筑波山は首都圏からの日帰り登山にオススメ! 眺望、パワースポットめぐり、自然観察、古道歩きを楽しもう!
2018年09月05日(水)

女体山側から見た男体山(写真/山ちゃんさんの登山記録より)
文・編集=鈴木志野

 
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初心者向けながらも、変化に富んだコースが充実。何度でも訪れたい魅力にあふれる百名山

「東の筑波、西の富士」と称えられる茨城のシンボル、筑波山。男体山と女体山の2つの峰をもつ双耳峰からなる山は、それぞれの標高は871m、877mと決して高い山ではない。しかし、広く平らな関東平野にそびえるため、山頂からは日光や那須連山、霞ヶ浦、太平洋、東京スカイツリー、富士山と、ぐるりと関東一円を見渡すことができ、低山とは思えない高度感を楽しめる。

山頂付近からの眺望は素晴らしく、高度感抜群だ (写真/釣り好き さんの登山記録より)

 

さらに、朝は藍、昼は緑、夕は紫と山肌の色を変える美しさから「紫峰」とも呼ばれるほど、山容が美しいことでも有名。また、「日本百名山で一番低い山」としても知られている。

筑波山は、山そのものが御神体として崇められていて、山全体が筑波山神社の敷地となっている。そのため、登山道はもともと参道だったものが多い。標高の低さから初心者向けの山として紹介されるが、登山道は岩場も多く、所々に危険な箇所もあって意外に手強い。軽い気持ちで登れるわけではないので、しっかりとした登山装備が必要だ。

オススメの季節は、中腹の梅林で梅まつりが開かれる2~3月や、ツツジの美しい5月、さらに紅葉のシーズンとなるが、これらの時期を外しても十分に楽しめる。とくに冬季は晴天率が高く空気が澄んで眺望を楽しめるのでオススメだ。一方、真夏は低山ゆえに、しっかりとした暑さ対策が必須となる。

筑波山はパワースポット巡りの場所としても人気が高い (写真/KHSACOB さんの登山記録より)

 

アクセスについては首都圏から日帰りが可能だ。各コースの登山口には駐車場も多いが、ハイシーズンは非常に混雑するので公共交通機関の利用が賢明だ。つくばエキスプレスのTXつくば駅利用が最も一般的で、ロープウェイなどの乗車券がセットになった筑波山きっぷが便利でお得だ。なお、つくばTXつくば駅から登山口まではバスで30~40分かかるので、乗り継ぎには気をつけたい。

そんな筑波山に登る登山道は山麓の各方面から伸びていて、それぞれのコースを併せて山全体を楽しんでほしい。また、中腹や山頂付近を周回したり、麓の古道を歩いたりできるので、いつ・何度訪れても、さまざまな楽しみ方ができるだろう。

なお各山頂には筑波山神社の本殿が、山麓にも筑波山神社や薬王院などの寺社あるので、登頂の際にはぜひお詣りをしたい。また、女体山にはパワースポットとされるガマ岩などの巨岩・怪石や大スギなどの巨樹が点在し、男体山には珍しい植物が群生する自然研究路も整備されているので、ぜひチェックしたい。

なお、男体山にはケーブルカー、女体山にはロープウェイが通っているので、天候やスケジュール、メンバーに応じて利用するのもいいだろう。

関連リンク

 ◆筑波山きっぷ
 ◆筑波山ケーブルカー&ロープウェイ
 ◆筑波山からの現地最新情報

 

Vol.1 男体山の表登山道を往復する、最もポピュラーな御幸ヶ原コース

筑波山を登るのに最もポピュラーなのが筑波山神社から表参道を登るコースだ。筑波山神社から中茶屋跡、男女川源流の湧水、御幸ヶ原を経て、男体山山頂に到着するコースで、往復で約3時間半のコースとなる。

登山道はほぼケーブカーの線路に沿っていて、間近にケーブルカーを見ながら登る場所も多いので安心感が高い。また、登山道中には直径1mを超えるスギの巨木や男女川の清水など、自然を豊かなポイントを楽しめるうえに、茶店が並び賑わう山頂広場・御幸ヶ原も通るので、筑波山登山をさまざまな面から満喫できる。

コース後半は急登の岩場もあり、意外と手強い (写真/ひろり さんの登山記録より)

 

ただし、急坂や木の根が露出した場所や岩場もあるので、初心者は慎重に進みたい。なお、下山はケーブルカーを利用したり、下に紹介するように「白雲橋コース」を使ったりするのも一般的だ。

 

■行程
【1日目】表登山道(御幸ヶ原コース)で男体山を往復
筑波山神社入口バス停(08:00)・・・筑波山神社(08:15)・・・宮脇駅(08:20)・・・中茶屋跡(09:00)・・・男女川源流の湧水(09:20)・・・御幸ヶ原(09:50)・・・男体山(10:05)・・・御幸ヶ原(10:15)・・・男女川源流の湧水(10:35)・・・中茶屋跡(10:50)・・・筑波山神社(11:20)・・・筑波山神社入口バス停(11:30)
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Vol.2 パワースポットの巨石・怪石がずらり!女体山の表登山道/白雲橋コース

