キノコ採りのシーズン到来、必要な5つの心がけ 島崎三歩の「山岳通信」 第165号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2019年9月27日に配信された第165号では、本格的なきのこ採りシーズンに入り、入山前・入山中の心がけについて説明している。

 

9月27日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第165号では、9月18日~23日に起きた6件(うち2件が死亡事故)の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 9月18日、北アルプス涸沢で、64歳の女性が滞在中の山小屋で体調不良となり行動不能となる山岳遭難が発生。北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊により救助された。

  • 9月18日、北アルプス焼岳で、ツアー登山で入山した73歳の男性が足を滑らせ転倒・負傷して行動不能となっているとの山岳遭難の届出があり、長野県警察山岳遭難救助隊が救助した。

焼岳での救助の様子/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)9月24日付

  • 9月19日、北アルプス蝶ヶ岳で、単独で入山した51歳の男性が、下山中に階段を踏みはずして転倒・負傷する山岳遭難が発生。男性は県警ヘリで救助された。

  • 9月22日、木曽郡木曽町三岳地籍の山林内で、友人と2人でキノコ採りのために入山した54歳の男性が、何らかの疾患により倒れて意識不明となる山岳遭難が発生。男性は消防により救助されたものの死亡が確認された。

  • 9月22日、北アルプス焼岳で、仲間と4人で入山した61歳の女性が山頂を経た後に単独で行動・下山中、道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。女性は県警ヘリで救助された。

  • 9月23日、佐久市香坂地籍八風山の山林内で、キノコ採りのために単独で入山した92歳の男性が倒れているのを発見され、死亡が確認された。男性は何らかの原因により滑落した模様。

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

9月3週は、6件の遭難が発生し、そのうち2件はキノコ採り中の遭難です。今後県内は本格的なキノコ採りシーズンを迎えますが、キノコ採りに際しては、県警ホームページの「山岳情報」でも掲載し、注意を呼びかけているとおり、

  • 入山場所と予定を家族に伝える
  • 携帯電話やヘッドライトを携行する
  • 急な斜面に入り込まない
  • 単独入山、入山後の単独行動を避ける
  • 熊などの野生動物に注意する

以上5点に注意して行動してください。
また、県内では豚コレラの蔓延が問題となっています。下山後は靴底の消毒を心がけ、感染拡大防止にご協力をお願いします。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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