「浅間山・小諸で楽しむ山旅」イメージ 「浅間山・小諸で楽しむ山旅」イメージ 「浅間山・小諸で楽しむ山旅」イメージ 「浅間山・小諸で楽しむ山旅」イメージ 「浅間山・小諸で楽しむ山旅」イメージ
構成・文=小林千穂 写真=津野祐次、奥田晃司、田淵睦美、(一社)こもろ観光局 デザイン=a-pex design 協力=小諸市、(一社)こもろ観光局、長野県佐久地域振興局
美しい山容が目をひき、圧倒的な存在感を放つ浅間山。
花や大展望を日帰りで楽しめるコースが複数整備され、登山者にも人気だ。
その麓に広がる小諸は歴史あり、温泉あり、おいしいものありと、魅力にあふれる。
浅間山のワンデイ・トレッキングと、歴史情緒あふれるまち歩きを組み合わせた
プチトリップで、充実した休日を過ごそう。

浅間山・小諸の魅力

長野県東部に位置する浅間山は日本を代表する活火山。周辺には絶景の展望台である黒斑山、活火山の迫力を感じられる前掛山、佐久平を一望できる高峰山など、個性豊かな日帰りトレッキングのルートがあり、四季を通じて登山者を引きつけている。中腹の緑豊かな森、高原を彩る花々、そして迫力あふれる火山地形と、変化あふれる景観を楽しめるのが浅間山の魅力だ。

その浅間山と、千曲川の間に広がる小諸は旅情をそそるのどかなまち。江戸時代には善光寺参りや佐渡の金を江戸へ運ぶためなどに使われた北国街道の宿場町として栄えた歴史がある。一方で高原リゾート地としての一面もあわせ持ち、おしゃれなカフェやレストラン、ワイナリーなども点在している。

大自然を楽しむ登山と、麓のまちの観光を組みあわせて、ゆったりと山旅を満喫しよう。

浅間山おすすめトレッキングコース

浅間山の大自然を満喫できるおすすめの登山・ハイキングコースを紹介。新緑シーズンはもちろん、紅葉時期もおすすめ!

大迫力の浅間山山頂を望む
「浅間山・活火山体感コース」
「警戒レベル1」のときに登山可能
南中腹にある天狗温泉 浅間山荘から、今も活動を続ける浅間山の山頂にもっとも近づける前掛山をめざすコース。標高2524mの前掛山は迫力満点の山頂部を間近に望めるほか、北アルプス、八ヶ岳、富士山などの大パノラマが待っている。天狗温泉 浅間山荘からしばらくは豊かな森歩き、湯の平では美しい花々を、そして前掛山の斜面では火山らしい矮性化した木々といったように植生変化が見られるのも楽しい。気象庁の火山情報と警戒レベルを確認したうえで登山を計画し、万一に備えてヘルメットを用意したい。
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DATA
ルート:天狗温泉 浅間山荘−火山館−賽の河原分岐−前掛山(往復)
歩行時間:約6時間40分
高低差:約1,100m

参照:https://www.pref.nagano.lg.jp/sakuchi/sakuchi-shokan/kanko/asamacourse1.html

★浅間山では、もしもの時に登山者が適切に避難できるように、様々な安全対策が取られている。
 登山の前には「浅間山の安全対策」のページを必ず確認し、「登山計画書」を提出しよう。
初心者でも大迫力を楽しめる
「お手軽絶景コース」
「警戒レベル1」または「2」のときに登山可能
浅間山外輪山の最高峰である黒斑山(2404m)に登る。標高2000m近い車坂峠からスタートするので標高差が小さく、行程も短めで、登山初心者や体力に自信のない人にもオススメ。
高峰高原ホテル前からカラマツ林を歩いていくと、次第に北アルプスなどの展望が開けてくる。外輪山の縁に出ると、端正な形をした浅間山が迎えてくれる。トーミの頭からシラビソの斜面をひと登りすれば浅間山の大展望地、黒斑山に着く。山頂でひとときくつろぎ、来た道を戻ろう。
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写真提供=(一社)こもろ観光局
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写真提供=(一社)こもろ観光局
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写真提供=(一社)こもろ観光局
 
DATA
ルート:車坂峠−トーミの頭−黒斑山(往復)
歩行時間:約3時間10分
高低差:約400m

参照:https://www.pref.nagano.lg.jp/sakuchi/sakuchi-shokan/kanko/asamacourse2.html

★浅間山では、もしもの時に登山者が適切に避難できるように、様々な安全対策が取られている。
  登山の前には「浅間山の安全対策」のページを必ず確認し、「登山計画書」を提出しよう。
外輪山を歩く魅力満載
「いいとこどり縦走コース」
「警戒レベル1」または「2」のときに登山可能
車坂峠から浅間山の外輪山をぐるりと巡り、湯の平から秘湯の天狗温泉 浅間山荘へ向かう充実コース。大展望が広がり、アルプスの山のような爽やかさと、険しさが味わえる外輪山の稜線歩きが魅力だ。 黒斑山までは「Course2」と同じ。その先は登山者が少なくなり、冒険心がくすぐられる道となる。稜線の右側は湯の平に向かって切れ落ちているので、足運びを慎重に。Jバンドの下りは傾斜がキツいうえに踏み跡が薄く、足元も不安定なので滑落や落石に注意が必要だ。
さまざまな花が咲く湯の平まで下れば安心で、あとは天狗温泉 浅間山荘への道をたどる。
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写真提供=(一社)こもろ観光局
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写真提供=(一社)こもろ観光局
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写真提供=(一社)こもろ観光局
 
