ultimate project 気鋭のクライマーと挑む、新たな取り組み 世界の名だたるクライマーの要望を具現化してきたカリマーからトップクライマーと共同開発した新レーベルが誕生。ultimate = 極限まで、もっと高みへと運んでくれるプロダクトに迫る。 辻 歌=文 山田 薫=製品写真 カリマー=写真提供 ultimate project 気鋭のクライマーと挑む、新たな取り組み 世界の名だたるクライマーの要望を具現化してきたカリマーからトップクライマーと共同開発した新レーベルが誕生。ultimate = 極限まで、もっと高みへと運んでくれるプロダクトに迫る。辻 歌=文 山田 薫=製品写真 カリマー=写真提供
モニターレポート
動きにストレスを感じない
前から使っているように体に馴染む
開発者の熱意を感じる仕上がり
ニックネーム :
yamanoboraさん (50代、男性)
登山歴 :
20年
登った山 :
十勝岳連峰・上ホロカメットク山(日帰り)、十勝岳連峰・かみふらの岳(日帰り)
使用アイテム :
アルティメイト35/アルピニステジャケット/アルピニステパンツ
  • SHARE
  • twitter
  • facebook
  • line
  • はてなブックマーク
ニックネーム :
yamanoboraさん (50代、男性)
登山歴 :
20年
登った山 :
十勝岳連峰・上ホロカメットク山(日帰り)、十勝岳連峰・かみふらの岳(日帰り)
使用アイテム :
アルティメイト35/アルピニステジャケット/アルピニステパンツ
  • ■ 強風のかみふらの岳でも、軽くてばたつかない「アルピニステジャケット」
  • ■ 荷物を増やしても「アルティメイト35」の背負い心地は快適
  • ■ 体に馴染んで違和感なく使用できるカリマーのアイテム

強風のかみふらの岳でも、軽くてばたつかない「アルピニステジャケット」

 12月30日に十勝岳連峰・上ホロカメットク山に行きましたが、天候不良のため撤退。1月9日に十勝岳連峰・かみふらの岳に行きました。

 かみふらの岳の登山口では快晴、気温-7℃、風速2m/sという最高の条件。最初の急登は小石が凍結した気の抜けないところですが、足がすいすい出ます。「アルピニステパンツ」の軽さとシルエットのおかげでストレスを感じません。「アルピニステジャケット」は軽量で、汗ばんでいても蒸れにくく、身体が寒くない。腕がよく動かせるので、ピッケルを持つ手がすっと出ます。

 稜線に出ると気温が下がり、風も出てきました。バラクラバの中は汗ばんでいます。ヘルメットの上に「アルピニステジャケット」のフードを被りましたが、風が当たってもばたつかず、視界も広いです。なによりもフニャフニャしていないので被ったり脱いだりが苦になりません。デポ旗を刺すのに「アルティメイト35」を降ろして、また背負いましたが、雪が全く付きませんでした。雪をはらう手間が省け、すぐに歩き出せます。強風時の作業がスムーズにできそうですし、気持ちが楽になります。「アルティメイト35」を何度か降ろしたり背負ったりを繰り返すと、背負った時の窮屈さや肩にかかる重みが感じられないことに気がつきました。身体の動きに追従して振られることがなく、強風に煽られることなくピッタリと背中に貼りついている感じです。

 かみふらの岳頂上に到着。依然、快晴。これは上ホロカメットク山も行けるかなと思っていたら、突然の強風が吹きはじめ、慌てて耐風姿勢をとりました。雪に刺したスマホ自撮り棒もどこかに飛んでいて行ってしまいました。「上ホロカメットク山は諦めよう。下山だ」。スマホ自撮り棒を捜索・救出し、かみふらの岳山頂直下からは、風が幾分弱まり、ノンビリ下山しました。

