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登山用アンダーウェアの選び方 3 -高機能メッシュアイテムとお手入れ方法-

登山道具の買い方・選び方、ショップのスタッフに聞きました!
道具・装備 2019年03月22日

山に行くときの服装で軽視できないのがアンダーウェア。優れた汗処理で快適性が高まるだけでなく、体の冷えを軽減して安全性も向上・・・と、名脇役として活躍してくれるのだ。そのような山での重要アイテムにおいて、新しいレイヤリングとして注目されているのがメッシュアンダーウェア。愛用者も増えているメッシュアイテムのことと、それを着用するときに特に気をつけたいアンダーウェアのお手入れについて、さかいやスポーツ 高橋さんに聞いた。

取材/文=辻 歌

 

 

メッシュアンダーウェアって、何?

ライターT:「登山用アンダーウェアの選び方」について、1回目は「重要性と化繊のメリット」、2回目は「メリノウール」についてうかがいました。ポリエステルに代表される化学繊維(以下、化繊)とメリノウールがおすすめの2大素材ということでしたが、最近、それらに加えてメッシュで作られたアンダーウェアを重ねる人も増えましたね。

ファイントラックの「スキンメッシュT」


高橋さん:メッシュアンダーウェアは、昔から「網シャツ」として山の服装にあった考え方ですが、近年、ファイントラックなどのブランドが新しく開発したアイテムがヒットして注目されています。

メッシュアンダーウェアの着用イメージ


ライターT:1枚で着ているとちょっと・・・という見た目ですが、汗冷え対策などで手放せない人も。今日は、その特徴について教えてください!

高橋さん:まず、メッシュアンダーウェアで大前提となるのは、これ1枚では機能しないアイテムだということ。吸水性の高いシャツなどとぴったり重ねて着用することでパフォーマンスを発揮します。

ライターT:アンダーウェア(ベースレイヤー)のさらに下に着るアイテムですね。それは、なぜですか?

高橋さん:「水を吸わない素材」もしくは「水を弾く加工をした素材」が使われているから。具体的には疎水性のあるポリプロピレン素材、またはポリエステルなどの化繊にはっ水加工を施したものです。汗をかいたときに、保水しないメッシュ生地部分をすばやく通過して、その上に着ている衣類に汗を吸わせる。かいた汗をすぐに肌から引き離せる上に、メッシュ生地自体には水を吸わないから、肌面がドライな状態のままなのです!

ライターT:ペラペラな1枚のTシャツでも、水を含まないだけで、そんな効果が出せるのですね!

高橋さん:かいた汗を体から遠ざけてから拡散させるというだけでなく、この1枚があることで肌側への汗戻りも軽減できるから、汗冷えなどで体がひんやりしにくくなるのです。

 

おすすめの着用シーンと重ね方のコツ

アウトドアブランドが展開するメッシュアンダーウェア


ライターT:メッシュアンダーウェアは、どのようなシーンで着用するのがおすすめですか?

高橋さん:継続的に体が濡れた状態になりがちなシーンです。沢登りのように川から上がったあとも長時間行動するとき、雨が降り続くことが予想されるとき、夜間も走るトレイルランニングなどにはおすすめ。普通の登山なら必ずしもないといけないというアイテムではないので、肌触りなどが苦手な方は無理して着なくてもOKです。

ライターT:重ね着がポイントとのことですが、どのようなものを選ぶといいですか? 

高橋さん:吸水速乾性のあるポリエステルなどの化繊でも、吸湿性に優れた天然素材のメリノウールでもいいですが、かいた汗をきちんと吸水して乾かす登山用のアンダーウェアやシャツを合わせてください。サイジングは、必ず体にぴったりフィットしたものを! たとえば大きめサイズのTシャツだと、体に触れている部分しか汗を吸ってくれないから、メッシュアンダーウェアの内側に水が溜まってしまって不快になることも・・・。もちろん、疎水やはっ水のメッシュアンダーウェアの上に、同じような保水しない機能をもつシャツを重ねるというのも、どこも吸ってくれるところがないからダメです!

ライターT:汗を吸ってくれる素材であることと、より吸い取りやすいようにぴったりしたものを重ねることが大切ですね!

高橋さん:くれぐれも気をつけてほしいのが、上に重ねるアンダーウェアの吸水性です。案外見落としがちなのが、手持ちアイテムにおける吸水性の低下。使っているうちに皮脂や洗剤によって吸水性が衰えていくので、本来の機能をできるだけ取り戻すためにも、お手入れに気を配ることが肝心です。

 

アンダーウェアのお手入れ方法

さかいやスポーツ ウェア館でもアウトドアウェア専用洗剤を取り扱っている


ライターT:ということで、アンダーウェアのお手入れ方法も教えてください!

高橋さん:まずは基本的なことですが・・・こまめに洗うことが大事! 普段着ている肌着と同じ考え方で、1回きたらきちんと洗うということを意識してほしい。

ライターT:登山用のウェアとなると、なぜかあまり洗濯しない方もいますが、アウターでもアンダーウェアでも「使ったら洗う」ということで機能が保ちやすいといいますよね。

高橋さん:そう、洗ってください(笑)。洗うときは、衣類には必ずついている「洗濯表示」に従って。登山用アンダーウェアは「洗濯機で弱い洗濯処理ができる」と表示されているものが多いです。その場合、できれば弱水流で、洗濯ネットに入れて洗うと安心感が高まります。

ライターT:洗剤は、何を使うといいですか?

高橋さん:柔軟仕上げ成分や漂白成分配合のものではなく、添加物が少ないものを選んでください。せっかく施している吸水速乾性やはっ水性を高める加工を、洗剤成分でコーティングしてしまわないように!

ライターT:シンプルな成分であれば、家庭用洗剤を使ってもいいのでしょうか。

高橋さん:アウトドアウェア専用洗剤は高価だから・・・と、洗濯の回数を控えてしまうくらいなら、家庭用洗剤でこまめに洗ったほうがいい! アウトドアウェア専用に作られているものは、洗剤かすが残りにくいなど繊維や加工の機能を生かしやすく仕上げられているので、気合いを入れる登山の前に使うのも一つの手です。

ライターT:先ほどの「吸水性が低下した化繊」には、特別な洗剤のほうがいいのでしょうか。

高橋さん:特にポリエステル系の化繊は、着用し続けることで吸水性が衰えることも。機能低下を感じたときは、アウトドアウェアの吸水性を復活させる加工剤でケアするのがおすすめです。この「吸水性」が、疎水性やはっ水性をもたせたメッシュアンダーウェアを着るときに重要で「せっかく着ているのに、汗処理の効果を感じられない」という場合、メッシュアンダーウェアではなく、その上に重ねているウェアの吸水性に問題があったということも・・・。まずは着用後に皮脂汚れなどをきちんと落とすことを心がけて、スペシャルケアとして加工剤も上手に活用してください。

吸水性を復活させる加工剤は、「ファイントラック」のベースリカバーなどがある


目立つアイテムではないものの、山の必需品であり、奥が深い登山用アンダーウェア。初心者も上級者も今一度、注目してみましょう。

 

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