山と渓谷山旅BOOK/かごしま山めぐり街あるき
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1231 ウィルソン株のハートは撮影人気スポット 2 長いトロッコ道を歩いていく 3 地上10mほどのところで2本の杉の枝がつながる夫婦杉。仲よく手を携えているよう2000年以上という、気の遠くなる年月を生きている縄文杉樹齢はわかっていない。 縄文杉は高たか塚つか山中腹の標高約1300m地点にあり、標高約600mの荒あら川かわ登山口から往復で約10時間のロングコース。登山歩道の前半部は森林鉄道の軌道上を歩く。軌道終点の大株歩道入口までは伐採後に再生してきた若い森だが、そこから本格的な登山道になる。ウィルソン株、大王杉、夫婦杉など著名な屋久杉を見ながら進み、世界遺産登録地域に入って最後に縄文杉に着く。 巨木は残るが、屋久島の森は手つかずの森ではなく、人が伐った後に再生した森だ。50年ほどの若い森から300年を超える古い森へ至る過程を観察しながら歩けることがこのコース最大の魅力だろう。102000年以上の時を紡ぐ縄文杉 最大の屋久杉(樹齢1000年以上の屋久島に自生する杉)とされる縄文杉が広く世に知られるようになったのは1966(昭和41)年のこと。当時は樹齢3000〜4000年とされ、縄文時代から生き続けている可能性があるとして「縄文杉」の名前が定着した。木片の調査によって2000年を超えることが確認されているが、本当の

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