甲斐駒ヶ岳かいこまがたけ

百名山

甲斐駒ヶ岳

写真:上野巌  春雪の甲斐駒ヶ岳。長坂町下中丸付近にて
 全国に駒ヶ岳を名のる山は20座を超えているという。その中で最も高いのが甲斐駒ヶ岳である。作家の宇野浩二は、『山恋ひ』の中で、「山の団十郎」と絶賛した。ふもとから仰いだその山姿は、正にその名に価する高貴な山容をもって迫ってくる。
 太古、武御雷命(たけみかずちのみこと)が生んだ天津速駒(あまつはやこま)という白馬がいた。羽があって空中を飛んでおり、夜になると、甲斐駒ヶ岳の頂上で眠ったとのこと。これが命名の由来といわれている。
 また、天平3年(731)には、甲斐国から朝廷に、身が黒色、尾が白い馬が献じられた。その馬に乗って聖徳太子が甲斐駒ヶ岳を往復したとか。ふもとを巡る川は、それにちなんで尾白(おじら)川と呼ぶ、などの伝説も残っている。
 それはともかく、かつては駒ヶ岳講の名において、白装束の講中登山の山であった。開山したのは、信州・諏訪の小尾権三郎(弘幡行者)で、文化13年(1816)6月15日、20歳のときであった。しかし、文化11年編『甲斐国志』には、すでに「山頂巌窟ノ中ニ駒形権現ヲ安置セル所アリ」と記しているので、その真偽のほどは分からない。
 登拝路のメインルートであった黒戸尾根上に残る、おびただしい信仰のモニュメントの数々を目にすると、そんな歴史上の小さな矛盾は消し飛んでいくような気がする。
 かつては、白崩山の異称さえあった、真っ白な花崗岩とハイマツの緑に覆われた山頂からの眺めは、さすがに一等三角点の本点だけのことはある。この三角点のやぐら(覘標(てんびよう))は明治24年7月10日に建てられ、同年7月14日に標石を埋めた。同年9月12日から25日まで観測が行われている。南アルプス三大急登の1つに数えられる黒戸尾根を、重さ90kgもある標石を担ぎ上げた先人の苦労には頭が下がる。
 甲斐駒ヶ岳は、伊那の人たちは東駒ヶ岳と呼んでいる。目と鼻の先に見える山に、他国の名を冠するほど人間はお人好しではない。
 さて、甲斐駒ヶ岳を巡ってたくさんの花崗岩の岩壁がある。この一帯に集中的に挑みルートを開拓していったのは、主として東京白稜会のメンバーであった。1949年から1970年にかけてのパイオニア・ワークは、一頭地抜きん出ている。この会の代表であった、恩田善雄氏の「甲斐駒ヶ岳―わたしの覚書き」は、甲斐駒周辺の地誌、登攀記録、山名の由来、伝説などを網羅したものである(未刊行)。
 登山コースは尾白川渓谷から黒戸尾根経由で山頂まで9時間。南西の北沢峠からは双児山、駒津峰を越えて約4時間の登りで山頂へ。

DATA

別名: 駒ヶ岳(こまがたけ)
山域: 南アルプス北部
都道府県: 山梨県
標高: 2,966m
2万5千図: 甲斐駒ヶ岳・長坂上条・仙丈ヶ岳

※ 甲斐駒ヶ岳の紹介文についての注意点

現在の周辺の雨雲を確認する

甲斐駒ヶ岳に行くモデルコース

甲斐駒ヶ岳周辺の最新情報

登山口情報

  • 北沢峠 
  • 尾白川渓谷登山口 

  • 【北沢峠】
    甲斐駒ケ岳や仙丈ヶ岳、早川尾根の登山口である北沢峠。ハイシーズンには何台ものバスが同時発車する、人気の登山口だ。
    バス停近くに長衛荘、トイレなどがあるほか、長衛小屋にはテント場もある。

  • 【尾白川渓谷登山口】
    黒戸尾根の登山口。バス路線が廃止されているので、タクシーかマイカーに限られる。駐車場にトイレや、売店あり。
    夏は渓谷で水遊びする人でにぎわう。参道を奥に進むと、竹宇駒ケ岳神社が現れる。尾白川にかけられた吊橋を渡り、「甲斐駒黒戸尾根登山道」と記された道標に従って登山道に入る。
    横手登山口へはここからタクシーで所要約15分、3400円。

周辺にある山小屋

  • 六合目小屋 
  • 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋 
  • 仙水小屋 
  • 北沢峠 こもれび山荘(旧 長衛荘) 
  • 南アルプス市長衛小屋 
  • 大平山荘 
  • 早川尾根小屋 
  • 薮沢小屋 
  • 馬の背ヒュッテ 
  • 仙丈小屋 

  • 【六合目小屋】
    無人小屋
    場所: 甲斐駒ヶ岳・鋸岳三ツ頭鞍部付近
    電話: 0265-98-3130
    FAX: 0265-98-2029
    営業期間: 通年(無人)

  • 【甲斐駒ヶ岳 七丈小屋】
    営業小屋
    場所: 甲斐駒ヶ岳黒戸尾根七合目
    電話: 090-3226-2967(小屋直通、7~20時)
    営業期間: 通年

  • 【仙水小屋】
    営業小屋
    場所: 北沢峠から40分、北沢源流
    電話: 0551-28-8173
    FAX: FAX兼
    営業期間: 6/15~11/4

  • 【北沢峠 こもれび山荘(旧 長衛荘)】
    営業小屋
    場所: 北沢峠
    電話: 0265-94-6001
    営業期間: 4/25~11/3

  • 【南アルプス市長衛小屋】
    営業小屋
    場所: 北沢峠南方500m、北沢右岸
    電話: 090-8485-2967(営業期間外)
    営業期間: 未定

  • 【大平山荘】
    営業小屋
    場所: 北沢峠直下、信州側へ徒歩15分
    電話: 0265-78-3761
    営業期間: 7/1~10/下

  • 【早川尾根小屋】
    営業小屋
    場所: 早川尾根ノ頭南
    電話: 0551-28-8173
    FAX: FAX兼
    営業期間: 通年(無人)

  • 【薮沢小屋】
    無人小屋
    場所: 大滝ノ頭から薮沢新道へ10分
    電話: 0265-98-3130
    FAX: 0265-98-2029
    営業期間: 通年(無人 不定期で管理人駐在)

  • 【馬の背ヒュッテ】
    営業小屋
    場所: 丹渓新道・薮沢ルート分岐点下、3分
    FAX: 058-203-0245
    営業期間: 7/5~10/14

  • 【仙丈小屋】
    営業小屋
    場所: 仙丈ヶ岳東150m、カール内
    電話: 0265-94-6001
    営業期間: 6/14~10/下

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