小粒でもいい山揃い。何度登っても魅力な秩父・奥武蔵の山に行こう!
2019年01月28日(月)

武甲山の勇姿(プックルファザー さんの登山記録より)
文/鈴木志野

 
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登りがいある岩場や見事な眺望、趣き深い名所旧跡に四季の花。低山ながらもリピート確実!

埼玉県の南西部に広がる秩父山地の一角、標高200~1300mの低山が連なる山並みは、秩父・奥武蔵と呼ばれ多くのハイカーに親しまれている山域だ。のどかな里山を囲むように山々が連なっていて、地域の人々と山との密接な関係を色濃く伺えるのが特徴だ。

破風山から朝霧のかかる秩父盆地を見下ろす(写真/スーさん さんの登山記録より)


秩父・奥武蔵は関東地方を一周する長距離自然歩道「関東ふれあいの道(首都圏自然歩道)」の一部にも指定されていて、この山域の登山道はよく整備され、碁盤の目のように登山道・ハイキング道が広がっている。そのため、どの山やコースもファミリーや初心者向けとして人気があるが、上級者やベテランでも山歩きを満喫できる場所として、足しげく通う人も多い。

登山適期は「通年」で、いつ来ても安全で魅力ある山旅を楽しめる。とくに冬季でも楽しめるのが特徴で、雪が積もることは少ないうえに、ロウバイから始まる梅の花、そしてフクジュソウなどの早春の花、さらに春はサクラが咲き誇るので、冬から春は多くの魅力が詰まっている。そして紅葉の季節にも、深い秋を満喫できる。

羊山公園の芝桜の背後にそびえるのは武甲山の姿(写真/ポンタポンタさんの登山記録


もちろん、山によっては冬は軽アイゼンなどの装備が必要な場合もあるので、情報収集してから出かけよう。

なお、夏は低山ゆえに熱中症の危険もあり、登山するには相当の覚悟が必要となる。

アクセスは、首都圏から西武秩父線や東武東上線、秩父鉄道、JR八高線などが利用可能で、駅から駅まで歩けたり、いくつもの山を縦走したりと縦横無尽に歩ける山域でもある。日帰りで気軽に行けるところばかりなので、周辺の観光と合わせて訪れるのもいいだろう。

巾着田の彼岸花。下山後に楽しみが多いのも魅力(写真/masa.a さんの登山記録より)


以下には代表的な山を紹介しているが、これ以外にも魅力的な山はたくさんある。ぜひ、ガイドブックなどでさまざまな山を探して、楽しんでほしい。

手前味噌だが、登山地図&計画マネージャ「ヤマタイム」では、秩父・奥武蔵の山を広く対応している。様々なコース取りを、画面の中で楽しみながら利用してほしい。

 

Vol.1 威厳ある三角錐の山容が目を引く、秩父のシンボル、武甲山

秩父盆地から一気に標高1304m仰ぎ見る武甲山は、この山域の盟主的な存在だ。大正初期から石灰岩採掘が始まり、標高と風貌は痛々しく変化してきているが、残された自然を保全する活動も一部で始まっている。秩父を象徴する名山として、このエリアでまず初めに訪れてみたい。

採掘跡が痛々しい武甲山だが山中では自然を満喫できる(写真/山が好き! さんの登山記録


武甲山にはさまざまな登山道があるが、初めて登るのであれば、東側の一ノ鳥居登山口から山頂の奥宮への表参道を登って、西側の登山口、秩父鉄道浦山口駅に下山するコースがおすすめだ。カタクリの群生地、見下ろす羊山公園の芝桜の丘、各所から広がる眺望、橋立川の清流など、武甲山の魅力をひと通り満喫できる。

ほかにも、コース途中には一ノ鳥居の狛犬、天然の橋立鍾乳洞(12月中旬から2月末までは休業中)など立ち寄りスポットも多く、山旅をさまざまな角度から楽しめる。

 

■行程
【1日目】一ノ鳥居から山頂を目指し浦山口駅へ縦走
■総コースタイム 5時間10分、標高差+1,073m、-1,349m)
生川登山口(一ノ鳥居)(08:00)・・・登山道入口(08:30)・・・大杉の広場(09:30)・・・武甲山(10:40)・・・長者屋敷頭(11:25)・・・長者屋敷登り口(12:00)・・・橋立鍾乳洞(12:55)・・・浦山口駅(13:10)
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Vol.2 変化に富んだ伊豆ヶ岳を駅から駅まで縦走路しよう

標高851mと秩父・奥武蔵では中クラスの標高だが、断トツに人気がある山が伊豆ヶ岳だ。駅から直接アクセスできるという至便さに加え、起伏の激しさや雄大な展望など、ベテランも魅了される変化に富んだポイントが揃う。

