10月中旬、紅葉前線は標高を下げ、いよいよ1500m前後の山にも降りてきた

丹沢・大蔵尾根の紅葉(写真:ジュンパクさんの登山記録より)

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アルプスの紅葉が終わって、秋が深まる頃から楽しめる山での紅葉7選

スポーツの日を過ぎて10月中旬となると、アルプスなどの高山の紅葉はすっかり葉を落とし、冬へと向かっていく。

しかし、これに取って代わって標高1500m前後の山での紅葉はこれからが本番。紅葉登山の選択肢は一挙に広がる。9月に紅葉を楽しめなかったという人には、ここからが本番だ。

実際、ブナなどの原生林は、標高1500m付近の山に多い。秋が深まった時期から楽しめる紅葉の山を7箇所ピックアップ。長く歩く、麓からの紅葉を楽しむ、滝巡りの紅葉など、バラエティに飛んだ紅葉登山を紹介する。

この時期の登山で注意したいのは、1つが日没がかなり早くなっていること。10月中旬~11月初旬では16時には、かなり暗くなっている。また、太陽が山肌に隠れたあとに暗くなるのが早い。下山時間には十分に注意したい。

もうひとつが道迷い。樹林帯の紅葉が落葉へと変わる頃、この落葉により登山道が隠れ、獣道などに迷い込みやすくなる。とくに暗くなり始めた時間、下山中などは道迷いが多発する時期。時間に余裕を持った登山計画を立ててほしい。

長く楽しめる丹沢山塊の紅葉を長く歩く(丹沢)

相模湾を眼下に見る丹沢山塊は、比較的温暖な気候のため、紅葉期も長い。山頂付近の紅葉は10月中~下旬頃から、山麓では11月中旬頃までと、一ヶ月以上も楽しめる。

塔ノ岳~丹沢山~蛭ヶ岳と続く丹沢山塊の主脈は、植林に混じってカエデやブナやコナラ、ツツジ科の樹木が多く生え、相模湾や富士山の眺望と共に楽しみたい。

また、沢沿いのルートの紅葉も美しい。小さな滝が続く西丹沢のルートもオススメだ。

行程・コース

【1日目】大倉尾根から塔ノ岳へ
■総コースタイム 4時間5分 標高差+1715m、-54m
大倉(08:00)・・・観音茶屋(08:35)・・・雑事場ノ平(08:45)・・・駒止茶屋(09:30)・・・小草平(10:05)・・・茅場平(10:35)・・・花立山荘(11:05)・・・金冷シ(11:35)・・・塔ノ岳(12:05)
【2日目】塔ノ岳から丹沢山、蛭ヶ岳を経て焼山登山口へ下山する
■総コースタイム 8時間30分、標高差+797m、-2167m
塔ノ岳(07:00)・・・丹沢山(08:30)・・・棚沢ノ頭(09:30)・・・蛭ヶ岳(10:30)・・・地蔵平(11:20)・・・姫次(12:00)・・・八丁坂ノ頭(12:20)・・・黍殻山避難小屋(12:35)・・・大平分岐(12:40)・・・平丸分岐(13:05)・・・焼山(13:45)・・・西野々(15:25)

高低図

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渓谷美と沢歩きの楽しみが満喫できる背戸峨廊(福島県)

地元出身の詩人の草野心平が命名した福島県・背戸峨廊は、「隠れた岩壁」という意味。その名前の通り、美しい滝と沢が続く遊歩道&登山道が続いていて、とくに紅葉期は美しい。

遊歩道とは言っても、滑りやすい沢沿いのコースで、ハシゴや鎖のかかっている箇所も点在するので、十分に注意が必要。過去に転落事故も起きている。

紅葉のピークは11月中旬頃となる。

(写真:dari88 さんの登山記録より)

行程・コース

最適日数:  日帰り 3時間25分
総歩行距離:  7,500m  上り標高: 480m  下り標高: 480m
行程: 江田駅・・・遊歩道入口・・・トッカケの滝・・・片鞍ノ滝・・・三連ノ滝・・・遊歩道入口・・・江田駅

高低図

鏡池に映る戸隠山を眺め・登る(長野県)

日本誕生の神話とともにある山、戸隠山。鋭い岩稜が並ぶ山容は、麓から眺めるだけで、迫力十分の山だ。

そんな戸隠山を眺めるベストポイントとして知られるのが鏡池。戸隠奥社の南西に位置し、登山前・登山後に立ち寄りたい。なお、戸隠中社から車で10分程度でアクセスすることもできる(駐車場もある)。

