登⼭ガイド・篠原果鈴

登⼭ガイド・篠原果鈴

「いつか父を連れてアコンカグアへ」
“山が好きではない”
彼女が登山ガイドになった理由

若き女性登山ガイドとして活躍中の篠原果鈴さん。17歳で南米最高峰のアコンカグアに挑戦し、
高校卒業後は登山ガイドを養成する専門学校に入学。しかし、実はそれほど山が好きではないという、その理由とは?
さらにそれでもガイドを続けたいというモチベーションについてお話をうかがった。

文=大関直樹、写真=加戸昭太郎、デザイン=オレンジ社  
協力=コロンビアスポーツウェアジャパン[PR]2024.04.18

「THIS IS WHY WE HIKE ~山に行きたい理由がある~」は、毎回異なる人物に、山に行く理由や、山の楽しさ、自分にとっての山とはなにかを訊ねる連載企画です。第1回は、登山ガイドの篠原果鈴さん。

17歳のときに、たったひとりで
アコンカグアをめざす

篠原さんは24歳という若さで登山ガイドとして活躍中ですが、子どものころから山が好きだったんですか?

篠原さん:父に連れられて富士山や谷川岳、北アルプスなどの山に登っていましたが、山自体は今でもそれほど好きではありません。ただ、山で父と過ごす時間は本当に楽しかったんです。いろいろな話をしたり、夕日を一緒に見て感動を分かち合うのが好きでした。

インタビューは春の日和田山を歩きながら行なった

山が好きではないのに、どうして登山ガイドの道を選ばれたのですか?

きっかけは、17歳のときに挑戦したアコンカグア(6961m)への登山でした。 高校2年生のときに父と疎遠になったり、母が病気になったりして、どうしていいかわからなくなってしまったんです。自分がなにをやりたいかも見失ってしまい、学校に行けない日もありました。このままじゃダメだと思ったときに、想像がつかないようなスケールの場所に自分を放り込んでみたいと思ったんです。それが、南米最高峰のアコンカグアでした。

世界中には色々な大陸最高峰がありますが、どうしてアコンカグアだったんでしょうか。

一番は、予算的な理由でした。アコンカグアはガイドが必須ではなく、高校生がバイトのお小遣いを貯めてギリギリ行ける山だったんです。2月だったら登攀技術やパートナーが必要ないことも大きな理由でした。

南米最高峰、アコンカグア(写真提供=篠原果鈴)

17歳のビッグチャレンジの結果は、どうだったんでしょうか?

4800mくらいで降雪に阻まれて撤退しました。その次の年もチャレンジしたのですが、このときは、メンタルが折れ切って5500mくらいで戻ってきたんです。さらにその次の年も挑戦したのですが、今度は6300mくらいで高山病にやられてしまいました。高所順応を徐々にしなくてはいけないのはわかっていたんです。でも、辛いので早く終わらせたいと気が急いてしまい体力に任せて進んでしまったら、山頂アタックの日に高山病になってしまいました。ただ、毎年少しずつ刻んでいるので、いつかは登頂できると信じています(笑)。

父をアコンカグアに連れて行くためにガイドの道へ

そしてアコンカグアから帰ってきて登山ガイドを養成する専門学校に入学されたんですね?

はい、アコンカグアに登っている途中で、南壁が見える場所に立ったときに、父をここに連れてきたいと思ったんです。昔、幼い私を父が山に連れて行ってくれたように、父の前を私が歩いて重い荷物を持って。そのためのスキルを身につけるために登山ガイドをめざすことにしたんです。

専門学校はいかがでしたか?

正直なところ大変なことも多かったです。私が入学した山岳プロ学科は、生徒8人中女子生徒は私ひとりだったんです。そこで、体力差を感じてしまって・・・。ただ、自分が何かひとつ強い分野を作りたいと思って、ロッククライミングに取り組んだんです。おかげで山はそれほど好きじゃなくても、クライミングは好きになりました(笑)。

ロッククライミングはプライベートで楽しむそう(写真提供=篠原果鈴)

山で誰かと一緒に感動を
共有したい

専門学校卒業後は、登山ツアー事業を運営するフィールド&マウンテンにガイドとして入社されたんですね。

そうです。現在は、ツアーがあると登山ガイドとしてツアーを引率し、ツアーがないときは企画を考えたりしています。働きだして3年になるのですが、お客さんと一緒に行く山は、楽しいと思うことが増えてきました。相変わらずプライベートではひとりで山へ行くことはないんですが(笑)。