おすすめのコースは、西武秩父線正丸駅から伊豆ヶ岳を経て、古御岳や高畑山へのピークをめぐり、足腰の神様・子ノ権現に至る縦走だ。伊豆ヶ岳の山頂は春にはヤマザクラやミツバツツジが美しく、古御岳は新緑の木立のピークが心地よい。なお、子ノ権現に祀られた鉄製の大わらじは、人気の撮影スポットだ。

伊豆ヶ岳にある、噂!?の50mの鎖場。無理せず迂回しよう(写真/KENT さんの登山記録より)


ちなみに、伊豆ヶ岳のシンボルともいえる約50mの鎖場は、落石や滑落の危険があり自粛の看板が出ている。無理せず迂回路を進もう。

 

■行程
【1日目】吾野駅から子の権現を経て伊豆ヶ岳へと縦走
■総コースタイム 6時間10分、標高差+1,215m、-1,102m)
吾野駅(08:00)・・・東郷公園(08:20)・・・浅見茶屋(09:10)・・・子ノ権現(09:50)・・・天目指峠(10:30)・・・中ノ沢頭(11:00)・・・高畑山(11:30)・・・古御岳(12:10)・・・伊豆ヶ岳(12:40)・・・五輪山(12:55)・・・正丸峠分岐(13:45)・・・正丸駅(14:10)

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Vol.3 日和田山でスリルある岩場と眺望、巾着田で季節の美しさを堪能

子連れハイキングのメッカとして人気の日和田山。標高は305mと低いが、男坂のスリリングな岩場歩きを楽しめるほか、富士山や丹沢、奥多摩の展望が楽しめることで人気がある。

登る場合は西武池袋線高麗駅が便利だ。登山口からは急登と巻き道があるので、同行者に合わせてコースを選びたい。登山を楽しんだ後は麓に広がる巾着田のハイキングがおすすめで、春にはサクラや菜の花の美しいコントラスト、秋には全国的にも名高い一面のマンジュシャゲ(彼岸花)やコスモスの花畑が広がる。

山頂付近にある金比羅神社から巾着田を見下ろす(写真/すてぱん さんの登山記録より)


時間に余裕があれば、高麗郷土資料館に立ち寄ったり、日和田山山頂から物見山方面へ縦走するコースを楽しむのもいいだろう。

 

■行程
【1日目】高麗駅から日和田山を周回し巾着田を散策
■総コースタイム 2時間37分、標高差+265m、-265m)
高麗駅(08:00)・・・鹿台橋(08:15)・・・本郷信号(08:16)・・・日和田山登山口(08:26)・・・金刀比羅神社(08:56)・・・日和田山(09:06)・・・自治会館(09:36)・・・鹿台橋(09:46)・・・ドレミファ橋(10:01)・・・高麗郷民俗資料館(10:11)・・・本郷信号(10:21)・・・鹿台橋(10:22)・・・高麗駅(10:37)

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Vol.4 関八州見晴台からのパノラマと荘厳な古刹をめぐる

埼玉県飯能市と越生町を分ける尾根上のピークにあり、関東の八州が見渡せることから名前が付いた関八州見晴台。関東三大不動の古刹、高山不動尊の奥の院も祀られる場所で、見晴台へは車で簡単にアクセスできるため観光名所となっているが、登山者・ハイカーならじっくり自分の足で登りたい。

関八州見晴台からの眺望、左の三角錐の山が武甲山(写真/やまおやじ さんの登山記録


西武秩父線の西吾野駅から4時間ほどのハイキングが趣きがあり楽しい。コース周辺にある不動の滝や、高山不動尊の荘厳な堂宇や樹齢800年の大銀杏「子育て銀杏」など、登山以外の見所も充実している。見晴台からの展望は文字通り素晴らしく、武甲山や両神山などの周辺の山のほか、都内のビル群、さらに富士山などのパノラマビューが楽しめる。

 

■行程
【1日目】一ノ鳥居から山頂を目指し浦山口駅へ縦走
■総コースタイム 4時間40分、標高差+835m、-835m)
西吾野駅(08:00)・・・高山不動尊登山口(08:20)・・・萩の平茶屋跡(09:00)・・・高山不動尊(09:45)・・・関八州見晴台(10:15)・・・高山不動尊(10:35)・・・わたど橋(11:35)・・・国道出合(12:10)・・・西吾野駅(12:40)

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Vol.5 皆野アルプスと親しまれる破風山で、温泉や展望、滝を楽しむ縦走旅

