Patagonia GORE-TEX
New Alpine Shell
環境への悪影響を最小限に抑え
高いパフォーマンスを発揮。
パタゴニアの革新的な
アウターシェル
完全なPFCフリーを実現し、
過酷な環境下で機能する
アルパイン・シェルが誕生。
パタゴニアとゴアテックスが手を取り合い、
たどり着いた新境地とは?
文=川原真由美 写真=鈴木岳美・田丸瑞穂
デザイン=オレンジ社 協力=パタゴニア日本支社
[PR]2023.11.21
パタゴニアとの
パートナーシップから生まれた、
新しいゴアテックス
メンブレン「ePE」
パタゴニアの新しいアルパイン・シェルを語るうえの重要なワード、それが「PFCフリーのゴアテックス」。環境保護を大きな理念とするパタゴニアでは早くから製品のPFCフリー化を進めてきたが、その到達点とも言えるのが今回のシリーズ。PFCフリーを実現した新世代のゴアテックスを採用し、アルパイン環境で充分なパフォーマンスを発揮するシェルが完成したのだ。
新しいゴアテックスメンブレン「ePE」(延伸ポリエチレン)の開発期間は10年にも及び、その過程においてパタゴニアも大きな役割を担うことに。具体的には受け取った素材をラボで評価し、製作したプロトウェアを各国のアンバサダーや契約テスターが着用してフィードバックするというもの。当然、ゴア社でもテストは行われるが、コアなアルパイン環境から届く、その道のエキスパートのコメントは得がたいものであり、開発の推進力になった。
そうして完成したePEのメンブレンは、防水・透湿・防風の機能は変わらず、従来のメンブレンより薄く・軽いという進化も遂げている。いち早く袖を通したアルパインクライマー・横山勝丘さんは変化をどう受け取ったのか。今後のプランと環境保護に対するスタンスとともにうかがった。
PFCとは
PFCは有機フッ素化合物の総称で、水道水への影響が報じられているPFASも同義。一部に自然と人に有害なものがあり、製品の製造〜廃棄の過程で河川に流れ出すと、分解せずに自然界に残存してしまう。食物連鎖のなかで人体にも蓄積されることから、欧米で規制の動きが広がっている。また、無害、グレージーンのPFCが存在する。
青空の下に広がる厳冬期の静寂
2月の宝剣岳で
横山勝丘さんがチェック。
冬期登攀でのポテンシャルは?
新しいアルパイン・シェルを着用してみて、第一印象は?
すごく使いやすいですね。アルパインクライミングは上半身の動きが激しくて、アックスを振り上げて、打ち込んだりするときに肩や腕を大きく動かします。で、そのときに生地に突っ張りがあると、すごくストレスになるのですが、今回着たスーパー・フリー・アルパイン・ジャケットは、そういうことがない。これは、デュアル・アスペクト・ジャケットなど、パタゴニアのアルパイン・シェルに通じるよさですね。
以前、ウェア選びは着心地のよさを重視するとお話しされていました。
そうですね。着ることでストレスを感じたくない。普段と同じような感覚でいたいのです。そういう意味で、激しい動きには大胆な立体裁断で対応し、生地がしなやかで重さを感じないスーパー・フリーはとてもいいですね。アルパインクライミング向けのハイエンドモデルというと、以前は生地がしっかりしていて頑丈というイメージでしたが、同じ丈夫さと快適性を担保して「ここまで薄くて、柔らかいんだ」ということはすごく感じました。それと、フードについているインサレーションの風よけ、最初に見たときは「いるんかな?」と思ったのですが、ヘルメットなしで稜線を歩いていると温かくて気持ちよかった。
スーパー・フリーとともにする遠征プランはありますか?
