山岳ガイドブック執筆者のベテラン写真家がPRO TRECK Smartを試す

 カシオのスマートウオッチ「PRO TREK Smart」は、多機能なスマートウオッチであるとともに、「PRO TREK」の名に恥じない、頑丈でタフな使用に耐えるフィールドウオッチだ。

 今回、山岳写真家で、山岳ガイドブックの執筆者でもある渡邉明博さんが「PRO TREK Smart」を取材山行で実際に使ってみた。山岳ガイドブックを執筆するためには、一つの山をあらゆるコースから何度も繰り返し登り、綿密な取材、記録、撮影が欠かせない。果たしてその使い勝手は。

わたなべ・あきひろ。1957年、東京都生まれ。中学時代に写真を始め、1976年から商業カメラマンとして写真を仕事とする傍ら、山上から富士山を撮るをテーマに山岳写真家としても確立。「低山フォトグラファー」として中央線沿線の低山にくまなく通い四季折々の風景を撮影。のべ150日に渡る実踏取材を元に『高尾山と中央線沿線の山』(山と溪谷社)を2016年に上梓。白籏史朗賞日本山岳写真コンテスト入選ほか受賞歴多数。山岳写真ASA会長。

 12月初旬、小社刊のガイドブック『高尾山・中央線沿線の山』の著書で、富士山展望の山々を知り尽くす低山フォトグラファーの渡邉明博さんとともに、大月市の高川山に向かった。

 渡邊さんは登山歴・山岳写真歴30年以上の大ベテラン。この日初めて最新のスマートウオッチに触れ、その第一印象を「大きな画面で明るくて見やすそうですね」とコメント。普段と同じように歩きながら、GPSログやメモを、PRO TREK Smartで行う取材山行がスタートした。

 駅から歩き始める前に、スマートフォンで予めダウンロードしPRO TREK Smartに転送しておいた地図を呼び出すと、画面上に現在位置が映し出された。

 PRO TREK Smartの特徴のひとつは、GPSを内蔵し、予め入れておいた地図上に軌跡を残せること。スマートフォンの普及で当たり前になったこの機能も、時計上に地形図を表示させログと表せる機能を持つものはまだ少ない。渡辺さんも「腕時計の位置にあるのはすぐに見られていいですね」と満足そう。

 渡辺さんはガイドブックを執筆するほど山に精通し、道を間違うことはないのだが、万が一、登山道を外れても、地図と位置情報を確認することで安全に元に戻ることができる、そんな安心感があるだけで、初めてで道に不案内な山でも、リラックスして風景を楽しむ余裕が出てくるだろう(1)。


 歩きはじめて1時間。渡邊さんの腕時計が振動し、画面に「休憩しましょう」が表示された。これは、「モーメントセッター」機能。歩き出す前に予め「移動距離1kmごとに高度グラフを表示」「1時間ごとに“補給しましょう”を表示」「ゴール標高“975m”まで残り“200m”になったら、残り高度を表示」など、登山に関するいろいろな条件を設定しておき、アラートを表示させることができる(2)。

 「登ることに夢中で、休憩もせず2時間も歩いてしまった」なんてことがなくなり、計画的に安全に登山を楽しむためのシンプルだが便利な機能だ。山頂到着の直前に「補給しましょう」が表示されたので、渡邊さんは「寒い日の楽しみはコレ」と、お湯を沸かして温かいスープをすすった(3)。

 ほかにも「1時間に気圧が1hPaを超える下降を検知したら気圧グラフを表示」「日の入り時刻の1時間前になったら、日の入り予定時刻を表示」なども設定でき、どれも登山に特化し、安全な山行につなげることができる機能と言えるだろう。

 

 ガイドブック制作のための取材山行で必要なのは、登山道中のどんな場所に、どんなポイントがあるかを詳細に記録していくこと。従来、渡邊さんはGPS専用機器を持ち、都度ウェイポイントを落とし、写真でその場所を撮り、メモをしていくスタイルで、自宅で撮影時刻とウェイポイント確認しながら必要な情報をまとめていくという。

 PRO TREK Smartの「ロケーションメモリー」を使えば、予め用意されたマークをプロットできるだけでなく、「ボイスメモ」機能で音声入力によるメモができる。声の入力をテキストに変換し、時刻とともに地図上に落とすことができる。初狩駅から歩き出し、線路のガードをくぐったところで「中央線のガードをくぐる」と声で入力すると見事にテキスト変換された。


 その後も、急登箇所で「上りがきつくなりました」(4)とメモしたほか、「分岐になりました」(5)、「富士山が見えた」(6)「沢を渡ります」「ロープがあります」(7)「林道に出ました」など、山岳ガイドブックを執筆するうえで必要なポイントを、ボイスメモやマークで次々と記録していった。

