登山をしっかり楽しみたい人へ。 カジュアルだけど、
きちんと本格派。
コロンビアの新作ウェアを
フィールドテスト！ コロンビア／エンジョイマウンテンライフ

目標としてきた山の頂に立つと、視界が一気に開け、空と山並みがどこまでも続く雄大な展望が広がった。つらい登りを耐えた先にある達成感や美しい景色をきっかけに、山登りが好きになる人は多いはずだ。

アウトドアを気軽に楽しんでもらいたい。そんなコンセプトをもつアウトドアブランド「コロンビア」は、一部のトップクライマーではなく、休日に山登りを楽しむ一般登山者たちをいつも見つめて商品を企画してきた。

カジュアルなデザインのなかに高機能を詰め込んだアイテムを多数ラインナップしているのは、創業以来、半世紀以上もブランドを支えてきたコンセプトを大切にしているからにほかならない。

今年の春にリリースされた新コレクション「エンジョイマウンテンライフ」は、その名のとおり“アウトドアをもっと楽しんでもらいたい”というコロンビアからのメッセージが込められたアイテムだ。

ラインナップは、メンズ、ウィメンズ共にレインジャケット・パンツ、ロングスリーブシャツ、ソフトシェルジャケット・パンツ・ショーツ、半袖Tシャツの計７型。

今回はロングスリーブシャツとレインジャケットを身に着けて、春の日帰りハイキングを楽しんできた。

柔らかな木漏れ日に照らされる一本のトレイルを、体を温めながらゆっくりと歩いていく。

通常、私たちは山に登る場合、専用の服に着替えて身なりを整えてから山に向かう。ただ、仮に普段と変わらない服装で山に登ることができたとしたら、もっと気負わずに自然体で登山を楽しめるのではないだろうか？

そんな新しい感覚を体験できるウェアが、「エンジョイマウンテンライフオムニフリーズゼロロングスリーブシャツ」だ。

あえてゆったりしたシルエットにコロンビアらしさが垣間見える一着は、見た目こそカジュアルだが、登山に対応する本物の機能をしっかりと備えている。

生地に採用されている素材は、速乾性に優れるポリエステル100％で作られる“ストレッチメッシュ”。親水加工を施すことで吸汗性を備え、伸縮性が動きを妨げず、優れた通気性で不快な蒸れを軽減する。

肌面には、サークル状にプリントされた冷却材によって汗が触れると温度が低下する独自機能「オムニフリーズゼロ」を搭載。汗ばむ登山をユニークな冷却効果でサポートする。

両腕には捲くり上げた袖をまとめるボタンを配置。襟は日焼け対策に活かせるように、立てて使うと二重の生地で首筋を広範囲にカバーできるようにデザインされている。

普段は半袖Tシャツで山に登ることが多いです。でも、日焼け止めを塗っても日焼けはするし、虫に刺されたり肌が枝で傷ついたりすることもあります。そう考えると、長袖シャツはありかなと。とくにこのシャツは風をよく通すので、行動中も暑くならないのがいいですね。

Tシャツだと日焼けが気になるし、下にロングスリーブを着るのはちょっとかわいくない。なので、山ではネルシャツをよく着るんですが、生地が厚いので蒸れる感じがあるんです。でも、このシャツは風通しがよくて蒸れる感じがない。涼しい着心地は夏に欲しいと感じました。

なだらかなトレイルで高度をゆっくり稼いだあと、樹林帯を抜けて尾根に出ると、途端に風が吹き付けてきた。防水機能をもつレインジャケットは、ウィンドシェルとしても活躍する登山の必須アイテムだ。

レインジャケットは各ブランドがしのぎを削り、生地がストレッチするもの、極限まで軽量化を突き詰めたもの、美しい立体裁断で動きやすさを追求したものなど、さまざまなモデルがリリースされている。

では、コロンビアが新たにリリースしたレインジャケット「エンジョイマウンテンライフジャケット」はどうかというと、“使い勝手を高めたウェア”といえるだろう。

まず、生地は高耐久性と肌触りのよさをバランスよく備える3層構造。そこに独自の防水透湿機能「オムニテック」を搭載し、安心の防水性とドライな着心地を備えている。

そして、「エンジョイマウンテンライフジャケット」の使いやすさはフロントポケットに秘密がある。紙の登山地図が余裕で入る大きめなポケットが、合わせて4つも配置されているのだ。

日焼け止め、行動食、スマートフォン、サングラス、ハンカチ、ティッシュなど、歩きながらすぐに取り出したいアイテムは意外と多い。

軽量化の一環でポケットの数を減らしたレインジャケットも多いなか、この使い勝手のよさは魅力的に映るはずだ。

さらにフードの作りに注目すると、頭のサイズより大きく設計されていることに気付く。これはヘルメットに対応するデザインで、「エンジョイマウンテンライフジャケット」は、北アルプスなどヘルメットの着用が推奨されている難易度の高い山域での使いやすさも考えて作られている。

生地には、延べ10年間もの使用に相当する耐久テストをクリアした素材「TORAIN」を採用。経年劣化しづらいウェアは永く着続けられるためコストパフォーマンスに優れるといえる。さらに、買い替える機会が減ることで、商品の製造から廃棄までのサプライチェーンで生じるCO₂の排出を軽減できる点も見逃せないポイントだ。

下山途中、雨がポツポツと降ってきた。「エンジョイマウンテンライフジャケット」を羽織って帰路を急ぐ。表面の撥水性がしっかりと機能し、ジャケットに触れた雨粒は玉になってコロコロと落ちていった。

フードのサイズが大きめで、かぶったときに髪の毛がしっかり収まるのは女性にうれしい特徴だと思います。襟が高く作られているのも好印象で、風の吹き込みを感じづらかったです。生地に適度な厚みがあるので、寒くなく、かといって暑くもなく、ちょうどいい暖かさを感じました。

数の多いポケットは便利ですね。行動食を入れて立ったまま食べることができるので、ザックを下ろして取り出す手間が省けます。シャリバテの予防のためには、こまめな栄養補給が大切なので、クッキーや飴などを入れておくとよさそうです。

「エンジョイマウンテンライフオムニフリーズゼロロングスリーブシャツ」と「エンジョイマウンテンライフジャケット」を試した2人に、デザインに対する感想も聞いてみた。

今回着ていた「エンジョイマウンテンライフジャケット」のポップなカラーは、目立ちたい人にはおすすめです（笑）。逆にそうでない人に向けて、ベーシックなブラックやブラウンなどもそろっているので、好みに応じてカラーデザインを選べるのがいいですね。見た目はカジュアルですが、フードがヘルメットに対応するなど実用性はかなり高いと思います。

「エンジョイマウンテンライフオムニフリーズゼロロングスリーブシャツ」の色が派手かなと思ったんですが、意外と肌となじんだのは新しい発見でした。普段は黒系のウェアが多くて、今回着たウェアはなかなか選ばないカラーだったんですが、明るい色はテンションが上がっていいですね（笑）。何も根拠はないんですけど、自然と気分が明るくなりました！

今年の夏は「エンジョイマウンテンライフ」コレクションを着て、目標の山への挑戦を楽しんでみてはいかがだろう？