奥深いうまみが楽しめる「酒」を通して自然を修復し、守っていく
パタゴニア プロビジョンズの自然酒 「やまもり」「繁土(ハンド)」を山で味わう
- 文
- 西野淑子
- 写真
- 逢坂 聡・パタゴニア
- デザイン
- 谷口みずも
- 協力
- パタゴニア日本支社
- [PR]
- 2025.4.30
味わうことで自然を守る取り組みに携わることができ、
自然環境を考えるきっかけにもなるパタゴニア プロビジョンズの食品。
素材の味がダイレクトに伝わる、豊かな味わいの自然酒は、
山で味わうのに適した逸品だ。
パタゴニア プロビジョンズから
自然酒が生まれた理由
1973年の創業以来、アウトドアギアのメーカーとして第一線で走り続けるパタゴニアで、食品事業「パタゴニア プロビジョンズ」がスタートしたのは2012年のこと。
自社製品に使用されているすべてのコットンを、環境負荷の少ないオーガニックコットンへ移行するなど、かねてから環境問題に積極的に取り組んでいた同社は、人間の生活に不可欠な、ゆえに地球の環境に大きな影響を与えている「食と農業」に着目し、「故郷である地球を守るための取り組み」のひとつとして、パタゴニア プロビジョンズが立ち上げられた。
地球の環境改善にあたり、最重要課題として注目したのが、農地=土壌。森林を伐採して巨大な農地をつくり、化学薬品を使用して特定の野菜を大量に収穫する「工業型農業」は、土壌の砂漠化や水質の汚染を進め、生態系にも影響を及ぼす。
パタゴニアが進めているのは、生態系を壊さず、健全な土壌を構築する「リジェネラティブ・オーガニック」農法だ。健康な土壌で、化学薬品を使わず遺伝子組み換えなども行なわない農業を推進することで、環境を再生し、気候変動の解決策となることをめざしている。
そんな取り組みから生まれるパタゴニア プロビジョンズの食品は、品質に対する情熱をもつ農家や漁師から、責任をもって調達・生産された食材を使用しているが、なかでも酒は、初めての日本オリジナル製品。その土地の土壌や気候、自然環境、歴史・生活文化が色濃く影響を及ぼすものだ。日本の伝統的な発酵技術と環境修復型の農法を組み合わせることで、パタゴニア プロビジョンズの「自然酒」が生まれた。
地域の山と水が育んだ米で
昔ながらの製法で
仕込む自然酒
パタゴニアの自然酒は、生態系や水田を再生させる方法で育てた米を使用し、添加物を一切加えることなく、人工的な介入を最小限に抑えた昔ながらの技法で発酵・醸造を行なっている。丁寧な手作業で造られた自然酒は、自然環境の豊かさが反映される。仕込む年の天候や原料、微生物の働きなどによって風味が異なるのも、自然酒の魅力のひとつだ。
パタゴニア プロビジョンズで展開しているオリジナルの自然酒は、仁井田本家の「やまもり」と、寺田本家の「繁土(ハンド)」の2品。
仁井田本家「やまもり」
福島県郡山市田村町に蔵を構える、1711年創業の仁井田本家。広大な自社の山林と田畑を大切に守り、育てながら、地域と自然に根ざした酒造りを続けている。創業300年を機に、土壌の特徴を映す自然酒の製造に力を入れていて、2003年からは自社の水田での米づくりを始めた。
蔵人全員で夏は米を作り、冬は自社田で収穫した農薬や化学肥料を使用しない自然米で自然酒造りを行なっている。酒造りに使われる水は、自社田近くの井戸水と、自社山から湧き出る湧水の天然水のみ。仕込みに使う木桶は、自社山のスギの木を伐採し、町内の製材所で製材をしたもの。木桶を使用することで、酒の味わいに複雑みが増し、奥行きが出るという。
やまもりは、糀米、掛け米ともに自社田で栽培した米「雄町」を使用し、井戸水と自社山のスギの木桶で仕込んだ自然酒。水源である山を守る酒であり、味わい方、楽しみ方が多様であるという意味を込めたネーミングだ。精米歩合85%、一度ほかのタンクに汲み出して4回目を仕込むという「汲み出し4段仕込み」により、米の旨味を最大限に引き出している。
慎重に香りを確認する(提供=仁井田本家)
ゆっくりと発酵していく自然酒(提供=仁井田本家)
寺田本家「繁土(ハンド)」
「繁土(ハンド)」を造る寺田本家は、1673年から続く千葉県の蔵元。地元の米と、隣接する神崎神社の湧き水を使って自然酒造りに取り組んでいる。原料は全量無農薬米、添加物は使わず、蔵内に棲まう蔵つきの麹菌を自家採取して発酵する。できるだけ機械を使わず、蔵人たちによる丁寧な手作業で、江戸時代から変わらない工程で造られる酒は、封を開けると、豊かな香りとともに酒に関わるものたちの息づかいが聞こえてくるようだ。
繁土は、農薬や化学肥料を使わずに育てられた自社栽培の米「亀の尾」と、兵庫県豊岡市で「コウノトリ育む農法」により栽培されたコシヒカリを原料米としている。
生酛(きもと)仕込みならではの乳酸菌の酸味と、米本来の旨味が濃い、キレとコクのある濃醇な味わいが魅力。2024年は酒母を半分に分け、三段仕込みの後に半分を四段目として仕込んでおり、酸味が豊かだ。
昔ながらの自然素材のものを使っている(Taro Terasawa © 2025 Patagonia,Inc.)
