山の斜面を染めるツツジを見に行こう! 強く・長く・大きく・美しく咲く花――
2019年04月07日(日)
 
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ピンク、赤紫、白など、花の色もさまざま。見頃の時期も幅広い代表的な山の花・ツツジ

春~初夏に、登山中に最も多く見かける花と言えば「ツツジ」だろう。花数が多いうえに、花も大振りで存在感がある。一斉に咲くと山の斜面を染める、美しく映える花だ。

ひと口に「ツツジ」と言っても、ツツジにはさまざまな種類がある。「ミツバツツジ」「ヤマツツジ」などのようにツツジの名前がついたものから、「シロヤシオ」「アカヤシオ」「ミヤマキリシマ」のように、花名だけではツツジかどうかわからない種類のものもあるが、これらはすべてツツジの仲間だ。

なお、ツツジの種類や見分け方については、高橋修氏のコラム「ツツジの花の見分け方のポイント」もぜひ、参考にしてほしい。

アカヤシオツツジと釈迦ヶ岳(写真:dari88 さんの登山記録より)


ツツジは全国各地、山でも街でも見ることが出来る樹木の花だ。街では、サクラの散るころから街路樹や公園の植え込みなどで咲き始める。山のツツジは、早いものは4月中旬頃から咲き始めるが、標高の高い場所で咲くものは6月に見頃を迎えるものもあり、長い期間楽しめる花でもある。

また花の色についても様々で、一般的なピンクのほか、赤色、アカヤシオなどの赤紫の花、シロヤシオのように真っ白の花、オレンジ色のレンゲツツジなど、バラエティに富んでいる。

九重連山・平治岳のミヤマキリシマの群落(写真:sting さんの登山記録より)


これから各地の山でツツジの季節を迎える。そこで今週はツツジの群生地として特に有名な山域をピックアップする。

 

Vol.1 丹沢随一のシロヤシオ&トウゴクミツバツツジの檜洞丸

丹沢山塊は様々な場所で、トウゴクミツバツツジやシロヤシオが咲く山域だ。その中でも、とくに美しいのが檜洞丸の山頂付近の稜線一帯だ。

檜洞丸付近のシロヤシオツツジの様子 写真/やぎやぎさんの登山記録より


西丹沢自然教室(現・西丹沢ビジターセンター)から檜洞丸までの登山道は、「つつじ新道」の名のとおりツツジが多く咲く。とくに展望園地から檜洞丸までの稜線道は、ツツジのトンネルの中を歩くほどの群生地だ。

山頂付近の稜線にはトウゴクミツバツツジとシロヤシオの群生地が数多くあるので、さまざまな色・種類のツツジを楽しめる。

なお、花の開花は5月中旬頃からで、最盛期は5月下旬~6月初旬となる。

 

■行程
【日帰り】檜洞丸から石棚山稜を下る
■総コースタイム 6時間55分、標高差-1090m(+1312m、-1352m)
西丹沢自然教室(08:00)・・・ツツジ新道入口(08:10)・・・ゴーラ沢出合(09:10)・・・展望園地(10:10)・・・石棚山稜分岐(11:20)・・・檜洞丸(11:40)・・・石棚山稜分岐(11:55)・・・同角山稜分岐(12:05)・・・県民の森分岐(13:05)・・・板小屋沢ノ頭(13:45)・・・箒沢公園橋(14:55)
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  • 西丹沢ビジターセンター
    2019年04月18日(木)

    日中は20度を越える汗ばむ陽気となっています。丹沢湖湖畔のヤマザクラが見頃です

  • 蛭ヶ岳山荘
    2019年04月14日(日)

    春と真冬が交互に訪れています。4/7にウグイスの初鳴き、4/10は積雪30cm



Vol.2 奥多摩随一のツツジ咲く尾根、長沢背稜

奥多摩でツツジが多く咲く場所として知られる場所が、長沢背稜だ。雲取山・芋の木ドッケから東側に伸びる稜線はツツジが多く咲く山域だ。

奥多摩の中では特に奥深い場所なので、訪れる人も比較的少なめで、静かな山旅が楽しめる。ただし歩く距離・時間は長いので、健脚者向けだ。

白とピンクのツツジの共演 写真/いっきさんの登山記録より


コース中でツツジが多く咲くのは蕎麦粒山~三ツドッケで、とくに三ツドッケ山頂近くに、シロヤシオとミツバツツジが群生している。また、三ツドッケの北西側にずっと足を伸ばすのもよい。

見頃は5月中旬~下旬となる。

 

■行程
【1日目】鳩ノ巣駅から川苔山を経て蕎麦粒山へ
■総コースタイム 6時間35分、標高差 +1900m、−780m
鳩ノ巣駅(08:00)・・・大根ノ山ノ神(08:45)・・・コブタカ山(09:55)・・・大ダワ(10:15)・・・分岐(10:35)・・・舟井戸(11:05)・・・東の肩(11:20)・・・川苔山(11:25)・・・東の肩(11:30)・・・曲ヶ谷北峰(11:35)・・・横ヶ谷平(11:50)・・・踊平(12:05)・・・日向沢ノ峰(12:35)・・・蕎麦粒山(13:15)・・・一杯水避難小屋(14:35)
【2日目】一杯水避難小屋からヨコスズ尾根を東日原バス停へ
■総コースタイム 1時間40分、標高差 +97m、−915m
一杯水避難小屋(07:00)・・・東日原(08:40)

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  • 東京都奥多摩ビジターセンター
    2019年04月18日(木)

    標高の差で春と冬の分かれ目。雲取山は6本爪程度のアイゼンを。高水三山はスミレなど満開



Vol.3 アカヤシオと展望の山、袈裟丸山の尾根はピンクの回廊となる!

