世界自然遺産・秋田白神山地で”キュン”を探す女子3人旅  動画公開中 
構成・文=小林千穂 コース紹介文=後藤千春 写真=後藤千春、秋田県、秋山まどか デザイン=a-pex design
特別協賛=秋田県 Sponsored Contents 2022.07.07

世界自然遺産・秋田白神山地

世界自然遺産・秋田白神山地。面積は約13万ヘクタール、琵琶湖の約2倍にも値する広大な山並みです。秋田県と青森県にまたがるこの山域には、豊かなブナの森が広がっています。

その中心部である約1万7000ヘクタールには、ほとんど人の手が及んでいない原生的なブナ林が残されてきました。そこでは、遥か昔、約8000年前の植生とほぼ変わらない森の姿が見られるといいます。これほどの広さで原生的なブナの森が残っているのは東アジアで白神山地だけ。世界でも最大級の規模を誇ります。

1993(平成5)年、そんな白神の森が世界自然遺産に登録されました。太古の姿を現在に伝えるブナ林があるということだけでなく、そこに多種多様な動植物が生息・生育していることも高く評価されたのです。

長い年月をかけて作られた白神の森は、多彩な動植物を育み、栄養豊富な水を海に届けるなど、自然の営みの一端を担っています。そして、私たちの生活にも海の幸・山の幸を含め、多大な恩恵を与えてくれます。そんな白神の森は、未来に伝えていくべき、私たちの大切な宝ものです。

アクセス
藤里町へ
【白神山地世界遺産センター(藤里館)まで】
大館能代空港から車で約30分、秋田空港から車で約90分。
八峰町へ
【あきた白神体験センター まで】
大館能代空港から車で約70分、秋田空港から秋田自動車道で能代南ICを経由して約110分。
 

秋田白神の自然に触れよう

白神山地の世界自然遺産登録地域は「核心地域」と「緩衝地域」に分けられています。核心地域は植生などへの悪影響が生じないよう既存の歩道を利用した登山などを除き入山が制限されていますが、緩衝地域ではブナの森と気軽に触れ合うことができます。

その緩衝地域にあり、登山の対象となっているのが二ツ森。秋田県側から県境まで延びた青秋林道の終点から登山道が整備され、1時間ほどでピークに立てます。山頂部からはどこまでも続く核心地域のブナの森や白神山地の山々、日本海が見渡せるほか、初夏は木々の新緑と残雪、秋は黄金色の紅葉を楽しめるのが魅力です。また、緩衝地域以外でも岳岱自然観察教育林、藤里駒ヶ岳、留山などでブナやミズナラの天然林を見られます(留山は環境保全のためガイド同伴が必要)。

夏は玄武岩の大岩や奇岩の間を澄んだ水が流れる真瀬渓流・三十釜、不動の滝や峨瓏大滝、銚子の滝など滝めぐり、天然の秋田杉がみごとな太良峡の散策が涼やかでおすすめ。

春から夏にかけてミズバショウやニッコウキスゲなどが一面に咲く田苗代湿原も人気のフィールドです。

さあ、秋田へ出かけ、白神の貴重な自然に親しみましょう。

ブナやミズナラの天然林
銚子の滝
田苗代湿原
 

秋田白神 おすすめコースガイド

秋田白神山地の自然を体験できるおすすめの登山・ハイキングコースを紹介します。
新緑シーズンはもちろん、紅葉時期もおすすめです。

秋田白神を代表する秀峰
藤里(ふじさと)駒ヶ岳
標高1,158m
農作業の始まりを告げる駒(馬)の雪形が現れることで命名された、全国で16座ある駒ヶ岳のひとつ。藤里駒ヶ岳も4月には山腹に巨大な「黒駒」が現れ、古くから信仰の山として崇拝された。中腹は白神山地らしいブナ林、森林限界を抜けると北東北の名峰の展望が待っている。
アクセスは車利用となるが、世界遺産センター、峨瓏の滝、太良峡、岳岱の森など見どころも多い。
樺岱登山口へ下る縦走もオススメだが、車を回しておく必要がある。
img
img
img
 
DATA
歩行時間/レベル:3時間40分/初級
行程:黒石沢登山口・・・(15分)・・・田苗代湿原・・・(35分)・・・主稜線・・・(旧道・80分)・・・山頂・・・(新道・90分)・・・黒石沢登山口
アクセス:【電車】JR奥羽本線二ツ井駅からタクシー(約90分)、【車】国道7号線二ツ井から県道317号線~黒石林道(全線舗装、約70分)
問い合わせ:白神山地世界遺産センター(藤里館)(TEL 0185-79-3005)、第一タクシー(TEL 0185-52-2211)
世界遺産の山の入門コース
二ツ森(ふたつもり)
標高1,086m
登山口から往復2時間で世界遺産を体感できる山として人気。登山口からひと登りの県境稜線からは世界遺産(緩衝)地域を歩く。山頂部への登りからは、見渡す限り人工物が目に入らない遺産の森を見下ろし、振り返れば白神山地の盟主である白神岳の稜線が連なっている。
白神山地にブナ林が出来て8000年と言われているが、この悠久の森で進化を繰り返し、命を繋いできた生態系や、青秋林道計画といった森林開発など、人と自然の関係にも思いを馳せてみたい。
img
img
img
 
