三重県いなべ市（旧藤原町、北勢町）、滋賀県東近江市（旧永源寺町）の境に位置する。山名はその昔、藤沢岳とも富士見山とも呼ばれたというが、それが何故藤原岳になったかについては記録も定説もない。
　鈴鹿北部の山では一番貫録があり、存在感もある。ただ東斜面は、永年の石灰岩の採掘によって、中腹までえぐり取られ、地肌をむき出しにしているのは痛々しい。
　山頂からの眺望はすばらしい。眼下に開ける濃尾と伊勢平野、蒼く光る伊勢湾、悠々と流れる木曽三川などのパノラマは絶佳そのものといえよう。また、植物も豊富で、花の山として知られている。
　登山道は三岐鉄道の終点、西藤原駅からすぐ取り付く表道と、山麓の名刹、聖宝寺からの中道、坂本谷をつめる裏道がある。山麓の聖宝寺と藤原岳自然科学館はぜひ立ち寄ってみたい所だ。
　標高は、1120ｍと記した標があることから諸説あり、長らく1120ｍとされていたが、現在、公式に1140ｍとされている。
　※聖宝寺道登山道は堰堤工事のため平成25年3月まで通行止めとなっている。