秩父盆地の北側にそびえるのが破風山で、かつては秩父札所めぐりの人々で賑わいを見せていた山だ。近年は「皆野アルプス」というご当地アルプスとして人気があり、標高のわりに登りがいがあり、岩稜やクサリ場、やせ尾根などスリルある山登りができると評判だ。

バラエティに富んだ登山道と展望が楽しめる皆野アルプスこと破風山(写真/コシアブラ さんの登山記録より)


アクセスの良い南側の皆野駅から登るハイカーが多いが、北側の日帰り温泉を起点にし、関東ふれあいの道を通り、破風山を経て大前山を縦走する西へと伸びる静かな岩尾根を行くルートは、バラエティーに富んでいて、山全体を満喫できる。下山後には、埼玉のクールスポットにも選ばれている秩父華厳の滝にも立ち寄りたい。

 

■行程
【1日目】秩父温泉から西へ延びる尾根を縦走
■総コースタイム 3時間50分、標高差+631m、-524m)
秩父温泉前バス停(08:00)・・・山靴の道分岐(08:45)・・・猿岩(09:20)・・・破風山(09:40)・・・札立峠(10:00)・・・大前山(10:50)・・・大前集落(11:20)・・・秩父華厳前バス停(11:50)

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Vol.6 季節の自然と賑わいの山・蓑山を静かな尾根歩きで楽しむ

荒川の右岸、秩父市と皆野街の境界にそびえるのが蓑山だ。山頂は「県立美の山公園」として整備され、サクラやアジサイなど季節ごとにさまざまな自然を楽しめる。

山頂までは車でも行けるが、観光客の喧騒から離れて季節の山の景色を味わいながら歩いて登れば、さまざまな楽しみが待っている。秩父鉄道の親鼻駅から仙元山山頂を通る仙元山コースに入り、蓑山を登頂し、黒谷コースを和銅黒谷駅へ下りる約3時間の縦走がおすすめだ。

春のサクラ、夏のあじさいなど季節ごとの花と自然を楽しめる(写真/すー さんの登山記録より)


静かな尾根歩きに始まり、観光客で賑わう展望休憩所や山頂からの眺めを味わいつつ、下山後は和銅遺跡に立ちりながらのどかな山村風景を歩けば、変化に富んだ里山ハイクを楽しめる。

 

■行程
【1日目】一ノ鳥居から山頂を目指し浦山口駅へ縦走
■総コースタイム 3時間15分、標高差+542m、-519m)
親鼻駅(08:00)・・・お犬のくぼ(09:15)・・・榛名神社(09:40)・・・蓑山(10:00)・・・和銅遺跡(10:55)・・・和銅黒谷駅(11:15)

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Vol.7 秩父・奥武蔵の魅力に触れる「外秩父七峰縦走ハイキング大会」

この山域の山々の魅力を1日で一挙に楽しみたいなら、「外秩父七峰縦走ハイキング大会」に参加してみてはいかがだろうか? 毎年春に開かれている30回を数える人気の本大会は、約42kmの完歩を目指すものだが、「競争ではなく、楽しく歩いて、自分の脚力を自分で判断する」のがコンセプトで、見晴しのいい外秩父の主な峰々を縦走しながら、秩父・奥武蔵の魅力をぐっと楽しむのが目的だ。

美しくのどかな里山の風景を満喫できる「外秩父七峰縦走ハイキング大会」(写真/mka10 さんの登山記録より)


もちろん大会に出るのは楽しいが、日程が合わないという人はぜひ個人で、トライするのもいい。途中でエスケープできるポイントも多いので、日を改めながら少しずつコース全体約42kmを制覇するのも楽しいだろう。

なお、2019年の大会は4月21日、参加申し込みは1月15日から専用ホームページで受付中だ(申込者数が3000人に達し次第、受付終了)。

 

■行程
【1日目】外秩父七峰縦走ハイキング大会(約42km)コースを堪能する
■総コースタイム 13時間50分、標高差+2900m、-2894m)
小川町駅(06:00)・・・八幡神社(06:20)・・・車道の丁字路(07:20)・・・石尊山(08:10)・・・官ノ倉山(08:20)・・・安戸(08:50)・・・和紙の里バス停(09:25)・・・西峰(12:31)・・・笠山峠(12:46)・・・堂平山(13:21)・・・白石峠(13:56)・・・定峰峠(14:36)・・・旧定峰峠(15:16)・・・大霧山(16:01)・・・粥仁田峠分岐(16:21)・・・二本木峠(17:11)・・・皇鈴山(17:36)・・・登谷山(18:01)・・・釜伏峠(18:21)・・・中門平(18:51)・・・寄居駅(19:51)

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