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いろいろな資料を見て山の天気を予想しよう! 鮮やかな紅葉の山を満喫するために――

山の天気を知って安全に登山を楽しもう!
基礎知識 2019年09月10日

9月に入り暑さも落ち着いてくると、山は一挙に紅葉の季節へと移り変わっていきます。美しい紅葉は、素晴らしい晴天でこそ映えるもの。晴天の下で鮮やかな紅葉の山を満喫するためには、ヤマヤたるもの週間天気図から予想を立てられるようになりたいものです。


季節の歩みは早いもので、北海道の山や、日本アルプスの高山では、そろそろ秋の気配が漂ってきました。朝晩の冷え込みが日に日に強まり、北から、そして標高の高い所から、草木の彩りが増していきます。例年通りだと10月初旬にピークを迎える涸沢カールの紅葉(トップ画像)は、日本の秋を代表する山岳風景として非常に高い人気があります。

せっかくの美しい光景です。どんよりとした空模様や、ガスにまかれた中で見るよりも、秋らしくどこまでも澄んだ青空の下で見たいものですね。狙って天気の良い日に登りに行くためには、やはりある程度は自分で天気を読む力が必要です。涸沢カールの紅葉を見に行くということを大きな目標に据えて、天気を予想する練習をしてみましょう。

 

山の天気を予想するために必要なもの

登山者にとって、天気はいつでも大きな関心ごとです。山に出かける前に、一度も天気予報を確認しないという方はいないでしょう。そのとき、あなたはどのような情報を見ていますか?もし、テレビやインターネットの天気予報で提供される「天気マーク」だけというのなら、少し、天気との向き合い方を変えてみませんか?

わざわざ日程を組んで心待ちにしている登山です。日々少しずつ変わる週間予報を見て、当日の天気が結局は好転したり、予報にない晴れ間が出たりすることを期待してしまうこともあるでしょう。また、晴れマークしかないからと雨が降る可能性を全く考えずに山に入ってしまう場合があるかもしれません。

私自身、日々の仕事で反省しきりなのですが、人間はどうしても「結局は思い通りの結末になる」といった都合のいい解釈をしがちです。特に、見る情報の量が少なければ少ないほど、一度こうだと決めた自分の考えにとりつかれてしまうように感じます。

天気の予想は地図読みと似ていて、条件がとても良い環境であれば、大抵の場合、非常に簡単な情報だけでも不都合は起こりません。しかし、本格的に山と向き合うほどに地形図を読むスキルが求められるように、天気の予想にもそれなりに考え方の根拠が必要になってきます。その根拠になるものが、天気図などのさまざまな資料から得られる情報です。登山を計画される方に確認してほしい情報をまとめましたので、ぜひ活用できるようになって欲しいと思います。

1週間前に必要な情報

  • 週間予報
  • 週間天気図

先のことは予測するのが難しいため、これらの情報はざっくりとした傾向をつかむことが大きな目的です。

 

2、3日前に必要な情報

  • 天気予報
  • 予想天気図(高層天気図も確認できると良い)

数日前の段階になると資料が増え、くわしく天気が確認できるようになります。登山の可否を検討して、もし登山に適さない天気なら、天気の良いほかの山域を選ぶなどんだり、日程を変更することを考えましょう。

 

当日に必要な情報

  • 天気予報
  • 地上天気図
  • 雨雲レーダー・雷ナウキャスト

当日はリアルタイムの天気を確認しながら登山を楽しみましょう。事前に想像していた天気とあっていたか、それとも違っていたかを考えながら山に登ることが、天気を読む力を育てます。

 

週間天気図を使って週末の天気をチェック

それでは、実際に天気を予想してみましょう。登山予定日の1週間ほど前になると、資料が揃うため、天気の傾向がわかってくるようになります。まず1週間先の天気が確認できるのが、週間予報です。登山天気のアプリでは、ピンポイント予報の画面から7日先までの日ごとの天気予報を天気マークで確認することができます。

ただ、先ほども述べたように、気象予報士の立場から言えば天気マークだけでは満足することはできません。自分なりに天気予報を理解するために、週間天気図は必ず確認したいものです。 


週間天気図は7日先までの予想天気図が並べられたもので、低気圧や高気圧の位置、予想されている降水域を確認することができます(天気図中の網掛け部が24時間に5mm以上の降水が予測されているエリアです)。

週間天気図で天気を確認することのメリットは、天気の根拠と流れがおおまかに把握できる点です。週間予報で見たお天気マークはその日の代表的な天気を一つのマークで表したものなので、その日の天気が晴れベースなのか、雨ベースなのかを把握できても、なぜ晴れるのか、なぜ雨が降るのかがわかりません。週間天気図を見ることで、高気圧に覆われるから晴れるとか、低気圧が通過するから雨が降るといった天気マークの根拠をある程度知ることができます。

また、高気圧や低気圧の移動を見ることで、天気を一連の流れとして考えることができます。天気図は、今後天気を考えるいろいろなシーンで大活躍しますので、天気図を見るだけで大まかにでも天気が想像できればしめたものです。

ただ、週間予報の「確からしさ」は、きょう、あすの天気予報の「確からしさ」とはまったく違います。1週間ほど先の予報は更新されるごとに変わってしまう可能性もあるので、少なくとも1日に1度は確認するようにしましょう。

予定日が近づき、さらに多くの資料が見られるようになってからのステップは、次回紹介します。

 

教えてくれた人

宮田雄一朗

日本気象協会所属の気象予報士。普段はtenki.jpの日直予報士として天気ニュースの記事も執筆。
山の空気が好きで1年を通してよく登る。予報士の視点から、登山中にちょっと役立つ知識をお届けしたいと考えている。

日本気象協会

日本の気象コンサルティングサービスのパイオニアとして1950年に創立。以来、気象・環境・防災などに関わる調査解析や情報提供を行っている。
近年ではAIやIoT、気象ビッグデータの活用を通じ気象の調査解析、情報提供の精度を向上させ、気候変動への適応など持続可能な世界を実現する活動を支援している。
 ⇒tenki.jp

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