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登れなかった北陸の3座を目指して! 田中陽希さん、静岡・愛知・岐阜、450km超のロード旅へ

田中陽希さん「日本3百名山ひと筆書き」旅先インタビュー
ガイド・記録 2019年05月16日

日本三百名山ひと筆書きに挑戦中の田中陽希さん、2月下旬に静岡県の愛鷹山を登ったあとは、東海道を西に! 静岡・愛知を越えて、昨夏に登れなかった北陸のヤブ山3座(野伏ヶ岳、猿ヶ馬場山、笈ヶ岳)を目指して歩いていた。
三百名山の山はないものの、そこは“陽希流”の味わい方で、焦らず、じっくり、一歩一歩進んでいく。

POINT
  • 江戸時代の旅人の気持ちで、東海道を西へ!
  • 各地で見つけた「日本一」は?
  • 北陸のヤブ山3座へ。半年ぶりに帰ってきた!

 

東海道を西へ! 静岡を進む!

北陸で残してきたヤブ山3座へ登るために、静岡横断に始まる約450kmの新たな旅が始まりました。

東海道に沿って西へ向かいます。ロードばかりではつまらないので、途中、静岡市では日本平(有度山)へ登りました。高速道路から見たことがあって、登ってみたかったところです。茶畑と富士山という景色にも惹かれたのでした。

3月3日には、THE NORTH FACE 静岡草薙店にて、緊急トークイベントを開催しました。

前日の昼に告知をスタートしたんですが、会場の定員70人に対して、72人の方にご参加いただきました。

旧東海道を、昔の人の気持ちで歩いて旅をすると、たいへんなことがあります。川の渡りです。

昔から東海道の難所として有名な大井川には「日本一長い木造の橋」蓬莱橋がありました。全長はなんと897.4m! ギネスブック登録もされている木造の大きな橋です。しかし、昨年の台風の影響のため工事中で、途中までしか歩けません。


仕方なく引き返したのですが、川を見ると浅いところがありそう、と判断。アドベンチャーレーサーの血が騒ぎ、大井川を渡渉しました。

今はダムがあって水量は調整されていますが、昔の人が「越すに越されぬ大井川」と呼んだ大井川を、身をもって体験することができました。

(アドベンチャーレーサーとしての経験があってのことです。普通の人は橋を渡りましょう)

とろろ汁の店、石畳。江戸時代の旅人のように、東海道を西へ進んだ


磐田市では、東海地区で初めての旅先交流会を開催しました。ずっとサポートして下っているテーピングブランド「ニューハレ」さんの協力で実現したものです。

平日の夜にも関わらず、愛知県など遠方からも参加いただき、250人もの方に会うことができました。

磐田市で行われた東海地区で初めての旅先交流会には250人ものファンが集まった


浜松市は、「日本一の餃子消費の街」を栃木県宇都宮市と争っている、とニュースで知っていたので、浜松では餃子を食べたいと思っていました。浜松の餃子は「揚げ焼き」です。ビールと餃子を頼む人が多いのですが、自分は禁酒中なので、餃子とごはんでいただきました。

もちろん浜名湖では、名物のうなぎの蒲焼を食べました。

各地の名物を食べるのも旅の醍醐味だ

 

三百名山はないが・・・愛知県でも山へ

3月9日には静岡県から愛知県に入りました。

中山道で何度か食べた五平餅、東海道でもクルミが入っているなど、地域ごとの味付けがあるようです。五平餅は、「ちょっと立ち寄って、さっと食べて小腹を満たし、また旅を続ける」という旅人に適した食べ物なんだ、と改めて感じました。

旅のサポートをしてくれている「SOTO」の新富士バーナーを人力表敬訪問


実は、愛知県は僕の母の故郷で、小さなときから何度も来ています。

愛知県は「三百名山が無い都道府県」のひとつ。三百名山の旅で通過する中では、山口、香川、千葉、愛知の4つの都道府県には三百名山がありません。ですが、山がないわけではないので、各県で必ずどこかには登ろうと思っていました。

豊田市の猿投山(さなげやま)は、地元の人に愛されている山で、毎日登る人もいるそうです。自分自身も4年前に、イベントで登ったことがありましたので、この三百名山の旅で、愛知県の山のひとつとして登ろうと考え、3月13日に登りました。

