アルピニズムとともにあり、幾多の歴史的シーンでクライマーを支えてきたダウン。雪と氷に閉ざされた世界で身を守るために欠かせない選択肢。パタゴニアのアルパイン・ダウンラボは、この伝統的な素材の魅力を一から見直し、さらなる可能性を探る、新しい旅を始めた。

多くの人工的な保温素材が登場した現在でも、『最も温かく、最も軽量で、最も小さく携行できる』という究極のバランスにおいて、自然から生まれたダウンは最高峰の存在。この再認識を経て、ダウンが持つアドバンテージを最大限に反映する製品づくりが進められた。

アルパイン・クライミングに的を絞り、キルト・チャンネルやダウンの配置、ウェアのディテールなど、あらゆる視点で “新たな最善”を模索。この秋、アルパイン・ダウンラボが導き出した答えが形となり、待望のリリースを迎える。

「アルプライト・ダウン・プルオーバー」のテーマは積雪期におけるアルパイン・クライミングの快適性を押し上げること。シェルの下にすっきりおさまり、命を脅かす寒さを遠ざけながら、行動による熱をため込みすぎない。高みをめざすクライマーにとって必要十分な保温性を見いだし、軽量、コンパクトに仕上げたミニマムなソリューションだ。

パタゴニアのダウンウェアのなかで最も薄く、軽いモデルであるがゆえ、限られたダウン量で均一な温かさを出すための工夫も凝らされている。メインのボディは細いキルト・チャンネルでダウンの偏りを防ぎ、ロフトをキープ。肩周りと裾はさらにスペースを狭め、ダウンの密度を上げることで、ややしっかりした質感に。体の動きやバックパックによるストレスに対応し、保温力を上げすぎない調節機能も担っている。

高くアックスを振り上げてもストレスを感じさせない着心地のよさは、綿密な立体裁断によるもの。チェスト・ポケットひとつだけを備えたごくシンプルなデザインも、本当に必要な機能だけを求めるクライマーに歓迎されるだろう。