山菜採り遭難が起きる時期、近くの山林でも油断は禁物 島崎三歩の「山岳通信」第185号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2020年4月24日に配信された185号では、山菜採り遭難が起きる時期に入ったことに言及。近くの山林であっても油断しないように呼びかけている。

 

4月24日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第185号では、4月15日~16日に起きた2件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 4月15日、北安曇郡小谷村で、家族4人で山菜採りのために山林に入山した59歳の女性が、転倒して負傷する山岳遭難が発生。女性は消防署員により発見・救助された。

  • 4月16日、甲武信ヶ岳で、入山していた70歳の男性と74歳の女性が、下山中に積雪により行動が遅くなり予定時間になっても下山できずに一時所在不明となる山岳遭難が発生。佐久警察署および機動隊員が翌日の16日早朝より捜索して、2人は無事、救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

4月2週は0件、3週は2件の山岳遭難の発生がありました。うち1件は山菜採り遭難でした。
春の芽吹きとともに、もいると思いますが、近くだからといって油断は禁物です。山菜採りの際には、次の5点に気を付けましょう。

  • 1点目:「必ず家族や周囲に入山場所と予定を伝えましょう」本人と連絡が取れなくなった場合に、家族などから捜索願いが出されても、入山場所が特定できなければ、捜索が非常に難しくなってしまいます。
  • 2点目:「携帯電話を持ちましょう」万が一の通信手段として、必ず携帯しましょう。また、非常食やヘッドライトも携行しましょう。
  • 3点目:「急斜面での滑落に注意しましょう」登山道とは違い、整備された場所ではないことから、足元に十分注意し、滑落の危険がある場所に立ち入ることは避けましょう。
  • 4点目:「一人での入山は避けましょう」万が一のトラブルがあっても、仲間がいればお互いに助け合うことができますので、目の届き合う範囲で行動しましょう。
  • 最後に5点目:「熊や猪などの野生動物に遭わないようにしましょう」鈴やラジオなどで音を出し、あらかじめ出遭わないようにしましょう。

以上5点に注意し「自分は山に入る」という心構えと「遭難するかもしれない」という危機感を持ちましょう。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

編集部おすすめ記事