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槍・穂高の紅葉の展望台・蝶ヶ岳から、北アルプスの紅葉の様子を遠望する

今がいい山、棚からひとつかみ
ガイド・記録 2019年09月18日

北アルプスの紅葉の名所といえば、何はともあれ涸沢カールが有名だ。そんな涸沢カールや槍穂高連峰の紅葉の峰々を遠望しながら少し落ち着いた紅葉の山旅はいかがだろうか。常念山脈、蝶ヶ岳は紅葉の美しさとともに、絶好の展望登山が楽しめる。

蝶ヶ岳稜線から、紅葉が始まった槍ヶ岳を望む(写真=白井源三)

 

北アルプス南部、常念山脈の稜線上にある蝶ヶ岳は、槍ヶ岳から穂高連峰のパノラマが眺望出来る山として、また北アルプス入門の山としても知られる山です。

登山コースは安曇野側・三股から登るルートがアクセスは近いですが、紅葉時期は上高地からのルートを通り、上高地周辺の紅葉の景色をじっくり堪能してから登るのはいかがでしょうか?

紅葉時期の上高地は紅葉の名所の涸沢へ向かう登山者や、やはり紅葉の美しい槍沢や槍ヶ岳へと向かう登山者で賑わっていますが、蝶ヶ岳へ向かう登山道は涸沢のそれと比べると「静寂」な山歩きとなるでしょう。紅葉に染まる槍穂連峰を眺めながら、2泊3日で上高地と蝶ヶ岳を楽しむプランを紹介します。

上高地~横尾間、梓川のほとりから明神岳や前穂高岳の峰々を望む(写真=白井源三)

モデルコース:上高地から蝶ヶ岳を周回

行程:
【1日目上高地バスターミナル・・・河童橋・・・明神・・・明神池・・・明神・・・徳沢・・・横尾(横尾山荘宿泊/約3時間30分)

【2日目】横尾・・・槍見台・・・横尾分岐・・・蝶ヶ岳三角点・・・横尾分岐・・・蝶ヶ岳(蝶ヶ岳ヒュッテ宿泊/約4時間30分)

【3日目】蝶ヶ岳・・・妖精ノ池・・・長塀山・・・2000mの平・・・徳沢・・・明神・・・河童橋・・・上高地バスターミナル(約5時間)

⇒コースタイム付き地図はこちら

 

槍・穂高の紅葉の展望台、蝶ヶ岳からの大眺望

9月28日、紅葉が始まった憧れの上高地は特に賑やかです。観光客と登山者が入り混じる河童橋から紅葉に染まった穂高の山々を眺めながら、奥上高地へと進みます。

おなじみの河童橋からの穂高連峰。紅葉がだいぶ進んでいるのが確認できる(写真=白井源三)


梓川左岸の登山路を進み、明神池や徳沢園周辺をゆっくりと散策。梓川を隔て左手に見える、紅葉に染まった明神岳や前穂高岳の峰々を仰ぎ、この日は涸沢や槍ヶ岳の分岐点となる横尾で一泊します。清潔でお風呂まで付いている山小屋・横尾山荘で宿泊し、辺りの紅葉もゆっくり堪能することをお勧めます。

翌朝、槍ヶ岳や涸沢の紅葉を愛でに梓川にかかる橋を渡っていく登山者と別れ、横尾から蝶ヶ岳への静寂なルートを登ります。途中ハシゴなどが出てくる急な樹林帯の登山道をしばらくは登っていきます。すると急登の癒しとして、槍ヶ岳を遠望する槍見台の休憩所やベンチか現れます。小休止を取りながら、さらに標高を上げていきます。

急登の登山道中の休憩地、槍見台から望む槍ヶ岳(写真=白井源三)


長い登りを終え、真っ赤なナナカマドが迎える森林限界を抜けると、常念岳からの縦走路と合流。ここまでのコースタイムは約3時間30分程度(休憩を含まず)です。振り返ると槍ヶ岳から穂高連峰が梓川の谷を隔てて横一線に広がっているので、大休止をとり北アルプスを思う存分堪能しましょう。ここから常念岳への登山路へと少し進んで、蝶槍のピークを往復してもいいでしょう。

ナナカマドの紅葉の向こうに穂高連峰が広がる(写真=白井源三)


分岐点から蝶ヶ岳までは30分ほどの距離です。蝶ヶ岳の手前には「瞑想の丘」と呼ばれるピークがあり、ご来光や槍ヶ岳や穂高の展望台です。ここからの槍ヶ岳や穂高の紅葉は美しく、またこの時は遠く富士山を望むこともできました。

夜明け前、瞑想の丘から望む富士山が美しい(写真=白井源三)

モルゲンロートで赤く輝く穂高連峰。深まる秋の朝を堪能する(写真=白井源三)


赤い屋根の蝶ヶ岳の山小屋に一泊して槍穂の夜景や星夜を楽しんだ翌朝、朝陽に輝く槍穂の峰々を眺望ももう一度楽しみ、下山路へと進みます。下山は三股へ下るルートもありますが、今回は長塀山尾根を下ります。

ハイマツ帯を下ると「妖精の池」に出ますが、ここは池を取り巻く紅葉の樹林が綺麗で、このルートの中でもオススメの紅葉ポイントの1つです。その後は展望のきかない長塀山を通過して徳沢までの長い下りに耐えると、観光客や登山客とすれ違う梓川のほとりを歩きながら、深まる秋の上高地を楽しみながら歩いていきます。

賑やかな秋の北アルプス、そして少し静かな環境から喧騒の山々を眺めて見る山旅はいかがでしょうか。

 

登山計画 日本の山 記録・ルポ
教えてくれた人

白井源三

神奈川県相模原市生まれ。1989年ヒンドゥークシュ登山隊に参加、ゴッラゾム5100mに登頂。2005~2007年に南米取材。アコンカグアBCとインカ道をトレッキング。著書に『戸隠逍遙』(クレオ刊)、『北丹沢讃歌』(耕出版刊)、『冬の近郊低山案内』(山と溪谷社・共著)など。丹沢の写真展を多数開催。

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