荷物を増やしても「アルティメイト35」の背負い心地は快適

 「アルティメイト35」を空荷で持った時、軽さに驚きました。荷物を入れると、生地が硬く伸びないためパッキングしやすかったです。背負ってみると、ショルダーベルト、ヒップベルトの取り付け部も硬くしっかりしていて、どこか一部の強度を上げるのではなくザックのトータルで剛性を高めていると感じました。冬季登山での「耐水性」も全く問題ないと感じました。ミゾレの時にも試してみたいと思います。今回、普段より少しだけ荷物を増やしてみました。登って下山するまで、ザックの背負い心地に対する不快感はありませんでした。背面長も合っていました。しっかりフィットし、揺さぶられることもなく重さもほとんど感じず、「秀逸だ」と感じます。

 「アックスホルダー」のレバーはグローブをはめていても使いやすかったです。ザック側面下に小さなポケットがありますが、デポ旗を収めるのにちょうど良いサイズでした。また、ハイドレーションが使えることに驚きました。夏もこのザックを使ってみたいと思います。

 ただ、生地が硬いのは丈夫で良いのですが、雨蓋下のドローコードが引っ張りきれませんでした。構造上無理なのは理解していますが。また、ピッケルのシャフトを固定するバンドの操作がしづらく、雨蓋を固定するバンドとも干渉してしまうことがあり、慣れが必要と感じました。

 「アルピニステジャケット」はとても軽く、袖を通しやすくて、着心地が良いです。薄いですが、擦れにも強そう。また、防水透湿素材「eVent」のおかげで、汗を効率よく排出していると感じました。山行中に寒さを感じなかったのは、汗をよく排出しているから、汗冷えにならなかったためだと思います。風を通さない性能も良いです。

 シルエット(シェイプ)は少し細めかなと思いましたが、インナーを着てから着るとちょうど良いフィット感がありました。それでいて、突っ張ったり、窮屈だったりすることもなく、腕や肩の動きはとても楽でした。脇下とサイドポケットにあるベンチレーションは山で使わなかったので、ウォーキングの時に使ってみました。一気に涼しくなり、配置も良くファスナーも使いやすいです。トリプルスライダーはどの位置からでも開け閉めできて便利だと思いました。

 「アルピニステパンツ」の第一印象は、「軽い、細い、股上が深い、お腹周りが少しキツイ」。軽さは文句なく良いです。薄いですが、摩擦に強そうに感じました。「アルピニステジャケット」同様、防水透湿素材「eVent」のおかげで、効率良く汗を排出しているので、寒さを感じませんでした。

 膝の曲げやすさ、足上げのやりやすさは最高に良かったです。急登はもちろんですが、ラッセルが楽だと感じました。また、裾回りをケブラー素材で補強しているので、安心できます。ただし、パンツにインナースパッツが装備されていなかったので、裾から雪の侵入を防ぐため、今回はスパッツを装着したので、効果を試すことはできませんでしたが。

 トイレ使用については、小の時の下ファスナーは良いと思いました。大の方は、僕がサポートタイツと防寒タイツを着用しているのでモタつきましたが、ジャケットや中間着を脱がなくなる分、早く済ませることができそうです。

体に馴染んで違和感なく使用できるカリマーのアイテム

 「アルピニステジャケット」は、体の動きにストレスを感じず、数回しか着用していないにもかかわらず、前から使っているように感じました。「アルピニステパンツ」の足上げのしやすさはとても良いと思いました。細いなと思ったシルエットも全く気にせずに、歩いたり、しゃがんだりすることができます。太もものポケットに地図と登山計画書を入れることにしたので、ジャケットのポケットは他の使い方ができました。とても良いパンツだと思います。

 今回モニターさせてもらったアイテムは3点とも不思議と身体に馴染んで、違和感なく使うことができました。こんなにストレスのない冬期登山ができたことが驚きです。開発された方々の熱意が伝わるものでした。僕の山登りを助けてくれる素晴らしいアイテムに出会えました。これからも、ぜひ使って行きたいです。