それから、この猿投山には、この旅で初めて、友人を誘って登ることにしました。にぎやかな登山になり、これもまたいい思い出になりました。

三百名山が無い都道府県でも一座は登る。愛知県の山でも達成した


3月14日には、愛知県から岐阜県へ入り、長良川沿いを北上していきました。

長良川には、アドベンチャーレースの大会や、ラフティングのイベント「ホワイトウォーターフェス」で、何度か来たことがあったのです。

ラフティングカンパニーのLAFTAさんで、SUPによるダウンリバー(川下り)を初体験。静水での経験があるSUPですが、川下りは初めてでした。最初は腰が引けて、何度も川に落ちましたが、なんとか様になりました。

アドベンチャーレース仲間、川仲間に会い、リフレッシュできました。

SUPによる川下りに初挑戦。仲間たちと記念写真


岐阜県郡上市美並町にある「日本まん真ん中センター」にも立ち寄ってみました。

日本を「人口バランス」で分けるとここが真ん中、ということだそうです。

「日本まん真ん中センター」で日本の真ん中に立つ


実は、「日本の真ん中」というのは、測り方によっていろいろあるようで、各地に「日本の真ん中」があるのです。

美濃出身といわれる江戸時代の僧侶・円空による「日本一大きな円空彫不動明王」
 

水の都・郡上八幡で訪れた郡上八幡城は「日本最古の木造再建城」
 

こんな名前の学校にも出会った「大中小学校」


そして、3月19日、ついに白鳥町石徹白地区に着きました。

白山に登る前に立ち寄った長瀧白山神社を再訪し、半年ぶりに戻ってきたことを実感しました。

美濃禅定道の入口、長滝白山神社。ついに戻ってきた!

 

北陸へ戻ってくるまでの半年を振り返って

元日に神奈川を出発して千葉を周り、北上して福島県の大滝根山へまで行って、そこから関東の山、伊豆の山を経て、東海道を歩き、北陸に戻ってきました。

当時を思い返すと、指を骨折したことでヤブの山を諦めると同時に、冬が迫る北アルプスを登りきれるのか、という不安も抱えていました。

12月初旬には免許の再交付で神奈川県に戻らなければならない…。

そんな心境の中でしたが、「ひとつひとつ登らないと進めない」と、意外とあっさり決断できたと記憶しています。その反面、「3月に戻ってくるなんて、本当にできるんだろうか?」とも考えていました。

今、3月下旬にここに戻ってきて振り返ると、正直な気持ちは、ホッとした、という感覚です。

天城山から沼津への途中で見つけたお寺の訓戒に心境が重なった


もう一つの感覚としては、百名山、二百名山の旅と違って、時間はかかっても、距離があってもいいので「ゆっくり行こうや」という心構えになっていること。

焦りとか、急がなきゃというのがなく、一日一日、歩みを止めなければ、進んでいけるもの、ということを真に実感できている、といったところでしょうか。

これで、3つのヤブの山に挑戦することができる。ここから再スタート、といったところでしょうか。

*****

1月1日にスタートした三百名山の旅の2年目は、3月20日までで2000km以上を歩き、いよいよ昨年夏に登れなかった3つのヤブの山、野伏ヶ岳、猿ヶ馬場山、笈ヶ岳にチャレンジした。

一日一日のエピソードは「日本3百名山ひと筆書きチャレンジ グレートトラバース3」の公式ウェブサイトの「日記」に詳しい。田中陽希さんのチャレンジを応援しよう!

 

取材日:2019年4月5日
写真提供:グレートトラバース事務局

関連リンク

人力10,000kmの山旅。日本3百名山ひと筆書きに挑戦中の田中陽希さんを応援しよう!
もっと知りたいという方は、ウェブサイトで。
グレートトラバース事務局ウェブサイト
http://www.greattraverse.com/

 

記録・ルポ
教えてくれた人

田中 陽希

1983年、埼玉県生まれ、北海道育ち。学生時代はクロスカントリースキー競技に取り組み、「全日本学生スキー選手権」などで入賞。2007年よりチームイーストウインドに所属する。陸上と海上を人力のみで進む「日本百名山ひと筆書き」「日本2百名山ひと筆書き」を達成。イーストウインドの次期キャプテンとして期待される。
2018年1月1日から「日本3百名山ひと筆書き グレートトラバース3」に挑戦中!

http://www.greattraverse.com/

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