大阪府と和歌山県との境に長く横たわる和泉山脈の中心的な存在が和泉葛城山である。この近辺には葛城と称する山は3つあり、和泉葛城山は、いちばん西の山である。
　山頂には、修験道の葛城二十八行所の9番目にあたる八大竜王を祭る石の宝殿があり、この高さ、この緯度にしては珍しいブナの純林もある。また、付近はなだらかな高原状でススキが生い茂り、ハイキングやピクニックに格好の場となっている。展望にも恵まれていて、北側は和泉平野から大阪湾、それに六甲山系から淡路島まで望まれ、南側は鈍い銀色をした紀ノ川が蛇行し、高野山、龍門山といった紀州（きしゆう）の名山が並ぶ。さらに、遠く奥高野の山々から大峰山脈までも波打つのが望まれる。
　コースは、北側山麓の牛滝山から登り、西に縦走して、犬鳴山（いぬなきやま）へ下るのが最もすばらしい。約4時間30分の行程。