DATA
歩行時間/レベル:2時間/初級
行程:二ツ森登山口・・・(70分)・・・山頂・・・(50分)・・・登山口
アクセス:【電車】JR五能線能代駅からタクシー(約90分)、【車】国道101号線八森から町道二ツ森公園線(旧青秋林道・全線舗装)を約50分で終点の登山口へ
問い合わせ:白神ふれあい館(TEL 0185-70-4211)、八森ぶなっこランド(TEL 0185-77-3086)、第一タクシー(TEL 0185-52-2211)
地元集落で守らてきたブナ林
留山(とめやま)
標高わずか160~180mほどの里山に広がり、遊歩道も整備されている白神山地らしいブナ林。地元の人々が藩政時代から伐採を禁じ、水源確保のために大切に守ってきたのが留山だ。
全長850mの散策路を歩けば、樹幹流の様子、木の一生と森の更新、樹齢300年を超えるブナの巨木、クマの爪痕やサンショウウオの池など、白神山地をギュッと濃縮したような森の生態系と白神の意味を知ることができる。
ここは地元集落の所有林で、入林には「八峰町白神ガイドの会」の登録ガイドを同伴するきまりになっているので、ゆっくりと歩きながらガイドに白神のことを教えてもらおう。
img
img
img
 
DATA
歩行時間/レベル:1周約60分/初級
行程:1周約0.9km
アクセス:【電車】JR五能線東八森駅からタクシー(約30分)、【車】国道101号線から水の目林道(白瀑神社から約30分)
問い合わせ:八峰町白神ガイドの会 事務局(TEL 0185-70-4211)
深いブナ林で究極の癒しを
岳岱(だけだい)自然観察教育林
標高620m
「登山はしないけど白神らしいブナ林を体感したい」「藤里駒ヶ岳登山の帰りにもう少し自然を楽しみたい」という方には、手軽にできる深山幽谷の森の散策がおすすめ。原生的な一次林から、ブナ伐採後の二次林、杉の植林などが共存し、季節ごと、天候ごとに雰囲気を変えながら訪れる人を魅了する。
日々時間に追われている多忙な人たちにこそ、この森でゆったりと究極の癒しの時間を過ごし、ストレスを吐き出してほしい。白神専門ガイド同伴なら、白神の森の理解が深まり森の中で過ごす時間も充実する。
img
img
img
 
DATA
歩行時間/レベル:約50分/初級(散策)
行程:散策路コース1周約1.8km
アクセス:【電車】JR奥羽本線二ツ井駅からタクシー(約1時間)、【車】国道7号線二ツ井から県道317号線~黒石林道(全線舗装、約1時間)
問い合わせ:白神山地世界遺産センター(藤里館)(TEL 0185-79-3005)、秋田白神ガイド協会(TEL 0185-79-2518)、第一タクシー(TEL 0185-52-2211)
 

主な立ち寄りどころ
 
秋田白神の自然を次世代に伝える
かけがえのない白神山地の自然を後世に残すため、秋田県ではさまざまな活動を行なっている。その一つが小学生を対象とした環境教育活動の「白神体験塾」。県内の小学生を対象に、夏は沢歩きやシーカヤック、秋は星空観察などさまざまなツアーを企画。次世代を担う子どもたちの体験を通して自然保護に対する意識を高めている。また、自然の大切さや魅力を伝える取り組みとして、地域で活動する専門ガイドの育成も行なっている。
 

あきた白神山地・女子旅
オンライントークイベント

秋田白神山地の名物ガイド斎藤栄作美さんが、『山と溪谷Ch.』でもおなじみのモデル/登山系YouTuber 山下舞弓さんと彼女のお友達でもある山女子モデル 加藤由佳さん、新田あいさんの3人をエスコート。初めて訪れる初夏のあきた白神山地の魅力をみなさんで語っていただくトークイベントを現地からライブ配信します。

また、斎藤ガイドを加えた4人の山旅は8月上旬に『山と溪谷Ch.』で公開予定です。あわせてお楽しみに!

  視聴はこちらから

※ライブ配信は終了しました。アーカイブ配信がご視聴いただけます。

世界自然遺産・秋田白神山地で
”キュン”を探す女子3人旅

自然豊かな白神山地で、女子3人が“キュン”とくるポイントを探す旅を動画で紹介。前編は、白神山地を知り尽くすガイドの斎藤栄作美さんと一緒に、藤里駒ヶ岳(秋田県藤里町/標高1,158m)に登った様子をお届けします。

後編は岳岱(だけだい)自然観察教育林を散策します。豊かな森では、古代から変わらずに、生命の循環が続いています。2022年3月に倒れているのが発見された樹齢400年のブナを前に思うことは・・・。