３足目に出会ったお気に入り登山靴　サレワ「CROW GTX」　｜　あの人の山道具［1］

山好きのあの人に、お気に入りの山道具について聞く、新連載「あの人の山道具」。第1回は山岳収集家の鈴木優香さんに、３足目にようやく出会えたというお気に入りの登山靴について聞きました。

初めて登山靴を購入したのは10年ほど前のこと。登山用品店にずらりと並ぶ登山靴に圧倒され、目眩がした。訳もわからずデザインを優先して選び、小指が当たって痛い目に合う。続く２足目は大きめを買って、今度は靴擦れに苦しむことに。簡単な積雪期のハイキングにも使える（厚い靴下でも履ける）ようにと欲張ってしまった。

騙し騙し履いていたけれど、数年を経てソールが剥がれたため３足目を買うことにした。この頃は岩場の多い山に登ることが増えていたため、ハイカットでソールが硬めなものに目星を付けて登山用品店へ。何足も履き比べたうえで、サレワのCROW GTX（クロー ゴアテックス）に決めた。イエローとブラック、挿し色にパープルが覗くカラーリングが気に入っている。

この靴で初めて歩いたのは黒部峡谷の下ノ廊下と呼ばれるルート。緊張感のある道のりだったけれど、新しい靴が視界に入るたびに気分が上がったのを覚えている。靴擦れなどの痛みが出ることもなく、ひと安心。重量は片足610gほど。２足目はオールレザーで重量があった分、軽さのありがたみを実感した。履いている人が少ないため、山小屋で間違えにくいのも良い。

それから保温材入りの冬季登山靴、トレランシューズ、沢登り用の靴といくつか購入してきたけれど、やはり出番が多いのはこのサレワの靴。表銀座や穂高連峰、大雪山、ネパールのエベレスト街道。この靴を履いて、色々な場所を歩いた。

ソールが減ってきたので、そろそろ張り替えができるか問い合わせをしなければと思っていたところ。しばらくは外出の自粛が続きそうなので、これを機に登山用品の見直しとメンテナンスをしよう。今なら焦らずにゆっくりと準備ができそうだ。

サレワ／CROW GTX
http://salewa.jp/