そばを食べようと思っていたのに…。箱根でのハイキング後の下山メシは手打ちそば屋「山そば」で

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下山後に味わいたい粋なごはんを紹介するライター西野 淑子さんの「下山メシのよろこび」。今回は、箱根でのハイキングを楽しんだあと、遅めの昼ごはんを求めて箱根湯本駅へ。

金時山山頂から眺める箱根の山々と芦ノ湖

 

そばを食べようと思っていたのに。

ぽっかり予定があいた1日、箱根でハイキング。天気がよく、ぽかぽかの日ざしのなかを歩き、どこでご飯を食べようかと少し悩み、バスで箱根湯本に戻ってきた。

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朝からいい感じに歩き、遅めのお昼ごはん。だいぶお腹がすいていた。美味しいお店がいい、でもできればすんなりお店に入りたい。下山メシは「待たずに入れる」ことも大事だと思っている。観光やグルメ旅だったら、お目当ての店が行列していても、いくらでも待ちたいと思うけど、山帰りは早く美味しいご飯やお酒でお腹を満たしたいし、帰りの電車も気になる。

以前入っていい感じだった、バス通り沿いのそば屋に入ることにした。とろろそばが美味しかったはず。

ちょっと山小屋風、古民家を思わせる建物の手打ちそば屋「山そば」

 

和風な、古民家風の建物。「お2階にどうぞ」と言われて2階に上がる。囲炉裏の席と小上がり、奥にもテーブル席。実はけっこう広くて席数が多いのだ。囲炉裏の席に座る。すすけた柱や梁が古民家の雰囲気。そのとき、他のお客さんに供されている丼が目に入ってしまった。ふたからはみ出しているエビのしっぽがなんとも魅力的だ。

2階は小上がりとテーブル席。民芸調の落ち着いた雰囲気

 

「すみません、天丼の並で」

ああ、注文してしまった。 囲炉裏の席で、隣に座った人たちはとろろそばやざるそばを食べている。美味しそうだ。とろろそばの器がだいぶ大きいのもうらやましい。美味しい蕎麦が食べたいはずだったんだけどな、どうして寝返るかな。

待っているうちに天丼登場。ふたつきの丼からエビのしっぽがはみ出している。香の物の彩りがきれいだ。蓋を開けると天ぷらのいい匂い、ニヤニヤしてしまう。

 

はじめにさつまいもの天ぷらを一口。サクサク、薄めの衣、ふんわりとさつまいもの食感と風味。いいじゃないか。たれはやや甘め、ご飯が進む感じ。エビの天ぷらが2本、大盤振る舞いだな。エビがぷりぷりでちょっとびっくりした。

無言でガツガツとご飯と天ぷらをほおばる。エビも白身魚も野菜も、素材の風味や食感がきちんと感じられる。たれとご飯の相性もいい。紅生薑や白菜、箸休めの香の物もさっぱりしていい感じ。

お腹いっぱい。ごちそうさまでした。今日は天丼で正解。蕎麦は次回のお楽しみにしよう。


箱根自然薯 山そば

箱根湯本駅から約3分。バス通り沿いに建つそば屋。自然薯がたっぷりかかったとろろそばが名物で、親子丼や天丼などのご飯ものもボリュームたっぷりで美味。

住所:神奈川県足柄下郡箱根町湯本704
電話:0460-85-7889
HP:https://www.yamasoba.com/

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

下山メシのよろこび

登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。

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