※車坂峠―天狗温泉 浅間山荘間ではマイカー回送サービスを実施中
DATA
ルート:車坂峠−トーミの頭−黒斑山−Jバンド−火山館−天狗温泉 浅間山荘
歩行時間:約5時間30分
高低差:(車坂峠から黒斑山まで)約400m、(黒斑山から天狗温泉 浅間山荘まで)約1,000m

参照:https://www.pref.nagano.lg.jp/sakuchi/sakuchi-shokan/kanko/asamacourse3.html

★浅間山では、もしもの時に登山者が適切に避難できるように、様々な安全対策が取られている。
  登山の前には「浅間山の安全対策」のページを必ず確認し、「登山計画書」を提出しよう。
温泉
小諸市は源泉が8カ所、温泉施設は9カ所もある「温泉のまち」。佐久平を見下ろす山上の温泉、信州らしいリンゴが浮く湯船、ケーブルカーに乗って行く露天風呂など小諸ならではの特徴ある温泉をハシゴして、泉質の違いを体感するのもオススメ。
そば
そばの産地である小諸には、自家栽培した地粉を使うなど、そば粉にも製法にもこだわったそばの名店が点在する。すりつぶしたくるみを少し甘めのつゆにたっぷり溶かしていただく「くるみそば」はぜひ味わいたい。そば打ち体験ができる施設もある。
いちご
小諸市の御牧ヶ原台地は日本の加工用イチゴ栽培発祥の地。元々イチゴが自生していて、その栽培に適した環境を活かし、大正時代にジャム用品種の栽培が始まったそう。元日から6月末までイチゴ狩りも楽しめる。香りと甘みがはじける「章姫」や「紅ほっぺ」をほおばろう。
ワイン
昼夜の寒暖差が大きく、雨が少ないこの地域は、ワインの本場・ヨーロッパの気候に似ていることからワイン用ブドウの栽培も盛ん。市内にはマンズワインをはじめ、複数のワイナリーがある。小諸の自然が凝縮されたワインを旅のおみやげにどうぞ。
小諸城址・懐古園
戦国時代、千曲川沿いの切り立った地形を活かしてつくられた小諸城。城が城下町よりも低い位置にあり、「穴城」といわれるめずらしい構造をしている。明治に入って役目を終えた城の一部が「懐古園」という公園として整備され、憩いの散策場所になっている。
北国街道
江戸時代、小諸は加賀の大名行列や、米や塩、絹織物などの輸送でにぎわう北国街道の宿場町として栄えた。駅北西にある旧小諸本陣問屋から東側の北国街道沿いには、現在も当時の商家の建物が残っている。街道を歩いて歴史を感じてみては?
ランプの宿
高峰温泉
標高約2000m、高峰山の北側に位置する温泉宿で、硫黄分を多く含むアルカリ性の湯に入れる。ランプがやさしく灯り、源泉掛け流しと加温の両方が楽しめる「ランプの湯」のほか、宿泊者は開放感抜群な「雲上の野天風呂」も楽しめる。

住所:小諸市高峰高原704-1
TEL:0267-25-2000
交通:小諸ICから車で約40分
雲上のリゾート
高峰高原ホテル
黒斑山、高峰山などの登山口となる車坂峠にあり、ハイキングを楽しむのにとっても便利な立地。ロケーションもすばらしく、富士山や八ヶ岳、佐久方面などを見渡せる。運がよければ、眼下に雲海が広がることも。

住所:小諸市高峰高原704
TEL:0267-25-3000
交通:小諸ICから車で約30分
赤褐色の秘湯
天狗温泉 浅間山荘
浅間山の南側登山口に位置する温泉宿で、鉄分を多く含んだ赤褐色の湯が特徴。秘湯の趣が漂う一軒宿でのんびりくつろげる。打ち立てのそばや山菜、きのこなど、季節を感じる地元食材が並ぶ夕食も楽しみ。

住所:小諸市甲又4766-2
TEL:0267-22-0959
小諸ICから車で約25分
脇本陣の宿
粂屋(くめや)
江戸時代、参勤交代が重なったときに大名や藩の家老などが宿泊した「脇本陣」。当時の雰囲気はそのままにこの格式高い宿がリフォームされ、快適に、手ごろな料金で泊まれる。日中はカフェ(火曜休)もオープン。

住所:小諸市市町1-2-24
TEL:0267-27-1482
交通:小諸駅から徒歩約5分

 旅の特別な思い出
「満天の星」

 浅間山や八ヶ岳などの山々に囲まれた佐久エリアは、空気が澄んでいて、晴天率も高いことから星空観賞に絶好の場所だ。高峰高原からは佐久平の夜景と、シルエットとなった八ヶ岳の上空に広がる満天の星という、光のコラボレーションを楽しめる。

 また、佐久エリアには国立天文台野辺山宇宙電波観測所や、小型惑星探査機「はやぶさ2」と交信していたJAXA臼田宇宙空間観測所があるほか、最新の技術を集結した美笹深宇宙探査用地上局が間もなく運用開始される予定で話題を呼んでいる。このあたりは巨大なパラボラアンテナと満天の星の両方が眺められる唯一の地域。その光景はまるでSF映画に出てくるシーンのようだ。

 周辺には高峰高原をはじめ野辺山高原、白樺高原、松原湖高原など星空スポットがたくさんある。ぜひ夜空を眺めて壮大な自然を感じよう。

写真協力=八ヶ岳グレイスホテル/南牧村

小諸・浅間山までのアクセス