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テント泊登山で守るべきルールとマナー、4ヶ条。登山地ならではの行動と気遣いを!

From ワンダーフォーゲル編集部
基礎知識 2019年07月23日

登山のテント泊には、守るべきルールとマナーがあるのをご存じだろうか。周りに迷惑をかけない、自然をいたわるなど、登山地ならではの行動が求められる。他者と自然を気遣う心をもって、テント泊登山を楽しもう。

文=吉澤英晃/イラスト=寺山武士/写真=加戸昭太郎

 

利用者が増えると必ず問題になるのが、ルールとマナーについてである。取材をして見えてきたのは、山岳地帯にあるテント場(キャンプ指定地)を、いわゆる“オートキャンプ場”に近い感覚で利用する登山者がいることだ。

雷鳥沢キャンプ場の管理者は、「室堂から容易にアプローチできることもあり、キャンプ目的で訪れる人も多くいます。そのような利用者は、仲間と過ごす時間が楽しいのか夜遅くまで騒いでいる。山登りが目的で早く眠る登山者にとっては迷惑な行為です」と話す。

麓の登山口からアプローチに4時間以上かかる燕山荘でも、似たような問題を指摘する。

「テント場がうるさくて眠れないという苦情はもちろんあります。それとは別に、ゴミを捨ててくれますか? と持ち込んでくる登山者もいる。山小屋をコンビニか何かと勘違いしているのではないでしょうか」

山のキャンプ指定地は登山者が体を休める場所だ。テント場で過ごす時間が楽しみであることは否定しないが、一番の目的と履き違えてはいけない。さらに、テント泊をする登山者はすべての責任を背負う義務がある。出たゴミを持ち帰るのは当たり前の行為だ。

ほかにも、山の中で泊まることを具体的にイメージできていない登山者も目立つ。シーズンを通して多くの登山者が訪れる涸沢ヒュッテはこうつぶやく。

「軽装で来る人がたまにいます。寝袋が薄かったり、スリーピングマットを持っていなかったり。寒さのあまり助けを求められることもあるのですが、毛布やマットの貸出は基本行なっていません」

厳しい言い方になるかもしれないが、テントに泊ることを選んだ時点で、他者への甘えは許されない。テント泊登山者には、計画した山行を自己完結させる力量があって然るべきなのだ。

とは言え、多くの登山者はルールとマナーを守っているのが事実である。これからテント泊を始める人、そして書かれていることに心当たりがある人こそ、しっかり耳を傾けてテント泊を楽しんでもらいたい。

 

日没後は静かに!

テント場は登山者が明日の行動に備えて休憩する場所である。仲間との語らいはつい盛り上がってしまうこともあるが、日が沈み始めたら静かに過ごそう。そして、完全に暗くなる夜の20~21時ごろには眠りにつく。注意して小さい声で喋っていると思っていても、テントの薄い生地では声が外に漏れてしまう。大声で騒ぐ行為は言語道断だが、いつまでも起きてヒソヒソと話ししているのも、周りで寝ている登山者にとっては迷惑になる。

 

万全の装備で挑む

標高が高い山の中は、夜になるとぐっと気温が下がってしまう。装備が不十分で寒さに耐えられなくなっても、山小屋で毛布などは貸してもらえない。小屋のなかで休めば、お金を払って泊まっている宿泊者に迷惑をかけてしまう。こうならないためにも、テント場との気温を考慮して、充分な保温力のある寝袋を準備する。スリーピングマットも地面からの冷えを遮る重要な道具だ。ダウンジャケットなどの防寒着も必ず持参しよう。

 

設営スペースはつめて利用

テントを設営できる区画には限りがある。一人でも多くの登山者が利用できるように、混雑が予想されるようなら可能な限り間隔をつめてテントを立てよう。2名以上のグループで訪れる場合は、できるだけ一つのテントに共同で寝泊まりして、一人当たりの使用スペースを節約するように心がける。あまりにも利用者が多い場合は、小屋のスタッフから場所移動を依頼されることがあるかもしれない。そんなときは快く応じてもらいたい。

 

ゴミを捨てない飛ばさない

ゴミを持ち帰るのは当たり前。小屋に処分をお願いするなんて恥ずかしい行為だ。ゴミは一欠片も残してはいけない。それでもテント場にはゴミが落ちていることがある。風でゴミを飛ばしてしまう人が少なからずいるのだ。故意ではないにしろ、これでは山にゴミを捨てているのと変わらない。ゴミ袋をバックパックの外に付けていると袋が破けて、そこからゴミが落ちることもある。口をしっかり結んで、バックパックのなかに入れて管理しよう。

 

発売中のワンダーフォーゲル8月号の特集「テント泊入門」では、テント泊装備の基礎知識と選び方、テントの設営方法やトラブル対処法、テント泊おすすめコースガイドを掲載。

テント泊登山ビギナーが思い悩む疑問や不安に真摯に答える一冊になってる。さぁ、マナーを守って、楽しいテント泊登山を!

 

テント用品 マナー
教えてくれた人

ワンダーフォーゲル編集部

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