登山者が、今、おうちでできること。「OUTiDOOR(おうちどあ)」のすすめ

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好日山荘おとな女子登山部によるリレー連載。第12回目となる今回は、「OUTiDOOR(おうちどあ)のすすめ」。
「OUTDOOR(アウトドア)」ではなく、「OUTiDOOR(おうちどあ)」。山に行きたい気持ちを抑え、こんなときだからできることを、好日山荘おとな女子登山部のあややさんが提案してくれました。

 

 

みなさん、こんにちは。好日山荘おとな女子登山部のあややです。

今、新型コロナウイルスの影響で外出が難しい時期ですね。日々尽力下さっている医療従事者の方々に深く感謝すると共に、1日も早くこの事態が収束し、登山をこよなく愛するみなさんと笑顔で山に登れる日が来ることを切に願っています。

 

さて、そんなおうち時間が増えている今日この頃。ぐうたらしてしまう自分もいるわけですが、ちょっと視点を変えて。今できることを探してみましょう。

山へ行くまでは登山計画を立てたり準備をしたり、帰ってからは写真を見返したり、道具をメンテナンスしたり。そんな「登山の前後の時間」は、山登りをしている時間と同じくらい大切なもの。登山へ行けない今こそ、ゆっくり山を想う時間にしてみませんか?

 

靴下をおろそかにするべからず

まずは、おうちにある登山グッズをあらためてパトロールしてみましょう。

靴下を履かずに登山する人はいないですよね? それくらい身近で外せないアイテムが靴下です。だからこそ、つい見逃しがち・・・まさに灯台下暗しです。

また、靴下は穴が開けばあきらめもつくのですが、意外と捨て時が分からないアイテム。特に登山用はとても丈夫なので、いつまでも履いてしまいます。

そんな靴下を、この機会に一度裏返してみてください。意外とヘタっていたりしてませんか? 靴下は新品の状態では、驚くほどクッション性があり、かいた汗をしっかり吸収してくれ、足の疲れを軽減してくれます。登山靴がしっくり来ない場合も、違う靴下に一度変えて様子を見るのも手です。チェックをしてみて、使えそうにない場合は、お買い物リストに入れておきましょう。

靴下の素材や厚みによってもフィット感は変わってきますので、色々研究してみるのもいいかもしれません。個人的には、ウールの量が多く適度に厚みがあるものが、足が気持ち良いのでおすすめです。

お気に入りの「ダーンタフ」の靴下。左が新品。パイルがフワフワなのが分かります。右は使用1年ほど経ったもの


それでも捨てるには忍びない時ってありますよね。分かります!! そんな時は普段使いにしてしまいましょう。

私はダーンタフ(DARN TOUGH)の靴下で、かれこれ7年近く履いているものがあります。さすがにフワフワのパイルはとっくに無くなったので、登山では履いていませんが、普段用としてたまに履いています。

実はDARN TOUGHの靴下には通常の使用で穴があいた場合は、無償で交換してくれるという「生涯保証」がついていているんです。地味にすごくないですか!? よっぽど自信がないとこんなこと謳えませんよね(※詳細はダーンタフのホームページをご確認ください)。

 

ついでに靴ひももチェック

登山靴は比較的よく点検されるアイテムだと思うのですが、靴ひもはどうでしょう?

切れない限りは永遠に使えそうなアイテムですが、実はこちらも靴下同様に、新品には張りがあって、しっかりと靴と足のフィット感を支えてくれます。靴ひもの締め方ひとつでも、フィット感は全く変わってくるものです。

そんな靴ひもですが、私もずーっと気になっていたことがありまして・・・。靴ひもの末端が、もけもけになって登山靴の穴に入らないという地味な悩み。友人から、このもけもけを直せるアイテムがあることを教えてもらったので、修理キットを購入していたのですが、ずっと放置していました。

ということで、この機会に直すことに。

やってみると、ものの5分ほどで終了。もっと早く直せば良かったです。ひも通しに何回イライラしたことか・・・。ずぼらな性格はなかなか治せません。

日頃愛用している山道具のメンテナンスは、おうち時間にもってこいです

 

お手入れに時間がかかるアイテムを手入れしてみるべし

なかなかお手入れする機会がない筆頭アイテムといえばダウン製品。薄手のものは意外とオールシーズン使うので、洗うタイミングが無かったりします。つまり、洗うタイミングは、今でしょ!!