 PRO TREK Smartの様々な機能の中で、渡邊さんがいち早くマスターし、最も活用したのがこの「ボイスメモ」だった(8)。

 ガイドブック執筆者のようなプロでなくても、山の思い出を、簡単にメモでき、地図上に記録していけるのは楽しい機能だ。自宅に帰ってから、記録と記憶を結びつけて山行を振り返ることでより充実した登山ライフにつながっていくだろう。

 スマートフォンの登山地図アプリ「YAMAP(ヤマップ)」との連携が深いのも、PRO TREK Smartの特徴。PRO TREK SmartのYAMAPアプリとスマートフォンを連携させれば、予めスマートフォンでダウンロードしたYAMAPの地図データを腕時計上に表示させることができ、地図を表示させることができるほか、GPSログで歩いた軌跡を残すことができる(9)。YAMAP上の登山記録“みんなの軌跡”を取り込んで表示させることもできる。
 また、PRO TREK Smartの独自開発アプリ「アクティビティ」では、登山に特化した表記で、目標として設定した標高(山頂)への、残りの標高差や、登高スピードも見やすく表示される。距離やペースを具体的に把握することができ、歩くうえでの励みになるだろう(10)。
 2017年11月のアップデートで、PROTREKsmartに新しいウオッチフェイス「プレイス」が登場した(11)。
 時計画面の背景を地図にできるほか、クロノグラフの12時と6時のインダイヤル部分を、高度、気圧、電池残量、日の出・日の入りなどの表示に任意に切り替えることができ、より使い勝手がよくなっている。すでにF20、F20Sを持っているならアップデートで使えるようになる。「プレイス」のほか、「トラベラー」(12)や「ロケーション」「コンビ」「マルチ」など、豊富なウォッチフェイスが用意されている。

 一日を振り返って、渡邊さんに初めてのスマートウオッチ「PROTREKsmart」の感想を聞いてみた。 「画面が大きく見やすいのは、暗い林の中でも明るい山頂でも想像以上でした。GPSでログが取れるのはもちろんですが、ボイスメモがおもしろい機能ですね」。

 そもそも、スマートフォンと同期・連携が前提のスマートウオッチだが、単独で設定したり、動かしたりできる機能が充実して、一段と使い勝手が増している。登山の初心者・初級者にとっては、登山の不安を解消したり、励みになったりする機能が盛りだくさん。中級者以上なら、GPS機能を駆使し徹底的に使い倒すことができるだろう。「PROTREKsmart」は、そのタフさとともに、この冬も注目のアイテムだ。

標高975m。大月市指定「秀麗富嶽十二景」のひとつ。富士山の展望が素晴らしいのはもちろん、三ツ峠山、久鬼山など富士山に向かう富士街道沿いの山並み、遠く南アルプス方面の展望、滝子山から大菩薩、奥秩父へ続く山並みなど、山頂からは360度のパノラマが魅力。JR中央線の初狩駅からは2時間弱で山頂に立つことができる。

富士山がよく見えるこの季節。著書のガイドブックからオススメの山を3つ選んでいただきました。

扇山(標高1138m)
 鳥沢駅を過ぎると右手に大きく扇を広げたように見える扇山。中央沿線の山でも人気が高く、四季を通して登山者が絶えない。大月市の秀麗富嶽十二景の山で、富士山がひと際美しい。また空気が澄めば、スカイツリーなどの都心も見渡せる。登下山口の鳥沢集落や犬目集落も趣があり必見。
御前山(標高730m)
 猿橋駅と大月駅から登れる山で、知る人ぞ知る穴場的存在の山。東側から西側かけて大きく展望が開け、高畑山、倉岳山をはじめ、丹沢の山々が見渡せる。特に九鬼山に続く稜線に浮かぶ富士山は格別のものがある。大月駅に隣接する菊花山と合わせて小さな縦走登山を楽しみたい。
八重山(標高531m)
 上野原市外の北側に連なる小さな里山が八重山。山頂一帯が「五感の森」として良く整備され、富士山から丹沢に連なる山々の展望が広がる。八重山、能岳と辿れば、日溜まりハイキングを堪能できる。下山後に上野原市名産の酒まんじゅう店に立ち寄るのも楽しみ。
 
 

WSD-F20-RG
価格=¥51,000+税
サイズ=H61.7×W57.7×D15.3mm
重量=92g
付属品:ACアダプター、専用充電ケーブル
WSD-F20-BK
価格=¥51,000+税
サイズ=H61.7×W57.7×D15.3mm
重量=92g
付属品:ACアダプター、専用充電ケーブル
 
カシオ計算機株式会社 〒151-8543 東京都渋谷区本町1-6-2 お客様相談室 0570-088922 (月曜~土曜 9:00~17:30、PHS、IP電話、公衆電話からは03-5334-4957) https://wsd.casio.com/jp/ja/