2021年開催「山好きのための 信濃大町体験会」レポート

取材と文=大関直樹 写真=渡辺幸雄

山好きのための 信濃大町体験会


2021年10月30日(土)~10月31日(日)開催

真剣に大町市への移住を検討したい
雄大な北アルプスを間近に望む山岳都市、信濃大町。立山黒部アルペンルートの玄関口としても知られる大町市は、アウトドアアクティビティを満喫しながら暮らしたいという移住希望者から注目を浴びているまちだ。そこで、山と溪谷社と大町市はタッグを組んで「山好きのための 信濃大町体験会」を2020年に引き続き開催。今回は、40代から60代の10名の方が参加した。集まった参加者に参加の動機を聞くと「実際に体験して自分にとって移住が可能かを見極めたい」、「秋冬の生活環境はどのようなものなのか、不自由さを感じる部分や厳しい部分を知りたいと思った」など、移住を真剣に検討している様子がうかがえた。

ライフスタイルに合わせて住むエリアを選べる
体験会は大町山岳博物館の見学からスタート。展望フロアにある大きな地図で、大町市の地形や気候、冬の暮らし方などについてスタッフからレクチャーを受けた。「同じ大町市でも生活に便利なまちなか、自然が豊かな湖畔付近、のどかな田園地帯、ザ・田舎暮らしを体験できる山間部など、自分のライフスタイルに合わせてエリアを選ぶことができます」という話に、参加者はなるほどという表情で大きくうなずいていた。

大町市は、本当に水が美味しい
その後、アウトドアガイドで定住促進アドバイザーでもある梅田敏男さんの案内で大町市内を散策。『山と人とまち』を結びつけるというコンセプトの「三俣山荘図書室」でお話をうかがったり、昭和レトロな商店街をぶらり散歩したり、雑貨店を見学したり。なかでも人気があったのが、まちなかにある湧水「男清水」、「女清水」の飲み比べ。参加者からは「わあー、こっちの方がまろやか!」、「大町って本当に水が美味しいんですね!」という賑やかな声が上がっていた。

本音トークが飛び交う交流会
今夜の宿は、大町市移住定住協力店でもある「やまく館」。地元の食材を使ったボリューム満点の夕食を食べた後は、3人の先輩移住者との交流会を開催。仕事は簡単に見つけられるのか、生活費はどのくらいかかるのか、ご近所付き合いで大変なことはないのかなど、移住を考える上で不安に思っていることを率直に質問していく。
「仕事も住宅も、地元の方とコミュニケーションをとって口コミで紹介してもらうのがおすすめです」
「生活費自体は都会とそれほど変わらないですが、家賃とレジャーにかかるお金は確実に減ります。野菜は、ご近所さんからもらえます(笑)」
など、住んでみなくてはわからない本音トークで大いに盛り上がった。

移住者に優しいまち、大町
翌日は、2016年に大町市へ移住し、りんご農家を営んでいる塙慎一さんを訪問。塙さんが育てたリンゴを食べくらべながら、移住の経緯や大町市での暮らしについて伺った。
「僕の見えている範囲では、大町市は移住者にやさしいまちだと思います。行政も移住者の受け入れに積極的なので、いろいろと相談にのってくれます」(塙さん)
参加者のひとりは「塙さんが、どんな想いや経過で移住し、大町に来てからどうしてきたかを、現場で直に話が聞けたのはとても有意義でした」と感想を教えてくれた。

北アルプスの絶景を満喫
体験会の最後は、大町山岳博物館から歩いて1時間30分ほどの鷹狩山山頂までハイキング。ちょうど紅葉のシーズンだったので、色鮮やかに染まった山を満喫できて、参加者も大満足!山頂の展望台では、白馬岳から常念岳まで、北アルプスの雄大な眺望を楽しむことができた。
「麓からたった1時間30分の登山でこんな絶景を見られるなんて素敵だと思いました。四季折々の景色もぜひ見てみたいです」との声が聞かれた。

充実の体験会を終えて
無事にハイキングを終えて山岳博物館まで戻ってきたところで、閉会式を開催。最後に体験会の感想を聞いてみると、参加者は次のように話してくれた。 「大町市は、美味しい水があって、雄大な山々があって、とても良いところだと思いました。大きな病院や市営住宅があるのも魅力的です」(50代女性)
「漠然と田舎暮らしがしたいという想いから、具体的に住まいや仕事について考えることができました」(50代女性)
「参加して本当に良かったと思える2日間でした。これからも魅力的な企画を期待します」(50代男性)
非常に好評だった「山好きのための 信濃大町体験会」だが、「山と溪谷社」と「大町市」では今後も登山好きの移住希望者向けの体験会を企画している。大町市に興味のある方は、ぜひ次回の体験会に参加してみてはいかがだろうか。

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