筑波山神社から入山し、男体山と女体山のピークを通って周回する場合、このコースを通るのが一般的で人気が高い。筑波山神社バス停入口から東側・筑波山神社を通って、酒迎場分岐や弁慶茶屋跡を経て女体山山頂へ。女体山から男体山へ縦走し、下山は上記に紹介した男体山の表参道コースを下るコースだ。

パワースポット廻りとしても人気の高い白雲橋コース (写真/ムラチャン さんの登山記録より)

 

本コースの見どころは、弁慶茶屋跡を過ぎたあたりから現れる巨石・怪石のあるパワースポット廻りだ。北斗岩や大仏岩などの名前のついた岩から無名の岩まで、それぞれに古来からいわれのある岩が点在する。

また、このコースはアカガシやブナ林の美しさも評判なので、新緑や紅葉の時期も美しい。パノラマの景色が広がる女体山山頂からの霞ヶ浦の眺めも必見だ。

 

■行程
【1日目】白雲橋コースを上り御幸ヶ原コースを下る
筑波山神社入口バス停(08:00)・・・酒迎場(08:33)・・・弁慶茶屋跡(09:23)・・・女体山(10:03)・・・御幸ヶ原(10:18)・・・男体山(10:33)・・・御幸ヶ原(10:43)・・・男女川源流の湧水(11:03)・・・中茶屋跡(11:18)・・・筑波山神社(11:48)・・・筑波山神社入口バス停(11:58)

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Vol.3 つつじヶ丘から筑波山を楽しもう。おたつ石~白雲橋~迎場コース

筑波山の東麓、女体山側にかかるロープウェイ乗り場のつつじヶ丘から登る、おたつ石コースを使って登るコースだ。なお、「おたつ」とはガマガエルのことで、つつじヶ丘には遊戯施設「ガマランド」があるので、話の種に覗いてみるのも良い。また、筑波山名物「ガマの油」も、ぜひ目を通しておきたい。

つつじヶ丘はその名のとおり、5月にはツツジが美しいことで定評があり、おたつ石コースには多くのツツジが咲く。登り始めはつつじヶ丘高原まではコンクリートの道や階段が続く。つつじヶ丘高原は、東屋やベンチがあり眺望も楽しめるので休憩にオススメだ。

ツツジが咲く、5月のおたつ石コース (写真/Yuji-kun さんの登山記録より)

 

つつじヶ丘に戻る場合は、白雲橋コースに合流する弁慶茶屋跡に向かい、女体山山頂、御幸ヶ原、男体山山頂へと進む。下山はそのまま同じ道を通ってもよいが、弁慶茶屋から白雲橋コースを下り、酒迎場を大洗神社方向に進む舗装された迎場コースを行き、つつじヶ丘に戻るのも良いだろう。

 

■行程
【1日目】おたつ石・迎場・白雲橋コースで筑波山周回
つつじヶ丘(08:00)・・・弁慶茶屋跡(08:40)・・・女体山(09:20)・・・御幸ヶ原(09:35)・・・男体山(09:50)・・・御幸ヶ原(10:00)・・・弁慶茶屋跡(10:45)・・・酒迎場(11:25)・・・大洗神社(11:50)・・・つつじヶ丘(12:15)

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Vol.4 裏側から筑波山頂へ――。かつての修験道、羽鳥道・深峰遊歩道を巡る

筑波山の北側を通る羽鳥道は、かつては修験者の山岳修行の道として利用された道だ。賑やかな筑波山の中にあって、訪れる人は少なめなので、静かな山旅を楽しめる場所だ。

修験道の面影の残る羽鳥道 (写真/目黒駅は品川区さんの登山記録より)

 

入山口の「つくばの里のそば工房」を出発し、八坂神社、椎尾林道、男の川橋を経て、ユースホステル跡地へ。さらに御幸ヶ原を経て男体山山頂に到着。往路は同じ道を戻る、約6時間のコースだ。なお、帰路途中には全国緑化行事発祥之地や歌姫明神を訪ねるのも良いだろう。

また、ユースホステル跡地を過ぎたあたりにはカタクリの群生地があり、春には一見の価値ある。駐車場は男の川橋やユースホステル跡地にもあるので、スケジュールに合わせてアクセスするのも良い。

 

■行程
【1日目】山岳修業の道で筑波山を往復する
そばの里のそば工房(08:00)・・・八坂神社(08:50)・・・椎尾林道入口(09:20)・・・男の川橋(09:40)・・・ユースホステル跡地(10:00)・・・御幸ヶ原(10:30)・・・男体山(10:45)・・・御幸ヶ原(10:55)・・・ユースホステル跡地(11:35)・・・男の川橋(11:45)・・・大滝不動(11:47)・・・椎尾林道入口(11:57)・・・全国緑化行事発祥之地(12:12)・・・椎尾林道入口(12:37)・・・八坂神社(12:57)・・・歌姫明神分岐(13:17)・・・歌姫明神(13:25)・・・歌姫明神分岐(13:32)・・・そばの里のそば工房(13:52)