蔵人たちの酛摺り唄が蔵に響き渡る(Taro Terasawa © 2025 Patagonia,Inc.)
山にも持っていきやすい
ミニボトルで
米の風味と旨みを満喫
今春、パタゴニア プロビジョンズのオリジナル自然酒「繁土」「やまもり」に、ミニサイズのボトルが登場。登山やキャンプへの持ち運びがしやすい、飲み切りサイズの150mlのガラス瓶。パタゴニアのロゴを組み合わせたパッケージが洒落ていて、ギフトにもおすすめだ。
繁土は、酸味と甘味、口当たりのよさともに米の風味がふわりと漂う。無濾過で醸された琥珀色が美しい。やまもりは、甘味と酸味、旨味のバランスがよく、しっかりした味わい。さわやかな香りも印象的だ。
いずれも、水のように飲めてしまうすっきりした日本酒ではなく、米の旨味やまろやかさ、酸味・甘味が際立ち、「自然酒」という肩書きがしっくりとくる。香りのよさも印象的だ。燗酒※にすると、さらに風味が引き立つ。
豊かな自然の中で登山を楽しんだ後、森の中のキャンプ場で、あるいは眺望のよい稜線のテント場で、のどごしや香り、風味、うまみを感じながら、じっくりと時間をかけて味わいたい酒だ。景色を楽しみつつ、蔵人たちの情熱に思いを馳せながら、山の時間を過ごすのも悪くない。
- ※瓶で熱燗にするときは、蓋を開けた状態で、熱湯に入れずに水から弱火でゆっくりと温めるようにすること
「山飲み」のお供に持参したい
ムール貝のオリーブオイル漬け
スパイシー味(写真)はスペイン料理のエスカベーチェをヒントに作られていて、
ムール貝の旨味とトマトの酸味、ピリッとくる辛さのハーモニーが抜群
味わい深い自然酒のお供には、パタゴニア プロビジョンズのシーフードをおすすめしたい。豊かな漁場の海洋生態系を保護し、混獲を最小限に抑え調達されたシーフードの缶詰は、栄養価が高く、豊かな味わい。単体で食べてもおいしいが、ほかの食材と組み合わせて調理するのもよい。
今春、パッケージが新しくなったムール貝のオリーブオイル漬けは、スモーク、レモンハーブ、スパイシーの3種類。いずれも大粒のムール貝がぎっしりと詰まっており、肉厚な貝の濃厚な旨味を満喫できる逸品だ。
商品紹介
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繁土 ハンド ミニ 6本
3,960円(税込)
1673年から続く寺田本家のオリジナル自然酒。酸味や甘味と米のジューシーさのバランスがとれた味わいだ。フィールドのお供に適した150mlボトルの6本セット。2024年醸造。
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やまもり ミニ 6本
4,356円(税込)
1711年から続く仁井田本家のオリジナル自然酒。甘味、旨味、酸味がしっかりして、複雑で奥行きのある味わい。フィールドのお供に適した150mlボトルの6本セット。2024年醸造。
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ムール貝・オリーブオイル漬
1,296円(税込)
スペイン、ポルトガル、チリの海で育てられたムール貝を使用。そのまま食べてもよし、パスタをあえるなどのアレンジレシピも楽しめる。味つけはスモーク/レモンハーブ/スパイシーの3種類。
問合せ先
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パタゴニア日本支社
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