最近、足が上がらなくなってきたという人は必見! 筋トレの怖~い「落とし穴」
本格的な登山シーズンを目前に、少しでも筋力を上げておきたい! と考えている人は多いでしょう。しかし、闇雲にトレーニングをしても逆効果になることがあります。筋トレの前に、準備すべきストレッチについて考えてみましょう。
登山歴40年以上のベテランAさん(70代・男性)は、65歳を過ぎた頃から登山中に太ももが上がらなくなったと感じるようになり、足首にアンクルウェイトという重りをつけて山を登るトレーニングを始めました。しかし、トレーニングを始めて1ヶ月もしないうちに腰痛になってしまい、山登りが出来なくなってしまったそうです。
なぜこのようなことになったのでしょうか?
テレビなどでは高齢者の転倒予防として、太ももを上げる筋肉のトレーニングが紹介されることも多いので、足が上がらなくなったときに、筋トレをすればよいと考えてしまうのは仕方のないことかもしれません。
しかし、それらの情報は主に運動していない人に向けて発信されています。また、アスリートがトレーナーの指導の下にアンクルウェイトを使うこともありますが、Aさんのように月に3~4回登山をしている一般の登山愛好家には必要のない筋トレだったといえるでしょう。
医学的な疾患がなく、登山中に太ももが上がらなくなったと感じたのであれば、
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①太ももを上げる筋肉が弱くて動きが悪い。
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②太ももを上げる筋肉を使い過ぎて動きが悪い。
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③お尻の筋肉が弱くて動きが悪い。
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④お尻の筋肉を使い過ぎて動きが悪い。
という4つ可能性が考えられます。
運動経験の少ない人であれば①+③が原因と考えられるため、筋トレを行う選択肢もありますが、Aさんのようにベテラン登山者であれば、②+④であったと想像ができます。
太ももを上げる筋肉のひとつである大腰筋は、腰椎(ようつい)から骨盤を通って大腿骨につながっています。アンクルウェイトを使った筋トレによって過度に大腰筋がこわばってしまった結果、腰椎に無理な負担がかかり、腰痛を引き起こしたのだと考えられます。
自分の体力の低下を感じた時には、運動不足やトレーニング不足と考えがちですが、実際にはオーバーワークだったというケースはたくさんあります。
まずはしっかりと休養を取ったあとに、以下のストレッチをして筋肉を緩めていきましょう。
太ももを上げる筋肉のストレッチ
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①両足を前後に開いて立ち、後ろの足の膝をさらに引いて膝をつきます。
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②身体をまっすぐにしたままおしりを前に出します。
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③赤い部分の深部が伸びていることを意識し、30秒くらい伸ばします(左右行う)。
おしりの筋肉のストレッチ
①背中が丸まらないようにまっすぐ立ったまま、片膝を両手で抱きかかえます。
②膝を引き寄せ、赤い部分が伸びていることを意識しながら、30秒くらい伸ばします(左右行う)。
これからのストレッチをお風呂上がりに行なうことで、Aさんの腰痛は改善され、登山を再開できるようになりました。
無理なトレーニングは、体を壊すこともあります。いくつになっても現役で安全な登山を続けるために、登山ボディをリセット&メンテナンスしていきましょう。
プロフィール
登山ボディをリセット&メンテナンス!
管理栄養士・健康運動指導士・登山ガイドの資格を持ちながら、楽しく安全な登山を案内する「いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん」こと芳須勲ガイドが、身体のリセット・メンテナンスの面から登山のトレーニングを指南。登山のための身体づくりを目指そう!