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Vol.5 つくしこから椎尾山薬王院を経て山頂を目指す「薬王院コース」へ

筑波山の西麓、つくしこ調整池から登るコースで、薬王院登山道とも呼ばれるコースだ。こちらも賑やかな筑波山の中では登山者の姿も少なく、静かな山旅が楽しめる。

薬王院の庭園の紅葉 (写真/槍ヶ岳 さんの登山記録より)

 

長い階段が続く登山道は体力的・精神的にきついが、登山道はよく整備されていて見どころも多い。つくしこ調整池は春にはサクラが美しいことで有名。登山口付近にある薬王院は、県重要文化財の三重塔や樹齢300年以上のスダジイの巨木がある。新緑が美しいコースでもあり、秋は薬王院付近から見るミカン畑の景色が風情がある。

駐車場のあるつくしこ調整池からスタートし、薬王院を経て太郎山(坊主山)方向へ。御幸ヶ原、女体山、男体山を登頂して往路を戻る、往復約5時間のコースだ。

 

■行程
【1日目】つくしこ調整池から薬王院を経て筑波山へ
つくしこ駐車場(08:00)・・・薬王院(08:20)・・・薬王院コース出合(08:50)・・・薬王院コース分岐(09:50)・・・御幸ヶ原(10:10)・・・女体山(10:30)・・・御幸ヶ原(10:45)・・・男体山(11:00)・・・第二展望台(11:10)・・・薬王院コース分岐(11:25)・・・薬王院コース出合(12:05)・・・薬王院(12:25)・・・つくしこ駐車場(12:40)

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Vol.6 梅林や林道歩きを楽しむ中腹一周コースは、リピーターにオススメ

筑波山の楽しみ方は、山頂に立つことばかりではない。筑波山の中腹を巡るコースは、梅・新緑・紅葉の時期に併せて訪れたい場所で、神域として保護されてきた筑波山の自然を心ゆくまで楽しめる。一周するのは時間がかかるので、それぞれの見どころを確認しながら、良い時期を狙って訪れたい。

筑波山神社入口バス停からスタートして西側周りで進むと、まずは筑波山梅林が広がる。梅の時期にはぜひ訪れたい場所だ。その先は林道酒寄線出合と鬼ヶ作林道出合を経て薬王院コースとの分岐へと進む。

梅林園内にある東屋からの展望 (写真/あし0316 さんの登山記録より)

 

さらに大滝不動や春にはカタクリやニリンソウの花が美しい筑波高原キャンプ場(冬季閉鎖)、土俵場、つつじヶ丘などの名所を経て筑波神社入口バス停へ戻るコースを1周歩くと、約5時間となる。

周回コースなので出発地点のアレンジがしやすく、標高差も小さく整備された道も多いので歩きやすい。

 

■行程
【1日目】 つくば梅林や新緑・紅葉の頃に楽しみたいコース
筑波山神社入口バス停(08:00)・・・あずまや(08:15)・・・林道酒寄線出合(09:15)・・・鬼ヶ作林道出合(09:45)・・・薬王院コース出合(09:55)・・・大滝不動(10:19)・・・男の川橋(10:22)・・・筑波高原キャンプ場(10:42)・・・土俵場(10:55)・・・林道ゲート(11:02)・・・つつじヶ丘(12:02)・・・大洗神社(12:22)・・・酒迎場(12:42)・・・筑波山神社(12:52)・・・筑波山神社入口バス停(13:02)

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Vol.7 日本の道百選のつくば道を歩き、筑波の田園風景と歴史に浸ろう!

「つくば道」をご存じだろうか? 江戸時代、三代将軍の徳川家光が開いたとされる由緒ある参道で、現在は「日本の道100選」にも選ばれている遊歩道だ。健脚な人は、ぜひ、このつくば道を通って筑波山に登って(または下山後に歩いて)みてはいかがだろうか。

集落の向こうに見える筑波山を望みながら歩けるつくば道 (写真/まつとし さんの登山記録より)

 

筑波交流センターをスタートし、江戸や明治期の土蔵が風情ある北条商店街を抜ける。さらに、サクラの名所として人気の北条大池や諸国の神々が集ったといわれる神郡集落を経て、筑波山神社に到着する約7km・2時間ほどの道で、古い町並みと田園風景、そして筑波山の美しい山容を堪能できる町歩きコースだ。

筑波山麓に残る貴重な文化財や、田園風景を堪能しながらじっくりと歩きたい。

■行程
【1日目】田園風景と貴重な文化財を訪ねる遊歩道
筑波交流センター(08:00)・・・つくば道入口(08:10)・・・北条大池(08:30)・・・神郡(09:15)・・・臼井(09:30)・・・筑波山神社(10:15)

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