ダウンは着ている時間が短かったり使っていなかったりしても、汗や外気に含まれる湿気を羽毛が吸ってしまい、保温性を損なってしまう場合があるんです。

お日様が気持ち良い季節になったので、ぜひ本腰を入れて洗ってみましょう。

クリーニングに出すのも手ですが、意外と簡単にできるんですよ。“エコ”が叫ばれる今、自分の財布にもエコに行きましょう(笑)。

まずはケアラベルをしっかり確認します。「洗濯機・弱」「手洗い」等、洗えるマークがあれば大丈夫。ポイントは(1)ダウン専用の洗剤で洗うこと (2)手で押し洗いすること (3)しっかりすすぐこと。この3点をしっかり守ってください。洗い終わったら日陰で平干ししましょう。

9割ほど乾いたら室内に取りこみ、叩きます。普段のストレスをぶつけるように・・・ではありません。優しく叩くようにして羽毛の偏りを正すようにすれば、フカフカに元通りです。

洗い終わるとまるで新品のように清潔でフカフカで気持ちが良いです


少し手間ですが、ワンシーズンに1度はお洗濯するのをおすすめします。保管する場合は、場所が許せば、収納袋に入れず、ふんわりハンガーにかけてあげるのが長持ちさせる秘訣です。

 

山が楽しくなる準備をしてみる
ーー「マイボトル」を作ってみようーー

旅行用のスーツケースで、たくさんのステッカーや航空会社のテープを張ったものを見かけたことはありませんか?きっと持ち主と一緒に色んな旅に行ったんだなぁと、大きな傷もちょっぴり誇らしげに見えます。登山用のザックには、ステッカーは貼れませんし、キーホルダー等も山では危ないのでぶら下げません。そんな時、自分のオリジナリティが出せるのがボトル類です。

自宅を探してみると、イベントやキャンペーンでもらったアウトドアブランドステッカー、1つや2つ、ありませんか?山で使っている水筒やボトルにステッカーを貼ってみるとオンリーワンになります(編集部注:雑誌『山と溪谷』の2020年5月号には、「山と溪谷」ロゴステッカーが付録で挟まっています)。

私は、好日山荘のスタッフとよく山に行くのですが、持っているアイテムがカブるので見分ける意味合いもあります(笑)。布地のものには、機能性を損なわせない程度にワッペンをつけることもあります。

(上の写真、1枚目)お気に入りのステッカーを貼った山専ボトルやナルゲンボトル、(上の写真、2枚目)ワッペンを付けた保冷バッグ

 

山ごはんを研究してみよう

登山の楽しみと言えば“山ごはん”という方も多いはず。

山で食べるごはんって本当に美味しく感じますよね。今は叶いませんが、次に登る日を想像して、ちょっと山ごはんの研究をしてみるのはいかがでしょうか?

例えば、食材の軽量化をするために、野菜を干してみます。通常は屋外で天日干しにする方法が多いのですが、今は衛生的に気になる部分が多いので、今回はオーブンを使った方法を試してみました。

基本的にはどんな野菜でもOK。水分量が多いものだと多少時間がかかります。写真は私がよく使う生姜とキノコで作ってみました。写真の通り、とっても小さくなりました!おうちで少し残ってしまった野菜などは、干してしまうことでフードロスも解消できます。更に、栄養価も高くなる場合がありますので一石二鳥、いや、軽くなるので三鳥ですね。テント泊縦走なんかにぴったりです。

(上の写真、1枚目)ビフォー、(上の写真、2枚目)アフター


詳細は、おとな女子登山部のブログにアップしましたので、こちらをご覧ください。

さらに干し野菜を使ったレシピを考えてみたりするのも、面白いですよね。あなただけのオリジナルレシピを研究して、いつか仲間をびっくりさせましょう。

 

中途半端なガス缶は使い切ってしまおう

山ごはん関連でもうひとつ。おうちに「少しだけ残ってしまったガス缶(ガスカートリッジ)」はありませんか?

