよりもつま先がオブリーク型でゆったりめなので、トレッキングにはこちらのほうがオススメですね。岩場での歩行や登攀が多いルートには、アッパーホールドが良く、やや細身の足型のボルダーXがオススメ。岩場以外の登山道の歩行時間が長いような場合にはトラバースXが優位と言えるでしょう」(同)。

ひと昔前は、重登山靴、トレッキングシューズ(軽登山靴)、アプローチシューズなどと明確に分かれていた登山靴のカテゴリーですが、その境目がなくなってきているのが最新の登山靴事情。「トラバースX」はアプローチシューズとハイキングシューズの隙間を狙って開発されたシリーズです。はじめに紹介したトランゴシリーズからも最近、「ネパール」との境目を埋めるような、冬山にも対応できるモデル、トランゴ タワー エクストリーム GTXが発表されました。

ニーズが細分化してきた昨今、その需要に応えるべく商品開発が進み、細かい望みも叶えてくれる一足に出会える可能性は高まっています。「みんなの山道具」の商品レビューを参考にしながら、広い視野も持って道具を選んでみましょう。

 

製品情報

 

BOULDER X MID GTX®

価格
29,160円(本体27,000円+税)
サイズ
36~47(23.1cm~29.7cm)
重量
約1,025g(片足)

※掲載した情報は、2019年1月現在のものです

登山靴
教えてくれた人

斎藤 勇一(さかいやスポーツシューズ館)

アウトドア、ヤマの業界で25年超の経験を持つ長老的存在(笑)。
シューズ系の売り場に長く在籍し、さまざまな登山者の足元を見続けたせいで、その人の姿勢や歩き方から身体のクセなどを見抜くイヤらしいヤツ。
アウトドアスポーツ全般をこなすが、最近はイマドキ流行りの軽量装備で一人テント泊登山を楽しむ。

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