美しい富士山を見るなら冬がいちばん! 今こそ富士見登山の季節

丹沢・蛭ヶ岳付近からの富士山(モンターニャさんの登山記録
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雪山未経験者でも安心の山を中心に7つの山をピックアップ

富士山は、いつ見ても・どこから見ても美しい山だが、冬に見る富士山は純白の衣をまとった姿が特に美しい。さらに冬の時期は空気も乾燥しているので、遠方からでも富士山を見ることができる季節だ。

冬こそ富士山の眺望を楽しむ時期なのだが、雪山初心者にとっては厳しい季節。そこで今回は雪の心配の少ない山を中心に、富士山の景色が美しい山を7つピックアップした。

丹沢・塔ノ岳からの富士山(写真:take1104 さんの登山記録より)

どこから見ても美しい富士山だが、見る角度によってその山容は微妙に変化する。山梨県側からの富士山は左右対称のきれいな円錐型の富士山となるのが特徴。

一方、静岡県側からは様々な表情の富士山が確認でき、南側からは宝永火口のくぼみが特徴的で、西側からは大沢崩れの荒々しい姿が目立つ。
東側(神奈川県など)から見ると両肩が張り出した姿が特徴的だ。

ほかにも、山越し、海越しなど、さまざまな楽しみ方ができる富士見登山を、この時期はぜひトライしてほしい。

千葉県・大黒山展望台から東京湾越しの富士山(写真:トム さんの登山記録より)

 

山頂に泊まって、ダイアモンド富士を堪能しよう

富士山のすぐ西側に連なる丹沢山塊は、見晴しの良い場所であれば、大抵は富士山を望むことができる。そんな中で敢えてオススメするのが蛭ヶ岳。丹沢山塊の最高峰であることはもちろん、11月初旬と2月初旬にはダイアモンド富士(富士山頂に日の出、もしくは日没となる現象)が楽しめるからだ。

丹沢の場合、富士山は西側に位置するので、日没時にダイアモンド富士となる。日没後の行動は厳しいので、山頂に山小屋のある蛭ヶ岳、丹沢山、塔ノ岳など限定の楽しみだ。

2月の丹沢は年によってかなりの積雪となることもあるので、事前に積雪状況はしっかり確認しておこう。

なお、例年蛭ヶ岳でのダイヤモンド富士は2月9日前後となる。

2015年2月6日の蛭ヶ岳からの富士山(撮影/蛭ヶ岳山荘)

行程・コース

【1日目】檜洞丸から蛭ヶ岳へ
■総コースタイム 7時間10分、標高差418m(+1853m、-728m)
西丹沢自然教室(08:00)・・・ツツジ新道入口(08:10)・・・ゴーラ沢出合(09:10)・・・展望園地(10:10)・・・石棚山稜分岐(11:20)・・・檜洞丸(11:40)・・・金山谷乗越(12:20)・・・臼ヶ岳(13:30)・・・蛭ヶ岳(15:10)
【2日目】姫次で展望を楽しみ焼山登山口へ下山する
■総コースタイム 4時間55分、標高差1271m(+324、-1596m)
蛭ヶ岳(07:00)・・・地蔵平(07:50)・・・姫次(08:30)・・・八丁坂ノ頭(08:50)・・・黍殻山避難小屋(09:05)・・・大平分岐(09:10)・・・平丸分岐(09:35)・・・焼山(10:15)・・・西野々(11:55)

高低図

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旧五百円札にある、富士山を見に行こう!

500円札を覚えているだろうか? 1994年(平成6年)に発行停止されているので、1980年代中盤以前に生まれた人であれば、一度は手にとって見ているはずだ。どんなものだったか、忘れてしまったという人は、日本銀行のホームページで確認してみよう。裏面には、見事な富士山が描かれている。

足元に草原が広がり、その先に低い山並み、そして堂々と富士山がそびえるこの景色の場所は、山梨県にある雁ヶ腹摺山からの富士山だという。

500円札の富士山を眺めに行こう!(写真:aoto さんの登山記録より)

富士山を見る・撮影するだけなら大峠からの往復が近いが、登山愛好者なら、金山鉱泉からの往復の登山を楽しみたい。

 

行程・コース

【日帰り】金山鉱泉から蛯子山・雁ヶ腹摺山を往復
■総コースタイム 7時間30分、標高差1437m(+1437m、-1437m)
金山鉱泉(07:00)・・・金山峠(08:40)・・・白樺平(10:10)・・・雁ヶ腹摺山(11:10)・・・白樺平(12:00)・・・金山峠(13:15)・・・金山鉱泉(14:30)

高低図

間近に富士山を望む展望の登山コース

間近に富士山を見たいという場合にオススメなのが、丹沢西端の三国山、鉄砲木ノ頭などの山だ。富士山を見る山として、認知度の高い山だ。

鉄砲木ノ頭からだと、富士山頂まで距離にして20km弱、広い草原が広がる山頂は遮るものがなく、眼下の山中湖も美しい。

間近に富士を拝むことができる鉄砲木ノ頭(写真:すー さんの登山記録より)

登山口から山頂までも近いので、雪がなければ初心者でも美しい富士山の姿を楽しめる場所となる。

 