今までガイドをさせていただいて、どのツアーもお客さんと一緒に山に入る時間は私にとって幸せな時間でした。特に先輩ガイドから引き継いだ槍ヶ岳のガイディングや、とっても行程が長かった谷川岳の主脈縦走のガイディングは思い出深いです。谷川主脈縦走はお客さんと肩ノ小屋に泊まって、翌日は平標山まで12~13時間も歩くんです! 長距離を歩き切ったときのみなさんは達成感にあふれた様子でした。後日には、「あのツアーはとっても長かったけど本当によかった」と言っていただけました。ほんの少しかもしれませんが、私がそのお手伝いをさせていただけたことがうれしかったですね。そう考えると、私は山そのものより、誰かと一緒に山に行って感動の瞬間に立ち会えることがうれしくて、好きなのかなと思います。

谷川主脈縦走のツアーガイドにて(写真提供=篠原果鈴)

その気持ちを持ち続けている限り、これからもガイドとしての仕事は続けられそうですね

はい、まずはガイドとしては当初の目標だった父をアコンカグアに連れて行くことをめざしたいと思います。それともうひとつアコンカグアでやりたいことがあって・・・。ガイドとは関係ないかもしれませんが、私は結婚するなら山頂でティファニーのリングをプレゼントしてくれる人って決めているんです(笑)。

なるほど、アコンカグアの山頂で感動を共有できる人じゃないとダメなんですね(笑)。
もう候補の方はいらっしゃるんでしょうか?

いえ、まだいないので、探すことから始めたいと思います(笑)。

プロフィール

篠原果鈴(しのはら・かりん)

2000年、東京都生まれ。日本山岳ガイド協会登山ガイドステージⅡ。国際自然環境アウトドア専門学校山岳プロ学科卒業後、登山ツアーを運営する株式会社フィールド&マウンテンで登山ガイドとして活躍中。

Enjoy Your
Mountain Life!

エンジョイマウンテンライフ
シリーズとは︖

昨シーズンにコロンビアがローンチした新たなコレクション。その名のとおり“アウトドアをもっと楽しんでもらいたい”というメッセージが込められたアイテムで構成。このコレクションの特徴は、山を快適に楽しむためには機能面だけでなく、気持ちの高揚も大切であるというコンセプトから、デザイン性も兼ね備えている点にある。

素材が上下左右に伸縮するので、とても動きやすい

切り返し部分にはベンチレーションを採用し汗を排出する

ジャケットはパッカブル仕様なのでコンパクトに持ち運べる

膝を曲げたときも突っ張り感を感じないように設計

スマホを収納するのにピッタリなもも裏のポケット

ウィメンズ
エンジョイマウンテン
ライフソフトシェルジャケット

低山ハイキングから3000m峰まで、オールシーズン使えるソフトシェル。素材は、ソフトな4wayストレッチ素材を使っているため、腕や腰を動かしてもストレスフリーなのがうれしい。とても柔らかいのでアウターだけでなくミドルレイヤーとしても着回せ、さまざまなコーディネートが可能。また、撥水機能「オムニシールド」も備えているので、小雨程度なら弾いてくれる。

篠原さんコメント

すごく柔らかい素材で、本当に動きやすいです! ベンチレーションがついているので、汗をかいてもムレにくいのもいいなと思いました。エンジョイマウンテンシリーズのウェアは色がかわいいのも気に入っています。

SPEC

価格:15,400円(税込)
サイズ:S~XL
カラー:4色

ウィメンズ
エンジョイマウンテン
ライフソフトシェルパンツ

product-img

ジャケット同様に4wayストレッチ素材を使った非常に軽くて動きやすくソフトシェルパンツ。腰から太ももにかけてはフィットしすぎず、適度なテーパードシルエットなので足がすっきりと見える。機能面でも小雨や泥などを弾く撥水機能「オムニシールド」、紫外線から肌を守るサンプロテクション機能「オムニシェイド」を搭載。汗をかきやすい腰裏と膝裏にはベンチレーションを備えているので汗ムレの心配もない。

篠原さんコメント

柔らかくて動きやすいのはもちろん、ワンポイントの刺繍がもものポケットの上についているのもかわいいです。このポケットは、スマホを入れておくのにちょうどいいんですよ。足を曲げたり座ったときにも邪魔にならない設計は、すごいと思いました!

SPEC

価格:13,200円(税込)
サイズ:S-R~XL-R
カラー:3色

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ハイキングコレクションを
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