鋸山で絶景を楽しんだ後は「漁協直営食堂ばんや」で腹いっぱいの幸せを(千葉県鋸南町)

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下山を始めると「おいしい魚料理を食べて帰りたい」とスイッチが入る。私の頭に思い浮かぶ店はひとつだけ――。ライター西野 淑子さんの「下山メシ」。16回目は房総半島・鋸山の帰りに寄りたい、保田漁港直営の「漁協直営食堂ばんや」をご紹介。

帰りは「おいしい魚料理を食べて帰りたい」スイッチが入る

鋸山の山頂付近にある「地獄のぞき」


今年の春先は、鋸山に何度か訪れた。海の絶景、迫力ある石切場の景観が魅力の、房総半島でも人気の山。天気に恵まれると、あちこちのビューポイントから真っ青な海や対岸の三浦半島などが一望に見渡せる。

下山を始めると「おいしい魚料理を食べて帰りたいな」とスイッチが入る。
魚料理が味わえる店は海岸線に沿って走る道沿いにも、フェリー乗り場近くにもたくさんあるが、私の頭に思い浮かぶ店はひとつだけ。

 

刺身盛り合わせや、海鮮丼・・・鮮度抜群! 内房の海の幸

南房総にある人気の食堂「ばんや」


保田漁港近くの「ばんや」は、家族との観光でもときどき訪れる店だ。
保田漁港直営の食事どころで、漁港で水揚げされた、鮮度抜群の内房の海の幸が味わえる。観光客にも人気の店なので、昼どきはたいがい混んでいる。店に入ってしばらく待つことも多い。とはいえ、登山の帰りなら一番忙しい時間帯ははずして入ることができるし、昼休みのない店なので安心だ。電車・バスを使うとJR内房線保田駅から歩いて15分ほど。若干遠いのだが、下山ルートの一部だと思っているので、実はあまり苦になっていないかもしれない。

鮮度抜群の刺身盛り合わせ


刺身盛り合わせや、寿司、海鮮丼、さらには焼魚、煮魚、フライ、かき揚げなどメニューも豊富。漁協直営店ならではのラインナップに、どれを頼もうかと迷ってしまう。

どれも食べたいから…といろいろオーダーしてしまうが、ここは十分注意が必要。
どのメニューもボリューム満点なのだ。名物のひとつであるイカのかき揚げがいい例で、1皿オーダーすると、大きな皿に直径10cm以上のかき揚げが4つも載ってくるのだ。初めてオーダーした人はたいがいその量に驚き、間違いではないかと伝票を見直し、間違いではないことに改めて驚く。

サイズ感が伝わらないかもしれないが、とにかく大きいのだ

 

美味しそうな煮魚や焼魚、次に来たときはあれをオーダーしよう

先日、久しぶりに訪れた。
南房総名物のアジフライはやっぱりはずせない。地魚の刺身も食べたい。お寿司もおいしいけど、今日の気分は海鮮丼だな。イカのかき揚げも食べたいけど食べきれるかな。

名物アジフライはサクサク、ジューシー


はじめに出てきたアジフライは揚げたてサクサク、身はふっくらとしてジューシー。アジの味わいをかみしめたいから、ソースは少なめ。刺身盛り合わせと地魚の海鮮丼・・・、ああ、旬でおすすめのものを選んでいるから、刺身の中身がほぼ同じだった・・・。まあいいや、おいしいから。そして出てきたイカのかき揚げ。ああもう絶対頼み過ぎた、食べ過ぎだ。でも薄めの衣で素材の味がしっかり感じられる。おいしいので箸が止まらない。余ったら持ち帰りにすればいいよと言いながら、結局全部食べてしまった。

刺身盛り合わせと海鮮丼の内容がかぶっていても、いいや。おいしいから


お腹いっぱい、もう何も入らない。今日も幸せだ、と思いながらお茶を飲んでいると、隣のテーブルに金目鯛姿煮の定食と、焼魚の定食が運ばれてきた。なんていい匂い。なんて美味しそうな煮魚。なんて大きな焼魚。・・・・・・そう、この店に来ると、他の人が食べている、自分が食べなかった料理がうらやましくて仕方ないと思うのだ。次に来たときはあれをオーダーしよう、食べようと思いながら、お店をあとにする。

今日のお店「漁協直営食堂ばんや本館」

漁協直営食堂ばんや本館
住所:千葉県安房郡鋸南町吉浜99-5
電話:0470-55-4844
http://www.banya-grp.jp/

 

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

下山メシのよろこび

登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。

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