昨年のパキスタンのK7遠征を終えてから、この1年はロッククライミングに集中すると自分のなかで決めて、屋久島や近所の岩場で登っていました。来年はまたパキスタンの山に行く予定です。知り合いがトレッキングしたときの写真を見ていたら、すごくいい岩山があって。ただ、調べても登攀記録はおろか山の名前も出てこないし、位置についても、わかるのは“この谷のこっち側”ということくらい。5800mくらいの山で、ピーク付近には雪や氷もあるけれど、メインは岩登りです。ストレスなく、大胆に動けるスーパー・フリーは、おそらく、うん、使えますね。今年の冬はこの山に向けたトレーニングをして、遠征にフィットするコンディションに仕上げていきます。
エキスパートが求める
アルパイン・スーツと
多くのユーザーを満足させる
トリオレット・シリーズ
トレーニングではアルパイン・スーツも活躍しそうですね
アルパイン・スーツに関しては、こういうニッチな製品を作ってくれて、やっぱりパタゴニアはすごいな、と。上下で分かれていない、ツナギのようなシェルがあればいいなと20代のころから思っていて、仲間内で自作してみたりしていたんですよ。岩壁、氷壁のなかでランダムにいろんな動きを繰り返すので、ハーネスの下のかさばり感やジャケットがずり上がるストレスを減らしたくて。率直に言って、アルパイン・スーツのようなウェアを求める人は少数派でビジネスとして難しい。それでも、僕たちの希望を受け入れて、製品化してくれたコンセプトというか、マインドがうれしいです。シチュエーションとしては本当に標高が高くて寒いところ。シェルの脱ぎ着をせずにずっと動き続けるアラスカのようなところで着てみたい。実験的な側面もあって、新しい仕様が散りばめられているので、それがどう機能するのかも興味深いですね。
歩きが主体の雪山とはウェア選びの観点が違うのですね
そうですね、歩くのとクライミングでは動き方が違うので、それぞれに適したウェアの形があります。これから雪山登山を始める人、歩くことがメインの人はトリオレット・ジャケットのほうがいい。究極のオーソドックスというか、雪山登山に必要な丈夫さ、快適さ、仕様が当たり前のように盛り込まれていて、長く使える。機能的にはアルパインクライミングやアイスクライミングにも充分対応できるので、雪山をオールマイティに楽しめると思います。
この先も同じように
山を楽しむために、
環境保護にともなう
変化を受け入れる
環境保護をめぐる変化をどうとらえていますか?
PFCフリーの流れは撥水加工が先行していますが、正直なところ最初のころは性能に不満がありました。ただ、メーカーの尽力でよくなってきていますし、自然環境を維持できなければ、今登っている山も同じように楽しめなくなる。それならば流れを受け入れて、どんどん新しく、よくなっていけばいいと思うようになりました。実際、スーパー・フリーを宝剣岳や近所でのアイスクライミングに使いましたが問題はありません。あとは使う側も変わることかな。
使い手ができること。つまり、メンテナンスでしょうか。
そうですね。汚れや汗、皮脂が撥水の機能を低下させるという部分があるので、使ったあとは洗うとか、自分できちんとメンテナンスする。買って、使って終わりではなく、自分が使うウェアを深く知って、よりよく使うという意味ではいい流れなのかもしれない。ここぞという山行の前にはメンテナンスをしっかりするとか、できることをやっていきたいですね。
ウェアの快適性を守るのは、
“もっと”まめなメンテナンス
PFCフリーになってもウェアのメンテナンス方法は同じ。ただ、PFCフリーの撥水剤は撥油性が弱いことを頭に入れておきたい。撥油性が低下するとほかの汚れも付きやすくなるので、これまでよりまめに洗って、必要に応じて熱処理による撥水性の回復を行なうのがポイント。メンテナンスに使う洗剤、撥水剤もPFCフリーのものを選びたい。パタゴニアでは「ストーム」のケア用品を店舗、オンラインストアで取り扱っていて、メンテナンスの方法も案内されている。
製品
メンズ・スーパー・フリー・アルパイン・ジャケット
PFCフリーのゴアテックスを採用した、テクニカルなアルパイン・シェル。大胆なカッティングを施し、クライマーに最大級の自由度を提供。しなやかで軽い着心地も魅力。
SPEC
価格=79,200円(税込)
サイズ=XS〜L
カラー=ビレイ・ブルーほか1色
重量=420g
*ウィメンズもあり
メンズ・トリオレット・ジャケット
雪山入門からライトなクライミングまで、幅広いシーンで活躍するベーシックなウィンター・シェル。ポケットやフードなど、細部まで快適性と使いやすさが吟味されている。
SPEC
価格=59,400円(税込)
サイズ=XS〜XL
カラー=シュラブ・グリーンほか3色
重量=510g
*ウィメンズもあり
アルパイン・スーツ
高地でのアルパインクライミングだけを考えた、登攀着の最終型。動きやすさはもちろんのこと、螺旋状のフード調節機能など実験的なギミックが盛り込まれている。
SPEC
価格=137,500円(税込)
サイズ=XS〜XL
カラー=ツーリング・レッドほか1色
重量=660g
*ユニセックス
お問い合わせ
パタゴニア日本支社
https://www.patagonia.jp/
0800-8887-447(フリーコール・通話料無料)
10:00~17:00 (日曜・年末年始は休業)