下山中の事故多し、行動予定の再検討を! 島崎三歩の「山岳通信」 第156号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2019年7月26日に配信された第156号では、4件の遭難事例に言及。下山中の事故が多いことから、行動予定の再検討を促している。

 

7月26日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第156号では、7月16日~21日に起きた4件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 7月16日、北アルプス針ノ木岳で、単独で入山した43歳の女性が針ノ木岳山頂から針ノ木峠に向けて下山中に滑落し、負傷する山岳遭難が発生。女性は翌17日に山小屋従業員により救助された。

  • 7月16日、上田市の独鈷山で、単独で入山した29歳の女性が、登山中に道に迷う山岳遭難が発生。女性は上田署員により救助された。

  • 7月20日、中央アルプス簫ノ笛山(しょうのふえやま)で、単独で入山した37歳の男性が空木岳から池山林道方面に向けて下山中に道に迷う山岳遭難が発生。男性は駒ヶ根署員及び中央アルプス地区遭対協員により救助された。

  • 7月21日、北アルプス五竜岳で、55歳の女性が仲間とともに五竜岳から下山中に、転倒して負傷する山岳遭難が発生。女性は県警ヘリで救助された。

北アルプス・五竜岳での山岳遭難の現場(長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)7月23日付)

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

7月3週は、4件の遭難が発生し、4件中3件が下山中に発生しています。
山岳遭難の多くは下山中に発生しています。特に転倒、滑落といったバランス崩しやスリップに起因する遭難は下山時に集中して発生しています。また、実際の遭難者に話を聞くと、救助要請に直結する滑落や転倒の前に、体調不良を自覚していたり、小さなスリップや転倒を経験しているケースが見られます。
このような登山中の小さな体の異変やヒヤリハットを敏感に察知して、気持ちを引き締め直したり、予定の行動を再検討することも遭難を回避する上でとても大切なことです。登山前・登山中に自分を客観的にチェックして安全に登山を楽しんでください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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