写真のような池に映り込む紅葉を写真に収めるには、10月中旬~11月上旬となる。なお、この頃には戸隠山の上部の紅葉は終了している。

戸隠山頂へは山麓から3時間だが、かなりの難所があるので注意。

蟻ノ塔渡り(写真:山ちゃん さんの出品・紅葉写真より)

行程・コース

【日帰り】戸隠神社奥社から八方睨・戸隠山へ
■総コースタイム 5時間55分、標高差689m(+890m、-930m)
戸隠神社奥社入口(08:00)・・・戸隠神社奥社(08:40)・・・百間長屋(09:50)・・・八方睨(11:00)・・・九頭龍山(12:00)・・・一不動(12:50)・・・滑滝(13:20)・・・ゲート(14:00)・・・牧場入口(14:25)・・・戸隠牧場(14:35)

高低図

冠雪の富士山を見ながらの紅葉を楽しむ三ツ峠(山梨県)

美しい富士山の眺望が望める山として知られる、三ツ峠山。紅葉期は10月中旬から11月初旬となるが、この時期は日によっては富士山の頂上部が白く染まる時期。紅葉狩りと共に、冠雪した富士山を楽しみたい。

三ツ峠山にはブナやカエデの紅葉のほかに、とくに美しいのはドウダンツツジの紅葉。登山道沿いには多くのドウダンツツジが植生しているので、真っ赤なツツジ科の葉の紅葉と、真っ白な富士山頂を楽しみたい。

行程・コース

最適日数:  日帰り 7時間20分
総歩行距離:  13,718m  上り標高: 1252m  下り標高: 1258m
行程: 富士健康センター前(08:00)・・・母ノ白滝(08:40)・・・送電鉄塔(09:20)・・・尾根取付(09:40)・・・木無山(11:10)・・・三ッ峠山(開運山)(11:45)・・・木無山(12:10)・・・送電線鉄塔(13:30)・・・霜山(13:50)・・・西川林道出合(14:20)・・・カチカチ山ロープウェイ富士見台駅(14:50)・・・河口湖畔(15:20)

高低図

紅葉の絨毯をぐるっと一周できる三瓶山(島根県)

島根県にある三瓶山は、国引き神話にも登場する名峰で、独立峰としてそびえるので抜群の展望を誇る。

もともと火山活動でできた山は、山頂部が環状になっていて、ぐるりと一周できる。ススキ原や樹海が覆い茂る山肌は、秋になると美しく染まる。とくに女三瓶山方面から火口湖である室の内池方面を望む景観は美しい。

紅葉期は10月中旬から11月上旬。さまざまなコース選択が可能なので体力やレベルに合ったコース取りで秋の紅葉を楽しめる。

(写真:たかさんの登山記録より)

行程・コース

【日帰り】西ノ原を起点に環状縦走
■総コースタイム 3時間55分、標高差+1018m、-1018m
定めの松(08:00)・・・分岐(08:15)・・・扇沢分岐(08:50)・・・子三瓶山(09:10)・・・風越(09:25)・・・孫三瓶山(09:35)・・・奥ノ湯峠(09:45)・・・室ノ内展望台(10:05)・・・女三瓶山(10:20)・・・男三瓶山(11:00)・・・分岐(11:45)・・・定めの松(11:55)

高低図

日本で唯一の「紅葉樹林」、雲仙・普賢岳の広葉樹林(長崎県)

火山の記憶と、ミヤマキリシマの花で知られる雲仙・普賢岳は、紅葉の名所として知られ、日本で唯一「紅葉樹林」の名前で国の天然記念物として指定されている。

九州固有種の広葉樹林も多く生息する雲仙・普賢岳では、コハウチワカエデ群落を中心に120種類以上の草木が紅葉すると言われている。

10月下旬から11月初旬が見頃で、普賢岳・妙見岳・国見岳の山腹が赤く彩られる。

(写真:国見別れより鬼人谷口(紅葉茶屋)への登山道から/2015-10-22)

行程・コース

【日帰り】仁田峠から妙見岳、国見岳を経て普賢岳へ
■総コースタイム 3時間、標高差275m(+555m、-555m)
仁田峠(08:00)・・・妙見神社(08:35)・・・妙見岳(08:40)・・・妙見神社(08:45)・・・尾根道出合(08:55)・・・国見分れ(09:05)・・・国見岳(09:25)・・・国見分れ(09:40)・・・鬼人谷口(09:55)・・・紅葉茶屋(10:00)・・・普賢岳(10:20)・・・紅葉茶屋(10:35)・・・仁田峠(11:10)

高低図