行程・コース

【日帰り】篭坂峠から三国山に登り、切通峠から平野に下山
■総コースタイム 5時間10分、標高差+610m、-720m
篭坂峠(08:00)・・・アザミ平(08:45)・・・大洞山(角取山)(09:25)・・・三国山(10:55)・・・三国峠(11:15)・・・鉄砲木ノ頭(明神山)(11:45)・・・切通峠(吉政峠)(12:30)・・・県道出合(12:55)・・・平野(13:10)

高低図

前は海、後ろは富士山の浜石岳

冬の登山は、雪のリスクは常に考えなければならないが、駿河湾を望む山は、ほぼ雪の心配はない。浜石岳は温暖で、富士山の展望のみならず駿河湾や伊豆半島の眺望が美しい山として知られる山だ。山頂は草原が広がり360度の展望が楽しめ、天気が良ければ冬でも暖かい。

下山(登山)途中にある薩埵峠は、駿河湾越しの富士山を楽しめる場所として知られ、安藤広重の「東海道五十三次」にも描かれる絶景ポイントとして知られる。

海越しの富士山が美しい(写真:NAKA-P さんの登山記録より)

行程・コース

最適日数:  日帰り 6時間50分
総歩行距離:  15,900m  上り標高: 1164m  下り標高: 1164m
行程: 由比駅(08:00)・・・浜石岳分岐(08:15)・・・トイレ(09:45)・・・分岐(09:55)・・・野外センター(10:10)・・・野外センター下降点(10:35)・・・浜石岳(10:45)・・・野外センター下降点(10:55)・・・但沼分岐(11:35)・・・立花池入口(12:35)・・・車道(13:35)・・・薩た峠(14:00)・・・由比駅(14:50)

高低図

東京湾を挟んで富士山を堪能できる伊予ヶ岳

海越しの富士山を望みたい場合は、千葉県から東京湾越しに見るのが良い。気温の高い時期は、海越しの富士山は水蒸気によって霞んでしまい、キレイに見える機会は限られるが、冬の時期の早朝なら高い確率で見ることができる。

紹介する山は、千葉県の中では随一の登りごたえのある伊予ヶ岳。「房総のマッターホルン」の愛称に相応しく、岩場あり、ロープ・鎖場ありの山なので、標高以上の展望と登山を楽しみたい。

より海に近い富山から登れば、さらにクリアーな富士山が望める可能性が高くなる。

富山から東京湾越しの富士山を望む(写真:アッコちゃん さんの登山記録

行程・コース

最適日数:  日帰り 1時間55分
総歩行距離:  3,287m  上り標高: 314m  下り標高: 314m
行程: 天神郷バス停・・・南峰・・・北峰・・・南峰・・・車道・・・天神郷バス停

高低図

初心者でもスノーハイクを楽しめるのが魅力の入笠山

雪山初心者が、はじめて雪の山に触れたいという場合は、スノーシューでスノーハイキングするのがオススメだ。

入笠山は冬の晴天率が高く、富士見パノラマスキー場の施設を利用できるので、初心者でも安心。スノーシューレンタル&ゴンドラで登れば、山頂まで往復で約3時間のスノーハイキングが楽しめる。
天気がよければ、さらに大阿原湿原まで足を伸ばすことも可能だ。

もちろん、山頂からの富士山も美しい。広い山頂からは、南アルプス越しに富士山の頭を望むことができる。

南アルプスの先に富士山を望む(写真:ヨットおやじ さんの登山記録より)

行程・コース

【日帰り】ゴンドラ山頂駅から入笠山・大阿原湿原を周遊
■総コースタイム 2時間33分、標高差+408m、-408m
山頂駅(08:00)・・・山彦荘(08:08)・・・御所平峠(08:18)・・・入笠山(08:38)・・・仏平峠(08:53)・・・大阿原湿原(09:08)・・・大阿原湿原(09:38)・・・仏平峠(09:53)・・・山彦荘(10:23)・・・山頂駅(10:33)

高低図

とても運が良ければ見えるかもしれない富士展望の朝熊ヶ岳

三重県・志摩半島の突端近くにそびえる朝熊ヶ岳(朝熊山)は信仰の山として知られ、伊勢神宮の鬼門を護る山、死者の魂の行く所とされる金剛証寺があり、今でも登拝道が多く残る。

この山からの展望は素晴らしく、伊勢市や鳥羽市の町並み、伊勢湾や鳥羽の海を眼下に見下ろし、そして本当に天気が良ければ富士山を見ることもできるそうだ。

見ることができるのは、冬の晴れた日の朝のみ、1年に数回あるかないかという確率だそうだ。山頂の展望台に、富士山の見える位置も記されているので、とても良く晴れた冬の朝に朝熊ヶ岳山頂を目指してみよう!

(写真:朝熊ヶ岳の山容)

行程・コース

最適日数:  日帰り 3時間45分
総歩行距離:  9,500m  上り標高: 840m  下り標高: 840m
行程: 近鉄朝熊駅・・・であいの広場・・・軌道跡・・・朝熊峠・・・朝熊ヶ岳・・・朝熊山経塚群・・・金剛証寺・・・朝熊ヶ岳・・・朝熊峠・・・軌道跡・・・であいの広場・・・近鉄朝熊駅

高低図