群馬県と栃木県の県境、日光~足尾へ延びる稜線の途中にある袈裟丸山周辺は、アカヤシオの山として有名だ。

とくに花が多いのが小丸山(小袈裟)付近で、5月初旬~中旬頃は、尾根が赤紫色に染まる。

袈裟丸山をバックにアカヤシオが咲く 写真/dari88さんの登山記録より


また本コース途中のつつじ平付近は、アカヤシオに加えてシロヤシオ、ヤマツツジ、レンゲツツジも咲き(5~6月初旬)、山全体でツツジを楽しめる。

 

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 5時間40分
総歩行距離: 10,500m  上り標高: 944m  下り標高: 944m
折場登山口・・・賽ノ河原・・・小丸山・・・袈裟丸山(前袈裟丸山)・・・小丸山・・・賽ノ河原・・・折場登山口


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Vol.4 雪景色を背景にアカヤシオが咲く鳴虫山

日光の市街地から気軽に登れる鳴虫山は、日光の山々の展望とアカヤシオのコントラストが美しい山だ。

鳴虫山でアカヤシオが咲くのは4月下旬から5月初旬と早く、まだ日光の山々が雪景色の頃。また、カタクリも同じ時期に咲くので、さまざまな楽しみのある山となる。

雪化粧の女峰山とアカヤシオのコントラストが美しい 写真/dari88 さんの登山記録より


また5月中旬にはトウゴクミツバツツジやシロヤシオも咲くので、4月~5月はツツジを常に楽しめる山となる。5月は新緑も吹き出し始め、山全体は一層美しくなる。

 

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 4時間5分
総歩行距離: 8,500m  上り標高: 725m  下り標高: 656m
東武日光駅・・・登山口・・・神ノ主山・・・鳴虫山・・・合方・・・独標・・・憾満ヶ淵・・・総合会館前バス停


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Vol.5 京丸牡丹伝説の山・岩岳山で天然記念物のアカヤシオ・シロヤシオを訪れる

京丸牡丹伝説をご存じだろうか? 山深い京丸の里に迷い込んだ若者と恋に落ちた村長の娘との悲愛の物語で、村の掟に世を儚んだ2人は激流に身を投じ、以来ふたりの魂は牡丹となって京丸の谷間を彩るようになったという伝説だ。その伝説の地が、ここ静岡県の岩岳山・竜馬ヶ岳周辺となる。

ボタンではなく、アカヤシオが咲く京丸山付近 写真/smhuiun さんの登山記録より


この標高には牡丹は咲かないので、牡丹の正体はアカヤシオとシロヤシオと言われる。この地のそれらは、樹齢100~300年といわれていて、国の天然記念物にもなっている。

アカヤシオの開花時期はゴールデンウィークの頃で、シロヤシオは2週間ほど遅れて咲く。

 

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 5時間35分
総歩行距離: 13,500m  上り標高: 1347m  下り標高: 1347m
駐車場・・・水道タンク・・・小俣事業所跡・・・荷小屋峠・・・岩嶽神社・・・岩岳山・・・入手山・・・水道タンク・・・駐車場


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Vol.6 愛鷹の名前を冠したアシタカツツジの咲く山

富士山の南側にそびえる、標高1000~1500m程度の山群が愛鷹山だ。宝永火口を正面に見る富士山展望の山として知られるが、ツツジの季節は、花と新緑と展望の3拍子となる。

富士山の展望とアシタカツツジが楽しめる愛鷹山 写真/norio36 さんの登山記録より


山の名前を冠した、愛鷹山周辺でしか見られないアシタカツツジの開花は5月中旬から下旬が盛りの時期。最高峰の越前岳山頂から少し西側に下ったあたりが群生地として有名だ。

なお、アシタカツツジとミツバツツジとの大きな違いは葉の数で、ミツバツツジの3枚に対して5枚の葉がある。

 

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 5時間15分
総歩行距離: 10,000m  上り標高: 949m  下り標高: 949m
登山口・・・稜線鞍部・・・黒岳・・稜線鞍部・・・富士見台・・・越前岳・・・呼子岳・・・割石峠・・・大杉・・・大沢橋・・・登山口


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Vol.7 竜ヶ岳に白い羊(シロヤシオ)の群れを見に行く

