



2025シーズン
防水透湿性が大幅アップして
リニューアル新登場!

ティフォン ストレッチ ジャケット &
ティフォン ファントム トレック ジャケット

文=高橋庄太郎 写真=後藤武久 デザイン=熊谷篤史
協力=ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン[PR] 2025.2.28
山岳装備には、長く愛され続けている「定番品」というものがいくつか存在する。特にリニューアルを繰り返し、絶えず機能性を進化させ続けている名品は、単なる定番品を超え、アウトドアギアを代表する「ロングセラー」かつ「ベストセラー」アイテムとなっていく。
登山の必需品であるレインウェアでいえば、その筆頭格はミレーの「ティフォン」シリーズだ。初登場10周年となる2025年の新作は、初代から数えて2回目のリニューアル。このレポートを書いている山岳ライターの僕・高橋庄太郎も、これまでに新旧3バージョンを愛用してきた。
そんなティフォンシリーズだが、今期は用途に合わせてなんと3タイプものジャケットがラインナップされている。そのなかで、これからの季節の一般的な山歩きに向いているモデルが2つ。ひとつは「ティフォン ストレッチ ジャケット」(左)で、もうひとつは「ティフォン ファントム トレック ジャケット」(右)だ。
カラーは「ティフォン ストレッチ ジャケット」で5種類、「ティフォン ファントム トレック ジャケット」で2種類が展開されているが、どちらも最新のティフォンシリーズとして今期はミレーのブランドカラーでもある“ブルー”が“推し”のイメージカラーとなっている。とはいえ、「ストレッチ ジャケット」のほうはいくぶん柔らかなブルーで、「ファントム トレック ジャケット」のほうは氷のように硬質なブルーという微妙な違いが生まれているのはおもしろい。
しかし、「ティフォン ストレッチ ジャケット」と「ティフォン ファントム トレック ジャケット」は、どのように異なる特徴をもっているのだろうか? もちろん、わざわざ作り分けている意味があるはずなのである。
まずは、「ティフォン ストレッチ ジャケット」をチェックしよう。

高いストレッチ性と
ソフトな着心地はそのままに
耐水圧が大幅アップ
「ティフォン ストレッチ ジャケット」

その最大の特徴はモデル名そのまま。つまり「ストレッチ性」だ。

実際、驚くほど伸縮性が高く、体の動きに合わせて四方によく伸びる。

無理やり体に巻き付けるようにジャケットを引っ張ってみると、よくわかる。生地がすばらしく伸縮し、背中にはほとんどしわが出ないほど体に密着するのだ! これだけストレッチすれば、行動中の体の動きをさまたげず、疲労感を抑える効果も期待できる。それでいて、耐水圧は30,000mm、透湿性は50,000g/m2/24hもあり、リニューアル前よりも大幅にアップしているのがスゴいところだ。
ディテールもよく考えられている。

フロントのファスナーは上下から開け閉めできるWタイプ。首元はしっかりと閉じつつ、腰周りは大きく広げる・・・などという使い方も可能だ。

左右のポケットの内側はメッシュ素材。着用時にポケットを開けたままにしておけば、ベンチレーターの役割を果たし、涼しい空気をジャケット内部に呼び込んでくれる。


フードは少し大きめの作りだ。ヘルメットをかぶったときでも窮屈さを感じないように設計されているのだが、ヘルメットほどボリュームがない一般的な帽子をかぶった際でも、フードにつけられたドローコードの働きでフィット感は充分に保たれる。
耐水性と透湿性に加え、過不足ないディテールを備えた「ティフォン ストレッチ ジャケット」は、これからの季節の登山で大いに活躍してくれるに違いない。

なお、重量は300g。耐久性も考慮した少し厚めの生地を使っているので、極端に軽いわけではないが、現代のレインジャケットとしては充分な軽量性といえるだろう。

超軽量ながら驚異的な
耐水性能&透湿性
小さくたためる収納性も魅力
「ティフォン ファントム トレック ジャケット」
次に「ティフォン ファントム トレック ジャケット」を見てみたい。

こちらの最大の特徴は、ずばり“軽量性”。なんと一着で163gしかない。先ほどの「ティフォン ストレッチ ジャケット」が300gなのだから、ほぼ半分の重さなのである!
紙のように極薄の生地は、なんと7デニール。

明るい場所では内側に着ているものが透けて見えるほど、シースルー感もある素材だ。
ジャケットの裏側を見ると、浸水を避けるために貼られたシームテープの幅と厚みも最低限に抑えられているのが確認できる。

こんな細部へのこだわりもまた、ジャケットの軽量性に貢献しているわけだ。
袖の部分もシンプルなつくりである。

わずかにゴムで伸縮するだけで、一般的なレインジャケットのように面ファスナーなどでフィット感を調整できる構造ではない。軽量化のための簡素化とはいえ、潔いデザインである。
ポケットの内側を見ると、「ティフォン ストレッチ ジャケット」とは異なり、メッシュ素材は使われていない。だから、ベンチレーターとしては機能しないということになる。

しかし、この「ティフォン ファントム トレック ジャケット」の透湿性は、「ティフォン ストレッチ ジャケット」を凌駕する60,000g/m2/24h。ジャケット内部へダイレクトに風が吹き込まなくても、高度な透湿性によって汗による蒸れをカバーしているともいえそうだ。また、耐水圧も同様に「ティフォン ストレッチ ジャケット」を上回り、50,000mmという高レベルである。
このように軽量かつ薄手の素材を使用しているだけに、収納時は非常にコンパクトだ。このジャケットは腰元のポケットにウェア本体を収められるパッカブル仕様で、20×10cm程度のサイズで収納できる。

もっとも、これはポケットを裏返したときの大きさでしかなく、実際はもっと小さく圧縮することも可能だ。

このように携行性に優れたジャケットゆえに、つねに山中で持ち歩き、ウインドシェルのような使い方をしても重宝するだろう。この点は「ティフォン ストレッチ ジャケット」にも言えることではあるが、より軽量性に富む「ティフォン ファントム トレック ジャケット」のほうが好天時でも気楽に持参したくなる。
・・・というわけで、山中で大いに活躍してくれそうな2つのジャケット。

実は発売に先駆けて、僕はフィールドテストを昨年から開始!
すでに高温多湿な沖縄の山などで何度も着用している。


そのおかげで、これらのジャケットのすばらしい実力を肌身で把握しつつあるのだが、今後さらにシチュエーションを変えてテストしてみようと考えている。その結果は、いずれあらためてレポートにまとめるつもりだ。楽しみに待っていていただきたい。
Profile

高橋庄太郎
たかはし・しょうたろう
山岳/アウトドアライター。一年の半分はアウトドアのフィールドで過ごし、夏は北海道、冬は沖縄、季節を問わずに日本アルプスと、低山から高山までさまざまな山に登り続けている。著書に『テント泊登山の基本テクニック』(山と溪谷社)などがあり、10年以上も続いている「山と溪谷オンライン」の連載「高橋庄太郎の山MONO語り」では、山道具の徹底的なフィールドテストを毎回行なっている。
問合せ先
- ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン
- 050-3198-9161
- https://www.millet.jp/

