姫神山は盛岡市の北隣、玉山村（現在は盛岡市）にそびえ立つ非火山性の古成層を貫く花崗岩からなる残丘だ。以前はスズランの群生する清浄な霊山であった。
　徳川時代の『日本名山図会』では、谷文晁（ぶんちよう）は、姫ヶ岳、または玉東山と呼称している。社伝によれば、延暦年間（782～806）坂上田村麻呂が、岩手山の夷賊討伐の折、立烏帽子神女（たてえぼしひめ）を姫神山頂に祭って姫ヶ岳と呼んだという。また岩手山、早池峰と並び、北奥の三霊山として、山岳修験の中心でもあった。
　キャンプ場や水場のある一本杉登山口が一般的。登山口から杉林の中を進むと一本杉清水がある。県の名水にも選ばれたおいしい水である。ざんげ坂といわれる急坂を登り、尾根に出ると、一等三角点のある山頂まで約2時間。桂の里へ下る尾根コースは、「青い山脈」ともいわれ、映画同様人気があった。