BCで入山する際は自身でトラブルに対応できるようになってから 島崎三歩の「山岳通信」 第138号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2019年2月4日に配信された第138号では、引き続き事例の多いバックカントリーのリスクについて言及している。

 

2月4日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第138号では、1月22日~27日に起きた4件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 1月22日、北アルプス八方尾根で、19歳の男性が八方尾根スキー場からコース外に出てバックカントリースキー滑走中に、積雪などにより行動不能となる山岳遭難が発生。男性は大町警察署山岳遭難救助隊により救助された。

  • 1月23日、黒姫山で、27歳の男性が黒姫山山頂からバックカントリースキー滑走中に何らかの事故が発生。男性の仲間が倒れているのを発見し、県警ヘリで救助されたものの、男性は収容先の病院で死亡が確認された。何らかの原因により転倒したものと思われる。

  • 1月24日、北アルプス唐松岳で、単独で入山した45歳の男性が唐松岳方面から下山中に悪天候のため道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。翌25日に、大町署山岳救助隊員、北アルプス地区遭対協白馬班救助隊員が男性を発見・救助した。

  • 1月27日、八ヶ岳連峰阿弥陀岳で、62歳の男性が阿弥陀岳広河原本谷でアイスクライミング中に滑落し、負傷する山岳遭難が発生。男性は県警ヘリで救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

1月3週は遭難がありませんでしたが、4週は4件の遭難が発生し、1名の方が亡くなりました。
バックカントリースキーによる遭難が多発しています。バックカントリースキーは、雪崩、立木への衝突、道迷い等、危険の高いスポーツであり、相当な技術が必要となります。

また、樹林帯ではヘリコプターでの救助が困難であり、地上から救助に向かわなければならず、相当の時間を要します。自分たちでトラブルに対応できるよう、セルフレスキューやビバーク訓練を行ってから入山しましょう。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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