台風被害による登山道の影響を確認のうえ入山を! 島崎三歩の「山岳通信」 第168号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2019年10月17日に配信された第168号では、台風19号の登山道への影響について言及、入山前に登山道の状況確認を行うことを促している。

 

10月17日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第168号では、10月10日~13日に起きた4件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 10月10日、中央アルプス千畳敷で、家族と2人で入山した69歳の女性が、宝剣岳から千畳敷を下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生。女性は駒ヶ根署山岳遭難救助隊及び中央アルプス地区遭対協救助隊により救助された。

  • 10月11日、北アルプス涸沢で、単独で入山した70歳の男性がザイテングラードを下山中にバランスを崩して転倒、負傷する山岳遭難が発生。男性は北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会秋山特別パトロール隊と県警山岳遭難救助隊により救助された。

  • 10月11日、北アルプス常念岳で、単独で入山した67歳の男性が常念岳から下山中、前常念岳付近で道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。男性は安曇野警察署員により救助された。

  • 10月13日、大川入山で、家族と2人で入山した53歳の女性が山頂から下山中に転倒し、足首を負傷して行動不能となる山岳遭難が発生。女性は静岡県消防防災ヘリで救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

10月2週は、4件の遭難が発生しました。長野県内は東北信地域を中心に先日の台風19号により大きな被害が発生しました。登山道を含む山間地についても台風の影響により、地盤が不安定となり、倒木や土砂崩落が発生しやすくなっています。また、倒木や土砂の流出等により登山口にアクセスができない可能性もあります。事前に登山道の状況について確認をするようにしてください。
県内の標高の高い山岳は、今後、寒気の流入により冷え込みが一段と厳しくなります。防寒対策を万全にして入山してください。

 

信州の山小屋情報一覧「長野県山小屋情報ポータルサイト」を公開

長野県山岳遭難防止対策協会では、山岳遭難を未然に防ぐため、長野県が実施している長野県登山安全条例に基づく登山計画書の届出を推進しています。

事前に登山計画書を作成して届出することで、自分が登ろうとしている山の特性を知り、十分な準備ができるため、遭難事故を防ぎ、安全で楽しい登山につながります。山の特性や登山時期の最新状況を把握するには、山小屋が発信しているホームページやSNSの情報を検索するほか、電話でのお問合せが有効です。

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プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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