岐阜県郡上市白鳥町、高山市荘川町（大野郡荘川村）にまたがる山。南北に連なる白山連峰の最南端に位置し、南側を走る国道156号線からはその姿をはっきりと望むことができる。
　山名は白山信仰に由来すると思われる。村内に残されている『鮎走由緒書』によると、養老元年（717）、越前の僧泰澄が白山に登るにあたって神道川に沿って遡り、数日を要して頂上を極めたとある。そして「大師一夜夢中に大日如来現れたまい、我は白山妙理大権現の本地なり、この山ありて年を経て待つこと久し云々」と垂示あり、「この山に大日如来をまつりたまう。大日岳の名これより起こる」とされている。
　登山道は、北の蛭ヶ野（ひるがの）から荘川町との村界尾根に上がり、この尾根上をたどって山頂に達するコース、西洞（旧、高鷲村）のダイナランドスキー場から、ゲレンデに向かって左の尾根を登り前大日を経て登頂するコース、桧峠から水後山（すいごやま）を経て山頂に達するコースがある。中でも最も距離が短く、整備されているのはダイナランドスキー場からのコースで、約2時間で登ることができる。
　山頂にはあまり高木がなく、白山はいうに及ばず、360度の展望を満喫することができる。