滋賀県と三重県の県境に位置する、鈴鹿山脈の竜ヶ岳。雨乞い信仰・竜神の山が由来というこの山は、シロヤシオが独特の風景を醸し出す山として知られる。

草原で草を食むヒツジのような景色となる竜ヶ岳 写真/alpsdake さんの登山記録より


山頂付近は、ほぼ笹原となっているが、その斜面に点在するように立っているのがシロヤシオの大木たちだ。この大木に白い花が付くと、笹原にポツリポツリと白の塊が咲く様子となり、まるで牧場に群れる羊のように見える。

この特異な景色が見られるのは5月中旬から下旬。山頂から見下ろすように、この景色を見ることが出来る。

 

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 5時間15分
宇賀渓観光案内所・・・裏道登山口・・・ホタガ谷源流部・・・遠足尾根分岐・・・竜ヶ岳・・・石榑峠・・・小峠・・・長尾滝・・・裏道登山口・・・宇賀渓観光案内所


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Vol.8 関西随一のツツジの山、大和葛城山でツツジに酔いしれる

関西随一のツツジの山といえば大和葛城山だ。「一目百万本」といわれる淡い紅色のツツジが斜面を染める様は圧巻の景色で、他では味わえない景観を楽しめる。

濃い紅色のヤマツツジが山全体を覆い尽くす大和葛城山


なお、このツツジの群落はすべて自生しているもので、植林したわけではないとのことだ。

花が咲き始めるのはゴールデンウィークが終わった頃からで、満開の頃はロープウェイは混み合うので、登山者は登山道を上がって楽しみたい。

 

■行程
【日帰り】 総コースタイム: 3時間5分
葛城ロープウェイ前・・・自然観察路分岐・・・大和葛城山(ツツジ園一周)・・・葛城ロープウェイ前


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  • 葛城高原ロッジ
    2019年04月19日(金)

    山頂ロッジ周辺でもカタクリが開花。ショウジョウバカマも咲きはじめ



Vol.9 5月下旬~6月中旬は九州の山でミヤマキリシマを楽しみたい

九州の火山帯に群生しているツツジがミヤマキリシマだ。火山活動のために過酷な環境となった中でも生き残ったヤマツツジがミヤマキリシマで、他の植物がこの環境で生存できるようになると姿を消すとも言われている。

大船山の斜面をピンク一色に染めるミヤマキリシマ 写真/ユッキーさんの登山記録より


九重山、阿蘇山、雲仙岳、霧島山、由布岳などの、比較的標高の高い九州の火山に分布・群生していて、5月下旬~6月中旬が見頃となる。

九重山の中ではさまざまな場所に大群生地を形成しているが、とくにキレイなのが大船山の山頂南斜面や、平治岳山頂付近の群落などだ。

 

■行程
【日帰り】九重登山口から諏峨守越、坊がつるを経て大船山に登る
■総コースタイム 7時間15分、標高差751m(+1240m、-1240m)
九重登山口(08:00)・・・分岐(08:30)・・・諏峨守越(09:30)・・・諏峨守越下(09:35)・・・北千里浜(09:55)・・・法華院温泉(10:10)・・・坊がつる(10:20)・・・分岐(10:25)・・・段原(11:40)・・・大船山(12:05)・・・段原(12:30)・・・分岐(13:20)・・・坊がつる(13:25)・・・吉部分岐(13:30)・・・雨ヶ池越(14:10)・・・分岐(14:40)・・・雨ヶ池分岐(15:00)・・・九重登山口(15:10)

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  • 法華院温泉山荘
    2019年04月17日(水)

    比較的安定した天候。日によって0℃の冷え込みもあり防寒に注意。坊がつるの緑は5月頃から



Vol.10 四国随一のツツジの山、東洋のマチュピチュ・西赤石山

四国で随一のツツジの名所が、愛媛県の西赤石山周辺だ。山の北面がアケボノツツジの群生地で、山頂近くのかぶと岩がビューポイントとなる。アケボノツツジの最盛期は5月初旬から中旬となる。

薄っすらと斜面がピンクに染まった西赤石山 写真/栂ノ丸 さんの登山記録より


西赤石山はツガザクラの南限地としても知られる花の山でもあると同時に、銅山の遺構が今も残る鉱山跡の山でもある。斜面に点在する大規模な産業遺構は「東洋のマチュピチュ」という愛称が付けられている。

登山基地となる「マイントピア別子」は、その中心で、周辺の遺構と共に、登山の際にはぜひ訪れたい。

 

■行程
【1日目】道の駅マイントピア別子から銅山峰ヒュッテへ
■総コースタイム 3時間、標高差+1262m、-290m
道の駅マイントピア別子(08:00)・・・登山口(08:25)・・・橋(09:40)・・・東平登山口(09:50)・・・第三通洞(10:00)・・・銅山峰ヒュッテ(11:00)
【2日目】銅山峰ヒュッテから西赤石山、東赤石山へ
■総コースタイム 7時間30分、標高差+961m、-1424m
銅山峰ヒュッテ(07:00)・・・銅山越(07:30)・・・1482m地点(08:10)・・・西赤石山(09:10)・・・物住頭(09:55)・・・石室越(10:30)・・・八巻山(11:10)・・・東赤石山(11:40)・・・権現越(12:30)・・・保線路分岐(13:20)・・・県道出合(14:30)

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