バックカントリーのシーズン到来、改めて注意点の確認を! 島崎三歩の「山岳通信」 第177号
長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2020年2月7日に配信された第177号では、期間中に起きた遭難事故4件のうち3件がバックカントリースキーだったことに言及し、改めてバックカントリーでの注意点について指摘している。
2月7日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第177号では、1月30日~2月2日に起きた4件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。
1月30日、八ヶ岳連峰赤岳で、単独で入山した51歳の男性が地蔵尾根を下山中に滑落し負傷する山岳遭難が発生。男性は茅野警察署山岳遭難救助隊及び諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊により救助された。
2月1日、北アルプス乗鞍岳で、仲間と3人でバックカントリーを滑走するために入山した47歳の男性が、スノーボードで滑走中に雪崩に巻き込まれる山岳遭難が発生。男性は山梨県消防防災ヘリで救助されたものの、死亡が確認された。
2月2日、北アルプス八方尾根で、ガイドらと入山した52歳の女性が、バックカントリーを滑走中に転倒して負傷する山岳遭難が発生。女性は県警ヘリで救助された。
2月2日、志賀高原焼額山で、仲間とスキーに訪れた59歳の男性が、スキー場のコース外を滑走していたところ、疲労のため行動不能となりコースに戻れなくなる山岳遭難が発生。男性は中野署員により救助された。
長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
1月末から2月初頭にかけて、4件の遭難が発生しました。うち3件はバックカントリー中の遭難でした。乗鞍岳ではバックカントリー目的のスノーボーダーが雪崩に巻き込まれ亡くなっています。
バックカントリーは管理されたスキー場とは違い、自然の斜面を登ったり滑ったりするため、自らリスクを判断して行動しなければなりません。警察本部ではバックカントリー中の注意点をまとめた動画「バックカントリーで遭難しないために」をYouTubeサイト上に掲載しています(下記動画)。動画を参考に安全にバックカントリーを楽しんでください。
プロフィール
島崎三歩の「山岳通信」
信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。
島崎三歩の「山岳通信」
長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。