樹氷の白とスカイブルーの世界を満喫する上信国境・四阿山の雪山ハイキング

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新雪直後の快晴、微風の絶好のチャンスをとらえ、見ごとな樹氷が満艦飾の四阿山山頂をめざす。もふもふの、まっさらな雪原を踏み分けていくゾクゾク感がたまらない。

四阿山山頂はまだ成長途中の樹氷群に覆われ、ブルースカイがまぶしいほどだ(写真=奥谷晶)

 

長野県と群馬県の県境の山、四阿山(あずまやさん)。山頂へは東西南北から複数の登山コースがあります。無雪期には菅平牧場登山口を起点に根子岳と合わせて周回するコースが人気ですが、積雪期はアクセスや難易度から、あずまや温泉からの往復コースが定番です。

 

モデルコース:あずまや温泉~四阿山(往復)

行程:
【日帰り】あずまや温泉・・・四阿山・・・あずまや温泉(約5時間)

⇒四阿山周辺のコースタイム付き登山地図
*夏山のコースタイム

 

青空の下、もふもふの雪原歩きを楽しむ

2018年1月、荒れ模様の低気圧と寒気が日本列島に襲来する合間、移動性高気圧に覆われて絶好の登山日和になる日をねらって、四阿山に行ってきました。予想通り、新雪直後の快晴に恵まれ、風も穏やかでした。林道歩きを経て、広大な雪原に姿を変えた牧場を突っ切ると、見ごとな樹氷をまとった木々の立ち並ぶ四阿山山頂が見えてきました。

林道から広大な雪原と化した牧場をつきぬける(写真=奥谷 晶)

 

牧場から樹林帯の半ばまではツボ足で、傾斜の強まるところでスノーシューを装着します。樹林帯のやや傾斜のある登りをこなし、8合目まで上がると、樹氷をまとった木々が林立する雪原に出ます。すでに先行者によるトレースがいくつかついていましたが、新雪のもふもふ感を味わうには十分のまっさらな雪原が広がっていました。

8合目の雪原から樹氷の張り付いた樹林帯の先がめざす四阿山山頂(写真=奥谷 晶)

 

モンスターに成長中の樹氷群(写真=奥谷 晶)

 

ブルースカイを背景に、えびの尻尾を無数にまとった木々の群が、発達途上ながらさまざまな雪のオブジェへと変身していく姿に息をのむことしばし。その樹氷群を縫うように登った山頂では、360度の大展望が待っていました。頂上付近ではさすがにやや風が吹いていましたが、むしろ心地よいほどです。

四阿山山頂標識。2020年1月撮影(写真=奥谷 晶)

 

帰路には山スキーヤーも含めた多くの登山者で、立派なトレースができていました。

 

※積雪期の山は、雪の状態や天候によって、難易度、コースタイムが大きく変わります。計画時には必ず出発前後の天候やエスケープルート、山小屋などの避難できる場所を確認しておきましょう。

プロフィール

奥谷晶

30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。

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