| 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋
2024.04.18
小屋~山頂はルンゼが一部氷化し雪の急斜面あり。下山時注意。ピッケル、前爪有りのアイゼンは必須
国内に3000mを越える山は、いくつあるかご存じだろうか? これは数え方や考え方によって変わるが、21座とも、27座とも言われる。
富士山を筆頭に、北岳、奥穂高岳、間ノ岳、槍ヶ岳、悪沢岳・・・。登山愛好者にとって、これらの標高3000mを越える山は、ひとつの目標となっている人が多いだろう。一般的な登山者にとっては日本百名山と並んで、好きな山・登ってみたい山の筆頭に挙がるケースが多い。
そんな3000m峰の多くは、一般的な登山者にとっては夏山のごく短い時期のみが登山適期となるため、登るなら夏である今しかない。夏を逃すと登頂は一気に何度を増すからだ。
一方、これら3000mに惜しくも仲間入りできなかった山も多い。それぞれ、立派な風格を持った山ばかりだ。もちろん難易度だって3000mと変わらない。
最も惜しい標高3000m以下の山の剱岳(2,999m)をはじめとして、登山者から一目置かれる存在の山ばかり。むしろ3000m峰よりも難易度が高く、登りがいのある山が揃っている。
そこで今回は、この夏に登ってみたい、あと少しで3000mの山をピックアップする。
全国に20座以上あるといわれる駒ヶ岳の中で最高峰となるのが南アルプス・甲斐駒だ。標高2966mと、あと34mほど3000mに満たないが、周囲にそびえる仙丈ヶ岳や北岳などの3000m峰に勝るとも劣らないに存在感を放っている。
三角錐の美しい山容と、雪のように白い山頂は異彩を放ち、周囲からすぐに同定でき、南アルプスの中でも屈指の存在感を誇る。実際に訪れてみると、真っ白な花崗岩とハイマツの緑に覆われた山頂に立てば、達成感を満喫できること間違いない。
北沢峠を起点に登るのが最も近く、北沢峠からが往復で6時間強で往復できる。しかし脚力自慢なら「日本三大急登」の1つに数えられる、黒戸尾根から登ってみると山の大きさが実感できる。もちろん日帰りでは難しいので、1泊以上で楽しんでほしい。
ほかの「約3000m峰」に比べると、比較的積雪が少ないうえに、黒戸尾根上には通年営業の七丈小屋もあるので、冬でも登られることが多い。
高低図
| 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋
2024.04.18
小屋~山頂はルンゼが一部氷化し雪の急斜面あり。下山時注意。ピッケル、前爪有りのアイゼンは必須
| 北沢峠 こもれび山荘
2022.04.12
2022年度の営業は4/25~10/31。南アルプス林道バスも4/25から運行予定
日本百名山にも数えられる水晶岳は標高2986mと、あと14mほどで3000mとなる山だ。標高3000mを超えているのではないかと議論される名山だ(双耳峰の三角点のない頂は3000mを超えていると噂されたが、北峰がが2977.9m、南峰が2986m)。その一方で、見逃されてしまうことも多い山でもある。
これは裏銀座縦走路から少し外れているのが大きな要因だ。縦走路から往復1時間の距離は、遠くはないが近くはない。百名山登頂目当てでないと迷う距離感で、通過する時間や疲労具合によっては、パスするのも頷ける。
しかし、北アルプスの最奥に位置し、一般的な計画であれば短くても2泊3日は要する。この頂を目指して計画を立てて望みたい。
高低図
日本アルプスの1つである木曽山脈・中央アルプスは、3000mを超える山は存在しないが、木曽駒ヶ岳(2,956m)と宝剣岳(2,931m)があと少しで3000mを超える山となる。中央アルプスの盟主2座を一挙に狙う計画は、決して難しくはない。
千畳敷まではロープウェイが利用できるので、日帰りで登頂できるのも魅力だ。中央アルプスの最高峰から、周囲の山々を眺めるのは壮観だ。木曽駒ヶ岳だけなら、ファミリーでトライする姿も多い。
一方、木曽駒の南側にそびえる宝剣岳は鋭い岩峰が魅力の山。とくに南陵側は鎖場の連続なので注意は必要だが、スリルと岩登り気分を味わうことができる。1日で2座を目指すことは可能だが、せっかくなら日帰りではなく、中央アルプスにある氷河地形の濃ヶ池まで巡って1泊2日で中央アルプスの核心部を楽しみたい。
高低図
北アルプス・白馬岳も、あと少しで3000m峰の代表的な山田。白馬岳の2,932mを筆頭に、白馬三山はそれぞれ、3000mにあと少し(鑓ヶ岳は2903m、杓子岳は2812mと続く)。
この3山の縦走コースは、雪渓あり、お花畑ありとバラエティに富んでいて、危険な岩場は比較的少ないので、難易度もさほど高くはない。白馬鑓温泉で温泉に入れるのも楽しく興味深い。3000m峰への挑戦の入口には、ピッタリなコースだ。また、白馬岳からは大雪渓を下るなど、さまざまなコース取りも楽しめるので、地図とにらめっこしながら、自分に適した登山計画を立ててほしい。
高低図
3000mに満たない山で、最も有名な山と言えば、標高2999mの北アルプス・剱岳だろう。あと1mで3000mであるうえに、難易度は3000m峰以上。多くの登山者の憧れの山の1つだ。そんな剱周辺の情報は、他の記事や書籍・雑誌を参考にしてほしい。
紹介している別山尾根のルートは、剱岳への最もポピュラーなルートの1つだが、高度感のある急峻な岩場が続く。岩登りの基本技術はもちろん、十分な経験は必須。
また、標高差2000m以上を一挙に登る、長く急峻な早月尾根から登るのも人気が高い。いずれのルートも厳しいルートだが、一般登山者のあこがれの山。天候と体調を見ながらトライしたい山だ。
高低図