オリジナルトレイルミックスを作ろう

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文=小川郁代、写真=遠藤和秀、イラスト=ヤマサキミノリ

Report03 オリジナルトレイルミックスを作ろう

 行動食って、山の楽しみでもあり安全に登山をするための大切な栄養補給の技術でもありますよね。いつも何を持っていこうかと考えるんですが、最近はいつも同じものばかりで少し飽きてきていたんです。たくさん持って行っても残してしまったり。

 そんな時に出会ったのが「トレイルミックス」。簡単に言うと、いろいろな種類をひとつに混ぜた行動食です。欧米ではスポーツの場面やハイキング、非常食などとしてかなりポピュラーなもので、スーパーなどでいろいろな種類が手に入るそうです。

 最近は日本でも見かけるようになりましたが、要は好きなものを混ぜればいいだけ。自分の好みの内容で自由に作ることができるのです。そうとなれば、やってみるしかない! まずはトレイルミックスの基本について調べてみましょう。

何を入れる?

基本的に入れるものに決まりはありませんが、行動食としての基本的な軽さ、糖質、脂質、携行性 日持ち などの要件を満たしていることが必要でしょう。そして、おいしさと食べやすさが最も重要です。

・ナッツ類 
アーモンド、ピーナッツ、胡桃、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオなど
ミネラルが豊富で脂質を多く含み、少量で栄養価が高い行動食の定番。適度な歯ごたえで満足感もある。日持ちの面でも言うことなし。

・ドライフルーツ
マンゴー、レーズン、クランベリー、クコの実、キウイ、ココナッツ、イチジクなど
ビタミンや食物繊維が摂取でき、ドライにすることで生の状態よりもカロリーや栄養素が効率的に摂れるのもいいところ。自然な甘味とちょっとした酸味が、食欲を誘います。

・種(シード)類
ひまわりの種、かぼちゃの種など
栄養価が高いことは知られていますが、なかなか普段食べる機会がないですが、トレイルミックスに混ぜれば、歯ごたえや風味のいいアクセントにもなりそうです。

・その他
それ以外にもチョコレートやグラノーラなどのシリアルなど、好みのものを追加。思う存分オリジナリティを発揮しましょう!

◆注意点やバランスなどのコツは?

・大きさを揃える
 ミックスしたものを一緒に食べるなら、マンゴーやイチジクなどはカットしてある程度大きさが揃えると食べやすい。

・それぞれの味のバランスを考えよう
 ナッツやドライフルーツなど、それぞれに味付けがされているものばかりを混ぜると、味が濃くなりすぎて食べにくいことも。自然な味付けのものにチョコレートや甘めのシリアルなどを合わせるなど、バランスを考えてミックスしよう。甘いものなかに塩気のあるものを混ぜるのもおすすめ。

・ベストバランスの目安
 ナッツ:5、ドライフルーツ:3、種:1、その他:1 
が失敗しないバランスなのだとか。いろいろ試して自分のベストバランスを見つけよう。

・温度に注意
 夏の暑い時期にチョコレートが溶け出したり、冬場は水分を多く含むものが固くなったりすることも。季節や温度も意識しておこう。また、水分を多くタイプのドライフルーツなどを一緒に入れると、「ジップロック」がしっかり閉じるからこそ、中でほかの乾燥したものに湿気が移ることがあるので、中身の種類によっては、分けて入れるなどの工夫をするといい。

 さて、しっかりと基本を抑えたところで、主任の私がオリジナルのトレイルミックスを作ってみました。

 中に入れるのは

・柿ピー
・小魚アーモンド
・チョコレート
・キャラメル
・ミックスナッツ
・ラーメンスナック
・甘納豆
など・・・。

 いろいろ語りましたが、コンビニで手に入るものを混ぜただけ。こだわりは、塩気と歯ごたえを重視し、日本人の心を忘れない和の組み合わせです。

 ただこれ、女子には人気がなさそうなので、もう少し気の効いたバージョンも作りました。休憩のときにコレをさっと出したらカッコよくないですか?


ミックスナッツ/ドライフルーツ/チョコレート/グミ/プレッツェル


 でき上がったものは「フリーザーバッグ(M)」に1日分ずつ分けていれました。簡単にしっかり密封できるので、バックパックの中が柿ピーだらけになることもなく、湿気なども防いでおいしく持っていけます。

 一方女子向けに作ったほうはコンテナーに。中が見やすいので、グループでシェアしたり、好きなものだけ選んでつまんだりするのに最適です。「おひとついかがですか?」って差し出すのにぴったり

 自分でも意外なほどおいしくできたので、次回はオリジナルのトレイルバー作りにも挑戦しようと思います!

コラム:新人アサカのなるほど「ジップロック」

私、トレイルミックスを食べすぎちゃって、いつも3日目くらいに足りなくなるんです。ちゃんと1日分ごとに分けて入れていくのに・・・・・・。そこで考えたのが、コンテナーに1回分を入れる方法。休憩のたびに1個食べれば、足りなくなることもないはず。
そしてこれだとコップのように直接口に入れられるので、手が汚れていても安心。逆に食欲がでなくて行動食が不足しがちな人にも、1回にこれだけは食べようという目安になっておすすめです。

※「ジップロック」「イージージッパー」「スクリューロック」は旭化成ホームプロダクツ(株)の登録商標です。



山ジップロック研究所

生活必需品的存在の「ジップロック」や、山でも強力な便利アイテムです。パッキング・料理など、山の様々な場面でジップロックを使ったアイデアを紹介していきます。

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