私は、一度使い始めたものは、使い切ってすぐ処分したいタイプなので、中途半端に残ったガス缶は家で使い切ります。山ごはんの練習にもなりますよ(換気には十分注意!)。

(上の写真、1枚目)普段でも使っている登山用のフライパン。大きすぎず軽くて気に入っています。(上の写真、2枚目)いつ切れるか分からない中途半端なガス缶は家で使い切ってしまいましょう

 

フリーズドライ食品を食べてみよう

最後に、山ごはんメニューを紹介します。在宅勤務や自宅待機等で、毎日3食作って、もうへとへと、という方もいらっしゃるかもしれません。以前の記事「防災と山道具」でも紹介しましたが、おうちに余っているフリーズドライ食品があれば、この機会に食べてみましょう。賞味期限をチェックする意味合いもあるので、「ローリングストック」としても必要な作業なのです。

今のフリーズドライはかなり美味しいので、きっとお口に合うはずです。ボリュームが足りない場合は冷蔵庫にあるものをちょい足しして調理するのもありですね。

常にストックしているフリーズドライ食品やアルファ米など。疲れてごはんを作れない時は積極的に使ってみましょう


せっかくなので、フリーズドライを使ったアレンジメニューを2つご紹介します。

「クリームシチューでカルボナーラ」 →レシピはこちら!


「甘酒のフレンチトースト」 →レシピはこちら!

 

現在は、おとな女子登山部のスタッフも登山をお休み中ですが、できる範囲で山関連の情報を随時発信予定です。インスタグラムでは、かさばらないウェアのたたみ方など動画も公開しています。
⇒好日山荘おとな女子登山部 公式インスタグラムはこちら

最後に、好日山荘ではおうちで楽しむ、ソト遊びと題して、「OUTiDOOR(おうちどあ)グランプリ2020」を5月10日(日)まで開催中です。おうちで楽しむアウトドア画像とコメントを、ぜひ好日山荘の会員投稿サービス“YamaPos”に投稿してみてくださいね。
⇒好日山荘 YamaPos「OUTiDOOR(おうちどあ)グランプリ2020」詳細ページはこちら

プロフィール

あやや(好日山荘おとな女子登山部)

兵庫県生まれ。山ガールブームの波に乗り、好日山荘への転職をきっかけに山にはまる。岩場や鎖場などスリリングな場所が好きだが、最近はのんびり登山も楽しんでいる。2020年は3回も東北に遠征するなど大の東北好き。どちらかと言うと山ごはんより山スイーツを作るのが得意。
現在、好日山荘・広報室に所属。女性目線で様々な企画の立案や情報発信を行っている。
⇒おとな女子登山部メンバーはこちら

好日山荘 センタープラザ神戸本店

ハイキングから本格登山までさまざまな登山スタイルに対応するアイテムを取り揃える登山用品店。

所在地/兵庫県神戸市中央区三ノ宮町1丁目9-1
TEL/ 078-335-8166
営業時間/時短営業中につき好日山荘のWebサイトを参照
アクセス/JR、阪急・阪神・地下鉄・ポートライナー「三ノ宮」駅より徒歩約5分
http://www.kojitusanso.jp/shop/kinki/kobe/

好日山荘おとな女子登山部 リレー連載

登山用品専門店の好日山荘で、2013年より女性スタッフ有志により立ち上がった「おとな女子登山部」。 「自分たちが山を真剣に楽しみ、次の山に挑戦すること」「お客様にもっと山を好きになってもらうこと」を目標に、ブログでの発信や登山イベントなどを行っている。 その活動の様子と女子目線での登山感を伝えていく。

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