朝晩は冷え込み日没が早くなる時期、十分な装備の携行を! 島崎三歩の「山岳通信」 第169号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2019年10月30日に配信された第169号では、日没時間が早くなっているため、日帰り登山でもヘッドランプをはじめ最低限の食料や装備を携行することを促している。

 

10月30日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第169号では、10月16日~24日に起きた4件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 10月16日、雨飾山で、仲間と2人で入山した78歳の男性が、雨飾山から下山中にハシゴ場でスリップして滑落、負傷する山岳遭難が発生。男性は翌17日に大町署山岳遭難救助隊により救助された。

  • 10月18日、北アルプス白馬乗鞍岳で、単独で入山した57歳の男性が天狗原付近を下山中に転倒して負傷、行動不能となる山岳遭難が発生。男性は大町署山岳遭難救助隊、北アルプス北部地区遭難防止対策協会小谷班により救助された。

  • 10月21日、川上村川端下地籍廻目平付近で、仲間とクライミングのために訪れた48歳の男性が、廻目平付近の岩場でクライミング中に転落・負傷する山岳遭難が発生。男性は佐久広域消防及び佐久署により救助された。

  • 10月24日、松本市三才地籍山林内で、キノコ採りのために三才山の山林に入山中した夫婦2人(73歳・男性、71歳女性)が、道に迷い行動不能となる遭難が発生。2人は翌25日に松本署山岳遭難救助隊により救助された。

三才山での遭難救助の様子/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)10月28日付

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

10月中旬から長野県内は朝晩を中心に冷え込むようになり、日没も非常に早くなっています。日帰り登山の予定でも、必ず防寒着やヘッドライトなどの装備品を携行して入山してください。
また、北アルプス等の山域では多くの山小屋が今季の営業を終了し、冬に向けて小屋閉めになります。事前に営業期間等を確認してから入山しましょう。

10月4週は、2件の遭難が発生しました。24日に発生した三才山のキノコ採り中の道迷い遭難は、当日の午後に家族から通報を受けて捜索を行いましたが、日没のため捜索を中断し、翌日、発見し救助しました。遭難者らは救助を待つ間、山中で一晩ビバークを余儀なくされ、翌日は冷たい雨が降りしきる中での救助活動が行われ、低体温症の危険性も極めて高い状況でした。
山中では道迷いを含め、リスクを回避しながら行動することは当然ですが、万が一、遭難し救助を待たなければならない状況に陥った場合に備え、最低限の食糧や雨風を遮るシェルターを携行しましょう。
アルプスなどの標高の高い山域では積雪が確認されています。登山を計画される場合は慎重な判断と行動に心がけてください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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