同じ山脈の両巨頭だが、芦別岳と夕張岳の性格はまったく異なる。前者が男っぽい「岩の山」なら、後者は女性的な「花の山」だ。
　夕張岳の頂上付近は広く、お花畑あり沼あり岩峰ありと変化に富んでおり、ユウバリソウ、ユウパリコザクラなど、この山の名のついた貴重な植物も多い。
　登山道は西の夕張からが一般的だ。大夕張から車でペンケモユウパロ川に沿って入った所に市営の山小屋があるが、車はその1kmほど手前でストップする。ここから尾根、沢と2本の道があるが途中で合流し、前岳（1501m）の腹を巻いて、広々としたお花畑に出て頂上へ。約4時間の登りだ。この道の入口一帯でダム工事が始まるので、道路状況は今後かなり変化するだろう。もうひとつの道は反対側の金山から入るもので、登山口から約5時間。なお芦別岳に続く尾根には道がなく、縦走は積雪期に限られる。
　山名の意味は諸説あるがはっきりしない。
　古い登山記録では、大正5年（1916）の植物調査のものがある。冬の初登山は大正15年（1926）北大パーティが記録した。