仙台市の中心部から南西へ6km、太白団地に隣接する太白山は、仙台市民の最も身近な山である。丘陵地帯に円錐形にとがった山頂部を突出させ、よく目立つ山である。
　東北自動車道の仙台南インター付近からも、特徴あるこの山を車窓に見ることができる。
　人々に親しまれてきた山らしく、山名や山にまつわる説話も多い。一夜にして生い出たので生出（おいで）森、急生長した山を山菜のウドに見立てて独活ヶ森（うどがもり）、スリバチ山、名取富士などの呼称がある。中腹には伊達藩の藩士、茂庭義秀が建立した生出八幡神社があり、胃腸の神様として参拝者が多い。
　旗立3丁目から東北自動車道を陸橋で渡り、西へ行くと、杉林の中に登山口がある。美しい雑木林の急坂を30分ほどで山頂に登れる。山頂は広場になっており、貴船神社の祠がある。山頂からは仙台平野や太平洋が見渡せる。