新潟県央の長岡市周辺から眺めると、東山連峰の背後になだらかなスカイラインを描き、膨大な山容を盛り上げている山で、「すもん」という変わった語感と、牛頭天王（素盞鳴尊）にまつわる伝説を秘めた神山として、中越地方の人々に親しまれている。古資料には諏門岳、巣守山、蘇門山とも記され、登山口の栃尾市（現・長岡市）栃堀に巣守神社がある。
　栃堀から大岳経由で頂上まで徒歩5時間余りを要するが、中腹の保久礼まで車道ができたので、標高770mのブナ林に建つ保久礼小屋の少し手前までマイカーで行けば、3時間で登頂できるようになった。
　同じく栃堀から車で入れる標高600mの道院ノ池には、道院ヒュッテがあり、四季を通じて守門登山の基地となっている。
　また、只見線の上條駅から入る二分道や、大白川駅からの小烏帽子道、北面の吉ガ平道など8本の道があり、山域の広さを物語っている。
　前守門とも呼ばれる大岳から、青雲岳、袴岳へと連なる頂稜は、ヒメノガリヤスの草原に池塘をちりばめ、湿性と乾性が混在する山野草の楽園である。地質は妙高山や苗場山と同じ第四紀の旧火山である。